7月 

31日

MERS
 発生情報なし


30日

MERS
 発生情報なし


29日

MERS
 発生情報なし


 香港、MERS疑い例を報告
Three suspected cases of MERS  7thSpace Interactive (香港) 香港、MERS疑い例3人を報告

 34歳男性、ドバイ経由でパキスタンから昨日帰国。発熱で空港でチェックされ、プリンセス・マーガレット病院へ入院。検査中。
 45歳女性、ドバイ経由でパリから7月26日帰国。昨日より発熱と下痢を呈したいたため、プリンセス・マーガレット病院へ入院。検査中。

 2歳男児、ドバイから香港へ家族と旅行して23日入国。24日から発熱、鼻咽頭粘液でMERS検査、陰性。プリンセス・マーガレット病院入院中。

28日

MERS
 発生情報なし

韓国ダブルパンチ、口蹄疫感染が拡大 真夏に鳥インフルも MSN産経ニュース

 {韓国の農林畜産食品省は28日、同国南東部、慶尚北道高霊の養豚場で飼育されている豚が、感染力が強いウイルス性の家畜の病気、口蹄疫に感染していることを確認したと明らかにした。

 韓国では約80キロ離れた慶尚北道義城郡でも養豚場で口蹄疫が発生しており、感染が拡大した。

 さらに同省は同日、南西部、全羅南道咸平の飼育場で飼育されていたアヒルが高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N8型)に感染していることを確認した。

 鳥インフルエンザの被害は主に冬に発生してきたが、韓国では初めて7月に感染被害が出た。この飼育場では今年3月にも同型ウイルスの被害が出ている。

 韓国では2010年11月から11年4月にかけ、口蹄疫感染が拡大し約348万頭の豚や牛の殺処分に追い込まれた。

 その後、口蹄疫ワクチンの家畜への接種を義務付けたが、守らない飼育場があったという。}

 コメント:H5N8鳥インフルエンザはこの春に韓国の家きん農場、および野鳥の間で発生し、日本でも熊本の養鶏場で発生したが拡大はしなかった。韓国では1月から5月に発生し、史上最大の家きんの殺処分が行われた。


27日

MERS
 情報なし

 特記すべき情報なし

26日

MERS
 情報なし
 7月11日からサウジアラビアからの発生報告はない。


 オーストラリアの研究者、MERSはバイオテロリズムの疑いも考慮すべきと主張



オーストラリアの疫学専門家で、ニューサウスウェールズ大学公衆衛生学部のディレクターであるレイナ・マッキンタイア、がこれまでの疫学的常識では、MERSコロナウイルスの様々な現象は理解できないとして、バイオテロの可能性もありえるのではないかという主張を論文で発表した。
 ・Environment Systems and Decisions、The discrepant epidemiology of Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV)  (国際) MERSコロナウイルスの矛盾する疫学
 
 MERSの疫学的考察による自然発生的感染症としての矛盾点。

 ・サウジアラビアのアルアサの病院内集団感染で遺伝子構造の異なる3種類のMERSコロナウイルスが検出。そこでは人人感染が発生した。
 ・サウジアラビアではMERSコロナウイルスが存在する期間に大巡礼を含む集団での集会がいくつか開かれているが、MERSの集団感染は起きていない。
 ・2014年4月と5月にサウジアラビアでは感染者数が激増したが、他の国への拡大は起きなかった。
 ・ラクダが人の感染源として疑われているが、多くの感染者はラクダや他感染者との接触はない。
 ・2003年のSARSは典型的感染症の経過を辿った。感染者から周辺への感染率が高く、海外への拡大が見られ、しかし感染様式が明確で(飛沫感染)、対策強化で数ヶ月で収束していった。しかしMERSは感染者からの周辺への感染率は低く、しかしいつまでもウイルス感染は続いていて、未だ感染源が不明である。人への感染ウイルスの遺伝子構造には数種類の違いが見られている。通常の病原微生物のい疫学的知見と大きく異なっている。


 感染源には故意に撒かれたウイルスもありえる
・School of Public Health and Community Medicine  (オーストラリア) Could MERS Coronavirus be bioterrorism? New study shows why this could be one of the explanations for the paradoxes of this virus MERSコロナウイルスはバイオテロ? 新規研究結果はウイルスの数多い矛盾の説明としてバイオテロの可能性を主張

In SARS, outbreaks in hospitals were caused by a single strain, but with MERS-CoV, more than one strain of the virus has been identified in some outbreaks. This means that people hospitalized with MERS-CoV or who developed the infection in hospital were exposed to several different viruses at around the same time. Where did these viruses come from? What was the source of infection to humans?

 SARSでは病院における集団発生は単一株で起きたが、MERSコロナウイルスでは、複数のウイルス株で集団発生が起きた。これはMERSで入院した人々、または病院で感染して発病した人々が数種類のMERSコロナウイルスに同時期に暴露されたことを意味する。
 これらのウイルスはどこから来たのか?人への感染源は何だったのか?

“It is a mystery why this virus, which has low apparent infectiousness has persisted for so long when a consistent source of infections has not been identified.” says MacIntyre. “Infections cannot materialize from thin air. Human beings are being infected from a source, either other humans or a non-human source. A non-human source could be an animal source or deliberate release.”

 明らかに人への感染率が低いこのウイルスが、感染源が不明なままいつまでも感染を続けるのは謎である。マッキンタイア教授はそのようにいう。感染の実態は大気中では視認することは無理である。人は何らかの感染源から感染しているが、それは感染者かまたは人以外の感染源であるはずだ。人以外の感染源は動物か、または故意に撒かれたウイルスである。
 

管理人エディトリアル

 現在のMERSコロナウイルスが人為的に改造されたコロナウイルス、または従来のMERSコロナウイルスの変異株、または改造中のウイルスである可能性は管理人も以前から疑っている。

 ウイルスの最初の発見が極めて妙だった。
 2012年秋にサウジの病院で発生した患者の検体を、エジプト国籍の医師がオランダのエラスムス医学センターに運び、そこで遺伝子学的にMERSコロナウイルスと診断された(全く新規のコロナウイルスであった)。

 なぜ医師はサウジ政府の許可なしにオランダに検体を運んだのだろうか。
 現在エジプトに追放され、カイロで教授をしているが、非常に判断力が優れていたのか、それともオランダの研究所と何らかの共同研究をしていたのか、いくつかの憶測が生まれる。
 オランダの研究所は迅速にウイルスに関する特許を申請したというから、あくまでも経済的問題なのかも知れない。

 しかし人為的に作製されたウイルスと言うのは、作製した本人がその証拠を公開しない限り、確定されない。自然界で変異を重ねて誕生したものと考えざるを得ない。
 中国のH7N9鳥インフルエンザウイルスも同様であるが…。

 6月以降急速にMERSが減りだしたのはなぜなのか?
 
 イランで5人のMERSが発生した。2人死亡した。
 その後周辺で拡大してないのだろうか。
 どういう状況だと拡大するのだろうか。
 ウイルス遺伝子はWHOが分析してないのだろうか。
 まさか新たな変異ウイルスということではないと思うが。
 ウイルスの感染力が弱いとしても、それなりに発病者から周辺に、特にナース達に感染している。

 そして最近、MERSウイルスが空気感染する可能性が示唆された。

 中東はどうなるのだろうか?


 

25日

MERS
 情報なし
 7月11日からサウジアラビアからの発生報告はない。

 特記すべき情報はない

24日

MERS
 情報なし

Deadly MERS virus 'may be airborne', sparking fears it may spread quicker  Daily Mail (英国) 致死的MERSウイルスは空気感染する可能性。感染拡大が早い恐れ

 MERS感染ラクダのいる飼育小屋の空気からMERSウイルスの遺伝子の断片が検出された。
 研究チームはMERSが空気感染している可能性を示唆した。
 問題が重要なのは空気感染するとなると、その感染速度が速いことと、広く感染が広がる可能性があるからである。
 MERSはすでにこの2年間、少なくとも850人が感染し、そのうち327人が死亡している。

WHO: Middle East Respiratory Syndrome could be airborne  The Week (米国) WHO:MERSは空気感染する可能性


 イランでMERS感染者死亡。他患者から感染した可能性

Iran notes 5th MERS case; Saudis extend case-free streak  CIDRAP (米国、ミネソタ大学感染症情報センター) イラン、5例目のMERS感染事例を報告

 イランは5例目のMERS発症例を報告するとともに、2例目の死者が確認された。

 WHOが本日発表したところによると、イランの67歳の女性が慢性閉塞性呼吸器疾患(COPD)の治療で入院後、自宅で療養中に状態がMERSが発症し状態が悪化したと発表した。
 女性は6月6日にCOAPが悪化したため入院治療を受け、6月14日に退院した。しかし重症呼吸器症状が出現し6月25日に入院したが、同日死亡した。

 女性は最初の入院期間中、重症急性呼吸器感染症の患者と接触を持ったが、患者はMERSとは診断されてなかった。
 ラクダとの接触、生の肉やミルクの摂食既往もなく、また発病前に国外へ出たこともないとされる。

WHO、MERS情報更新  7月23日、2014

 イランで1人死亡

 67歳女性
 慢性閉塞性肺疾患(COPD)が基礎疾患としてあった。
 6月6日基礎疾患の増悪で入院。14日に退院して自宅療養。
 6月25日に重症急性呼吸器症状を炊きして再び増悪して再入院。
 7月5日にMERSコロナウイルス感染が確認され、同日死亡。

 患者は発症2週間前まで国外旅行の既往はなく、動物(ラクダを含む)との接触や、生肉、生ミルクを摂食した既往もない。またMERS患者との接触既往もない。

 しかしながら患者最初に入院した際に、重症急性呼吸器感染症(SARI)の患者と近接接触していた。
 患者との接触者調査が行われている。
 
 コメント:この症例は、6月3日にCIDRAPニュースで発表されたイラン4例目の症例と同じ可能性がある。年齢は44歳で医療担当者であり、原因不明の重症急性呼吸器感染症の患者のケアにあたったとされている。
 今回の発表では年齢67歳と高齢で医療担当者ではないが、原因不明の重症呼吸器感染症の患者と濃厚接触した既往があるとされる。
 MERSは飛沫核感染(空気感染)する可能性がある。
 今回報告された症例が以前の症例と異なるのであるならば、イランで5例目のMERSとなる。また、診断がつかないままに死亡したSARIの患者から複数の感染者が出た可能性がある。

 最初の2例:姉妹例、姉は死亡、サウジの巡礼帰りの人から感染した疑い。
 3例目:上記の看護を担当したナース
 4例目:重症呼吸器感染症の看護を担当した男性ナース
 5例目:重症呼吸器感染症と密に接触した67歳女性。

  全例ケルマン州で発生している。

23日

MERS
 情報なし

Deadly MERS Virus May Be Airborne, Study Says Newsweek  (米国) 致死的MERSウイルスは空気感染する可能性、研究報告

MERS may be airborne, scientists say CNN (米国) MERSは空気感染している可能性があると、研究チームが示唆

 22日発表されたmBioに掲載された論文で、MERSが空気感染する可能性が示唆された。
 
 WHOが発表した最も最近の統計によるとMERSは、2012年に出現して以来感染者数が836人で、死者は少なくとも288人となっている。

 研究者達はウイルスがどのように人に感染するのか、未だ模索中である。

 サウジアラビアのキングファド医学研究センターの研究チームは、先に感染ラクダから飼育者が感染し死亡した例を発表したが、そのラクダ飼育舎から3空気検体を採取し、その中のMERSウイルスを分析していた。
 その検体中にウイルスの遺伝子(RNA)の断片を検出したことを明らかにした。
 空気検体を採取した際、飼育舎内の9頭のラクダ中の1頭がMERSウイルスに感染していたことが確認されている。

 MERSウイルスが空気感染する可能性が示唆されたことから、研究チームではさらなる確認のための研究が必要としている。


MERS Could Be Airborne, Research Indicates TIME (米国) MERSは空気感染するかも知れない。研究者が示唆

 サウジアラビアの研究チームがラクダの飼育小屋の空気からMERSウイルスのRNA断片を検出し、ウイルスが空気感染する可能性を示唆した。

22日

MERS
 情報なし


 MERSがラクダから空気感染する可能性が示唆


MERSウイルス、ラクダ小屋の空気から遺伝子の断片 AFPBB News (AFP日本語版)

 {中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory Syndrome、MERS)を引き起こすウイルス「MERS-CoV」に感染したラクダの飼育舎の空気からウイルスの遺伝子の断片を発見したという研究が、22日の米国微生物学会(American Society for Microbiology)のオンラインジャーナル「mBio」に発表された。

 研究を発表したサウジアラビアの研究チームは、空気感染の可能性を検討するための追加調査を呼び掛けている。

 11日の世界保健機関(World Health Organization、WHO)の最新情報によると、2012年に初めて報告されたMERSのこれまでの感染者は699人。そのうち209人が死亡している。

■空気感染の可能性は?

 サウジアラビア・ジッダ(Jeddah)のアブドルアジズ国王大学(King Abdulaziz University)のエサム・アズハル(Esam Azhar)准教授(医科ウイルス学)率いる研究チームは、MERSで死亡した男性の所有するラクダ小屋で採取した空気サンプルを分析した。

 死亡した男性の飼育していたラクダのうち4頭からは鼻汁などのMERSの症状が確認されており、男性は発症する1週間前に、病気になったラクダの鼻に薬を塗っていたことが分かっている。

 小屋で飼われていたラクダを昨年11月7日に検査したところMERS-CoVの陽性反応が出た。研究によると、同じ日に小屋で採取した空気のサンプルからウイルスの遺伝子の断片が検出され、分析した結果、発症したラクダや所有者の男性から見つかったウイルスの遺伝子配列と一致したという。

 一方で、翌日以降に採取した空気のサンプルからはウイルスの痕跡は見つからなかった。この結果についてアズハル氏は、ウイルスが短期間で減少するか、あるいは一時的にしか空気中に存在できないことを意味するのかもしれないと述べている。}


Detection Of MERS Virus In Air Samples Has Saudi Health Officials Worried  Business Insider Australia  (オーストラリア) 空気中からMERSコロナウイルスを検出、サウジ保健当局の不安増強

 サウジの研究チームがラクダ飼育小屋の飼育小屋の空気からMERSウイルスの遺伝子の断片を検出。
 ウイルスの空気感染が懸念される。

Middle East virus found in air of camel barn GlobalPost  (米国)中東ウイルス、ラクダ飼育小屋の空気中から検出

MERS virus detected in air samples from Saudi camel barn  WHTC (米国) MERSウイルス、サウジのラクダ小屋の空気から検出

Middle East virus found in air of camel barn  Focus News  (ブルガリア) 中東ウイルス、ラクダ小屋の空気中から検出


MERS virus detected in air samples from Saudi camel barn Thomson Reuters Foundation (国際) MERSウイルス、サウジのラクダ小屋の空気から検出

 サウジの研究チームが、ラクダ飼育小屋の空気からMERSコロナウイルス遺伝子の断片を検出し、MERSコロナウイルスが空気感染している可能性を示唆した。

 科学者達はMERSコロナウイルスの発生源について詳細には知っていないが、ウイルスがラクダに感染していて、そこから人に直接、または肉やミルクなどを通じて感染していると考えている専門家もいる。

 しかしながら今回得られたデータから、ウイルスがラクダから空気感染する可能性が示唆され、さらなる研究が必要となっている。

 論文は、 journal of the American Society for Microbiology mBioに掲載。

21日

MERS
 情報なし


 米国CDC研究施設でH5N1ウイルスの取り扱いミス

米保健当局、致死率高いH5N1鳥インフルでも取り扱いミス AFPBB News (AFP 日本語版)

 {米疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)は11日、ジョージア(Georgia)州にある研究室が、致死率が高いH5N1型鳥インフルエンザウイルスに汚染された一般的なインフルエンザウイルス株を誤って別の政府傘下の研究施設に送付していたと発表した。

 汚染は意図せず起きたものだという。CDCでは、このウイルス株を送付した研究施設を封鎖して安全対策の確認を行っているという。

 米保健当局では最近、危険な細菌などの取り扱いミスが相次いで発覚しており、8日には首都ワシントン(Washington D.C.)近郊にある米食品医薬品局(US Food and Drug Administration、FDA)の研究施設で、70年代に撲滅された天然痘ウイルスの入った薬瓶が見つかったばかり。また先月には、アトランタ(Atlanta)にあるCDCの研究施設で炭疽(たんそ)菌の扱いが正しく行われていなかったことが発覚している。

 CDCはさらに、2006年に炭疽菌とボツリヌス菌が、また2009年にブルセラ菌がいずれも正しい不活性化の処置がとられずに送付されていたことも明らかにした。

 一連のミスに関連して細菌に感染した例は確認されていないが、生物テロにも使われかねない危険な細菌の取り扱いをめぐる安全性に懸念が高まっている。}


 関連情報

 2014年7月11日
US anthrax probe reveals new bird flu mishap, widespread safety lapses  Reuters (国際) 米国CDC、炭疽菌事故調査の過程でH5N1鳥インフルエンザウイルスの誤った取り扱いを確認、CDC内部での安全性の欠落が露呈

 CDC内部で生きた炭疽菌に80人の研究者が暴露した可能性ある6月の事故の調査過程で、危険なH5N1鳥インフルエンザウイルスの取り扱いミスが判明した。
 3月にCDCと共同研究している米国農業局に、危険な鳥インフルエンザウイルス株を誤って送っていた。
 鳥インフルエンザウイルスの取り扱いミスは重大な結果を引き起こしかねない。
 幸い、炭疽菌事故も鳥インフルエンザウイルス事故も人への感染は起きていない。

 コメント:試験管内から病原体が漏れ出した事故の確認は難しい。研究当事者だけが分かるが、インフルエンザウイルスの場合、自然過程で鳥類や豚の体内で発生したものか、それともどこかの研究室から漏れ出たものかの区別は容易ではない。また気づかれない可能性も高い。

 かって流行していたソ連型インフルエンザ(H1N1型)は、中国かソ連の研究室から漏れ出たと多くの研究者は推定している。
 他にもそのように疑われているウイルスはある(豚インフルエンザ、SARS、H7N9鳥インフルエンザ他)。なお当事者が告白しない限り、確定的証拠はなく、いったんウイルスが広がってしまうと、その発生源を突き止める事は不可能となる。


20日

MERS
  新規例なし

19日

MERS
  新規例なし


18日

MERS
  新規例なし


MERSが指定感染症に
 厚労省が16日付けでMERSを指定感染症としての政令を施行した。
 厚労省発表政令 PDF

 指定感染症

 中東呼吸器症候群について講じることのできる主な感染症法上の措置

疑似症患者に対する適用(第8条第1項)
医師の届出(第12条)
獣医師の届出(第13条)
感染症の発生の状況、動向及び原因の調査(第15条)
健康診断(第17条)
就業制限(第18条)
入院(第19条及び第20条)
移送(第21条)
退院(第22条)
感染症の病原体に汚染された場所の消毒(第27条)
ねずみ族、昆虫等の駆除(第28条)
物件に係る措置(第29条)
死体の移動制限等(第30条)
質問及び調査(第35条)
入院患者の医療(第37条)
※ 上記措置に附随する関係規定は省略している
※ 括弧内は、感染症法の条文番号


Bat coronavirus study suggests MERS-CoV 'roots' CIDRAP (米国) コウモリのコロナウイルスが、MERSコロナウイルスのルーツである可能性

 ドイツと南アフリカの研究チームが、アフリカのコウモリの保有するコロナウイルスの遺伝子を完全分析した結果、MERSコロナウイルスはアフリカのコウモリがルーツで、アフリカでラクダに感染してラクダがウイルス保有宿主となったことが示された。
 Journal of Virologyに研究論文が掲載された。
 その後、中東でラクダから人にウイルスが感染するようになったと考えられるが、コウモリから人へ感染しだしたという仮説は否定された。

17日

MERS
  新規例なし

  サウジアラビアからは連続1週間感染者の発生報告はない。

管理人エディトリアル

 H7N9鳥インフルエンザは気温が上がったことから、感染力を弱め人での発病報告は減っている。
 問題は9月以降となる。

 MERSに関しては未だ季節性は明確でなかったが、発病例が減っていることをみると、感染力には季節性があるのかもしれない。

 SARSの場合は、2003年3月と4月に多発したが、5月に入ると感染者数は激減し、以後秋まで散発的に発生したものの、翌年には研究所内で暴露した関係者だけの発病となった。

 MERSは未だ人への感染力が弱く、そのためSARSほど広がりを見せていない。
 しかしWHO統計では288人の死者が一昨年秋以来確認されている。SARSでは800人であった。

 7月に入ってからラマダン(断食月)でメッカには多数の巡礼者が集まっている。10月には大巡礼でメッカ周辺は巡礼者であふれかえる。
 昨年度もMERSが、メッカ大巡礼で世界への拡大が懸念されたが、感染者は数十人だけだった。
 今年はどうなのだろうか。サウジ保健省は、現段階で感染者数が減少していることから、感染拡大を乗り切ることに自信を抱きだしたようだ。


16日

MERS
 なし


Fakeih: MERS under control Arab News  (サウジアラビア) サウジ保健大臣補、MERSは制御されている

 サウジ保健大臣補のアデル・ファケイ(Adel Fakeih )氏は13日メッカを訪問し、病院や研究施設を訪問して、この数日間MERSの発生が国全体で減少していると語り、関係者の努力に感謝の意を表した。

15日

MERS
  新規例なし


WHO: 3 of 9 MERS patients had camel exposure
CIDRAP (米国、ミネソタ大学感染症情報センター) WHO報告9例のMERSのうち3例がラクダに暴露既往

 7月3日から10日の間に、WHOに報告されたサウジアラビアとアラブ首長国連邦のMERS9例のうち3例がラクダに接触、またはラクダ農場に関与していた。。

14日

 MERS
  新規例なし

13日

 MERS
  新規例なし


Deadly disease MERS-CoV won't stop PH Muslims' hajj Inquirer.net  (フィリピン) フィリピンのイスラム教徒、MERS発生にもかかわらずサウジの大巡礼参加の予定

 2500人前後のイスラム教徒がフィリピンからサウジアラビアのメッカに航空機で旅発つ予定であるが、当局のMERS感染の危険性啓発にも関わらず取りやめる例は少ないとされる。


12日

 MERS
  報告なし

11日

 MERS
  報告なし


WHO: Basic Hygiene Can Help Prevent MERS Spread Sci-Tech Today (国際) WHO、基本的衛生管理がMERS拡大防止に効果

Asian countries should stay vigilant against MERS: WHO  Medical Xpress  (米国) WHO、アジア諸国はMERSに警戒するように

MERS warning for millions making Hajj pilgrimage to Mecca CBS News  (米国) メッカ大巡礼に向かうイスラム教徒にMERS感染を警告

 昨日情報掲載のWHO西太平洋地域伝染病対策長官のマーク・ヤコブ氏の声明。


10日

 MERS
 
 サウジアラビア 1例  累積感染者数721人 、死者数295人
  保健省
  49歳男性、サウジアラビア人、ハフーフ(Hafoof)、顕性感染、病棟隔離、基礎疾患有


MERS unlikely to spread in Asia: WHO expert Solar News PH  (フィリピン) WHO専門家:MERSはアジアに拡大しないとの予測

 WHO西太平洋事務局のマーク・ヤコブ氏の発言。

 これまで多数のMERSが発生しているが、患者周辺への感染拡大が見られてないことから、予想されたほどには感染力はないと判断され、十分な衛生管理を行っている限り、アジアでの拡大は起きないだろうと語った。

 同氏の発言は、先週フィリピン政府が今年のメッカ大巡礼はMERSの脅威がなくなるまで延期すべきであると発表したことに対して行われた。
 ウイルスの感染拡大地域は未だ小さい。ウイルスが変異しない限り、さらなる拡大はないだろう、と同氏はコメントしている。

WHO: Basic Hygiene Can Help Prevent MERS Spread ABC News  (米国) WHO:基本的衛生管理でMERS拡大を防止できる

 AP

 メッカ大巡礼で数百万人の巡礼者が集まるが、基本的衛生管理、すなわち手洗い、咳をする人へは近寄らないことなどを遵守すれば、どのような状況下でもMERS感染は防ぐことができると、WHO西太平洋地域伝染病対策長官のマーク・ヤコブ氏が10日語った。


管理人エディトリアル

 手洗いがどれだけウイルス感染症予防に効果があるかは疑問 

 WHO、衛生管理を十分行っていたならMERS感染は防ぐことができるとのコメント。
 手洗いを十分に。
 これはいつもながらの対策であるが、果たして手洗いで感染を防ぐことができるのか?それは疑問である。
 インフルエンザやノロウイルス感染症も同じことが言われるが、管理人はかなり懐疑的となっている。
 先のパンデミックインフルエンザ(H1N1pdm)での手洗いの効果が論文化されていたが、かなりきちっと手洗いをしていて、その差はわずかであった。
 手洗いを心がけるという意識がバイアスとなり、感染効果を高めている可能性もある。

 ノロウイルス感染症もいったん施設内や病院内で発生すると、関係者がいくら必死に手洗いを行っても感染は広がる。患者隔離が最も効果のある拡大対策である。
 手についた病原体が悪さをするだろうという仮説は成り立つが、実際に手から手へと病原体が広がり、それが流行につながるというデータはあるのだろうか?

 ノロウイルスもインフルエンザもMERSコロナウイルスも飛沫感染または空気感染(飛沫核感染)で広がる。
 ウイルスの感染力で拡大は決定されると思う。
 手洗いの効果は、ウイルスの感染力が強ければどれほどの効果があるのか疑問である。

 手洗い用の水が豊富な日本が、手洗いが十分行われていない中国や他のアジア諸国よりも風邪やインフルエンザの流行がおきにくいというデータはないと思う。
 アルコール含有手指消毒液がウイルス性疾患の予防に本当に効果があるのか、科学的に検証されたデータがあるのかも怪しい。

 感染者、または発病者が自己隔離で他人にウイルスを感染させないようにするのは意義があると思うが、それも一時的効果であり、結局の所、最終的には感染力のあるウイルスは地域に広がる。

 そろそろ実戦力のある予防方法が論議されてもいいと考える。

 いつまでも手洗いと感染者に近づかないという姑息的方法では、一般社会への説得力に欠ける



9日

 MERS
  
  アラブ首長国連邦 2新規例
   Gulfnews (アラブ首長国連邦)
    アブダビ:2例、病状安定

 特記情報なし

8日

 MERS
  なし

 H7N9鳥インフルエンザ

  中国湖南省 中国新聞局 (中国語)

 55歳男性、湖南永州、家禽既往歴、6月4日発症、6月28日入院、危篤

 コメント:インフルウイルスが感染力を落としている夏季であるが、家きん市場には相変わらずH7N9ウイルス感染鳥が存在していることが確認される。どこでウイルス感染を起こしているのかは未だ不明である。周辺の野鳥由来の可能性が高いが。この秋に爆発する危険性も高い。そろそろ感染力を増した変異株が現れてくる可能性もある。9~11月にどれだけの感染者が出てくるか注視しなければならない。


 日本厚労省、H7N9鳥インフルエンザワクチンの臨床試験を了承 薬事日報

 {厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議は6月24日、H7N9型鳥インフルエンザワクチンの臨床試験を実施する方針を了承した。国内非臨床試験の結果、H5N1ワクチンに比べて発熱傾向が見られたものの、安全性が認められたと判断。国内のパンデミックに備え、早ければ7月末にも第I/II相試験として、医師主導治験をスタートさせる予定だ。

 厚労省は昨年、H7N9型鳥インフルエンザが今後パンデミックを起こす可能性が否定できないことなどから、ワクチン製造に着手することを決定。これまで実施した国内非臨床試験の結果、マウスとカニクイザルによる免疫原性試験では、H5N1ワクチンと同程度の免疫が得られた。一方、ウサギによる発熱試験では複数の試料で発熱が見られ、H5N1ワクチンと比べて発熱傾向にあった。}



7日

 MERS
 Flutrackers #847-#849
 サウジアラビア 新規3例  累積感染者数720人 、死者数294人
 保健省

 70歳男性、サウジアラビア人、ターイフ、顕性感染、ICU管理、基礎疾患有り、
 74歳男性、サウジアラビア人、リヤド、顕性感染、救急救命部管理、基礎疾患無し、
 70歳男性、サウジアラビア人、リヤド、顕性感染、病棟隔離、基礎疾患有り、



 メッカ周辺で相変わらず感染者が出ているが、感染源はラクダ、ヒト、ウイルス汚染物?全く不明なようだ。重症者だけが医療機関に出向いているのか?




 MERS発生が報告されているサウジ近隣国。
 (北西部)左上方のヨルダン、ペルシャ湾を挟んだイラン、南東部のイエーメン、オマン、アラブ首長国連邦(UAE)。
 昨日サウジ保健省が発表したアラーはイラクとの国境に近い。

 イスラム戦争が拡大する中、MERSコロナウイルスもアラブ諸国に広がりだし、その状況をWHOが的確に把握できれば良いが、多分それは無理だろう。となるとMERSによる死者数が戦争の死者数を遙かに超え出すまで、MERSの危険性をアラブ国家は認識できない可能性がある。
 これはWHOや米国CDCも懸念していると思うが、日本の外務省、厚労省筋はほとんど気にしてないかもしれない。

 MERSコロナウイルスは弾丸でもミサイルでもない。人に感染して拡大してくる。

 体内に埋め込み、外からは感知されない爆薬をイスラム過激派の一派が製造したとのニュースが出ている。
 MERSウイルスがもう少し変異して、人への感染性を先のSARS以上に高めてきたなら、間違いなく危険な生物兵器となる。



6日

MERS
 FluTrackers #846

 サウジアラビア 新規1例  累積感染者数717人 、死者数294人
  保健省

  73歳男性、外国人労働者、アラー(Arar)、CCU管理、基礎疾患なし

 コメント: アラーはイラク国境に近い。イラク内からはMERS報告はないが、近隣国ではヨルダン、イランからはすでに報告されている。紛争中のイラクやシリアではMERSは二の次かもしれない。それがもし拡大したなら核兵器並みの脅威が世界に広がるのだけど…。

5日

管理人エディトリアル

 ラマダン(断食月)が始まり、多くのイスラム教徒がメッカを訪れている。
 現時点ではMERSの集団発生の報告はないが、気になるのはサウジ保健省から報告されるMERS患者がICUに収容される重症例だけだということである。
 4日にジッダ、3日にワディ アルドワサー、1日にリヤドから報告されている。
 重症例が1例のみ各地域から報告されると言うのは、疫学的に不自然ではある。
 以前しばしば報告されていた軽症例、無症候例の報告はなくなった。

 重症例が出ているのだから、その感染源は間違いなくあるはずだが、その感染源から他に誰も感染を受けなかったというのも不自然である。

 
 WHOはMERSの院内感染は防止できると声明を出しているが、その裏にはMERSは人人感染するというエビデンスがある。
 上記散発例は市中で周辺に感染を広げることはないのか気にかかる。入院した場合に院内感染を広げないことは重要であるにしても、サウジでは市中での感染状況が明確にされたことはない(感染源、どういう状況で感染しているか等)。

 イランではケルマン州で4人の感染者が確認されているが、その最初のウイルスを持ち込んだ感染者については明らかにされてない。一つの報道機関によると、サウジアラビア巡礼帰りから2姉妹とナース1人が感染したようだ。さらに別な巡礼者が重症の呼吸器感染症を起こし、それを看護したナースがMERSを発症した。その巡礼者はWHOの検査でMERSとは診断されてなかったという。これらのMERS発生例には2人の巡礼者が感染源となっていると考えられるが、2人の巡礼者が互いに関係あるのかないのかは、得られる情報からは不明である。
 いずれにしてもイランではMERS感染者が報告以外にも存在している可能性が高い。

 中東でMERSウイルスが広がりつつあるのか、または拡大が抑制されているのか、得られる情報からは全く不明である。


 MERS 新規例なし



MERS deadly but most cases in hospital preventable, WHO says CBC.ca  (カナダ) WHO:MERSは致死的感染症であるが、ほとんどの症例は院内感染を防ぐことが可能

 コメント:サウジアラビアのジッダやアラブ首長国連邦で発生した院内集団感染は、注意深い感染対策を行っていたならば防止できたとWHOは分析。
 しかし人人感染はかってのSARSほどではないが起きているという事実は強調される必要がある。

4日

MERS
 サウジアラビア 新規1例  累積感染者数716人 、死者数293人
  52歳男性、外国人労働者、ジッダ、顕性感染、ICU管理、併病なし、



UN: MERS deadly but most cases are preventable KTVL  (米国) 国連:MERSは致死的であるが、ほとんどのケースは予防可能である

MERS infection rate slowing, WHO says Toronto Star  (カナダ) WHO、MERS感染率が減少化

 WHOはMERS感染者の発生が抑止されてきた可能性があると発表。

3日

MERS
 サウジアラビア 新規1例
  保健省

 55歳女性、サウジアラビア人、ワディ アルドワサー(Wadi Aldwasir)、顕性感染、ICU管理、併病有り

Pinoy pilgrims urged to postpone Hajj, Umrah trips due to MERS-CoV risk GMA News  (フィリピン) フィリピン、イスラム巡礼者を来年に延期するように勧告

 60歳以上、妊婦、5歳以下小児、糖尿病保有者、腎疾患保有者、慢性肺疾患保有者、免疫低下者などのリスクの高い人々は、メッカ大巡礼や小巡礼を、MERSが制御されていると思われる来年に延期するように、フィリピン保健省は勧告。

 メッカ大巡礼は本年10月2~7日に行われる。
 
MERS-CoV infects Iranian health worker, kills Saudi man  CIDRAP  (米国、ミネソタ大学感染症情報センター) MERSコロナウイルス、イランの医療担当者に感染:サウジアラビアで男性が死亡

 イラン保健省は、同国4人目となるMERS感染者を報告した。44歳の医療担当者である。
 またサウジアラビア保健省は本日死者を確認したと発表した。

 WHOによると新規感染者はケルマン州の居住者であり、当事例でケルマン州で4人のMERS感染者が確認されたことになった。
 先に報告された3人は互いにリンクして感染しているが、この44歳男性例は先の3例と関連しているのかは明確になっていない。この男性の診断は1度目の検査では陰性で、2度目の検査で確定された。
 しかしながら原因不明の重症急性呼吸器感染症の患者のケアに関係していた既往がある。
 その患者は5月初旬にサウジアラビアに巡礼に出かけた後、5月17日に重症呼吸器感染症で入院していた。
 WHOで該当患者の検体を調べてMERSは否定されていた。患者は5月26日にICUに収容され、その4日後に死亡した。
 州保健当局では患者の疾病を調査すると同時に濃厚接触者の調査を行っている。

 先に報告されていた患者は52歳と50歳の姉妹で5月中旬に発病している。そして姉妹の1人と接触した35歳女性ナース助手も発病している。


 サウジアラビアでの死者は、先に感染が報告されていた85歳のジッダの男性である。


 コメント:イラン内にはさらに発病者がいそうである。MERSの診断が難しいことから、診断されてない事例、または陰性とされている事例がありそうだ。MERSの診断は鼻腔内の分泌物をスワブで採取したものを検体としても陰性の例が多く、基本は喀痰を検体としてPCRを行うべきとWHOでは言っている。しかし上記イランの例はWHOも診断できていなかったと推定される。


2日
 
  MERS

  新規例なし

 中国雲南省のコウモリから、人に感染する新型コロナウイルスが発見

Chinese scientists find new SAR-like coronavirus People.cn (中国) 中国研究者、新型のSARS類似コロナウイルスをコウモリから検出

 中国雲南省のコウモリから、人に感染するSARSウイルスに類似したコロナウイルスG見つかった。研究者が中国の科学雑誌に論文を掲載した。
 ウイルスはSARSウイルスの前駆ウイルス、または新型ういるすと推定されている。

1日

 MERS

 サウジ保健省  新規2名、累積感染者数714名、死者数292名

  ナジラン(Najiran53歳男性、医療担当者、入院
  リヤド、28歳女性、ICU

  2014年度のサウジにおけるMERS報告数推移
 


 ウイスコンシン大での河岡義裕教授の研究が危険であると米国で批判

 Kawaoka GOF studies criticized by Wisconsin biosafety panelist
CIDRAP (米国、ミネソタ大学感染症情報センター)  ウィスコンシン大学のカワオカ教授、同大学バイオセーフティー委員会から批判
 
 カワオカ・ヨシヒロ博士の研究で人に危険性を及ぼす危険性のあるインフルエンザウイルスの研究が、同博士の所属する大学のバイオセーフティー委員会から批判されていることが昨日発行されたウイスコンシン州ジャーナルで明らかになった。

 最近カワオカ博士は自分の研究室で1918年のパンデミックインフルウイルスに非常に似たウイルスを作製し、少しの変異を起こしたらフェレットで空気感染することを確認した。
 
 また同博士は同様にH5N1を作製したが、それはフェレットでより高率に感染するようになったとされる。作製理由はH5N1ウイルスを監視してゆく上で、危険な変異をあらかじめ同定しておくこととされる。このような実験は”機能獲得(gain-of-function" (GOF)研究と言われる。

 同大学の施設バイオセーフティー委員会のメンバーであるトーマス・ジェフリーズ博士は、パンデミックの危険性を減らすよりも高める可能性の高い実験であると、マディソンの新聞にコメントしている。

 カワオカ博士は大学研究施設群の中のインフルエンザウイルス研究施設で研究しているが、研究室はバイオセーフティーレベル3(BSL-3)で、最高レベルのBSL-4に比較してレベルは半分以下とされる。
 
 最近米国CDCで80人ものスタッフが炭疽菌に暴露される事故が起きている。
 ジェフリーズ博士は、我々は自分たちが対応できない状況以上の事態を制御できるというような愚かな考えを抱くことがある、と語る。
 同博士はカワオカ博士は作製したインフルエンザウイルスの遺伝子を不活化すべきと主張している。それにより研究室外にウイルスが漏れ出ても人々の間に感染を広めないとだろうという。
 しかしカワオカ博士は、遺伝子を不活化したウイルスは。もはや模造ウイルスに等しい。研究には弱毒化したウイルスが必要であり、模造品では役に立たない、とコメントしている。
 
 ジェフリーズ博士はバイオセーフティー委員会でカワオカ博士の研究計画に反対の票を投じたという。
 同博士によると多くの委員会メンバーは、研究計画に対する資金提供(グラント)にも関与しているとう。
 
 関連する情報として、昨日ニューヨーク・タイムズが、ハーバード大学の公衆衛生学部伝染病動態学センター長のマルク・リプシチ(Marc Lipsitch)によるインフルエンザウイルスの機能獲得実験(flu GOF studies)に対する批判記事を掲載している。

*河岡 義裕 東京大学医科学研究所教授であるが、米国ウイスコンシン大学の客員教授のようでもある。米国報道ではウイスコンシン大教授とされることが多い。やや謎の多い研究者でもある。

 コメント:2012年にオランダの研究チームと米国ウイスコンシン大の河岡義裕教授(東大医科研と兼務)の2チームが、試験管内で遺伝子操作した鳥インフルエンザウイルスを作製して論文発表予定であったが、その内容に関して多くの批判が国際的にわき起こった。論文は幾分修飾されて出版されたが、今回の河岡教授の研究は、それをそのまま引きずっている。
 2012年の論議をまとめた情報集

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