5月

31日

 MERS感染情報


 サウジアラビア 1例  累積感染者数570人 、死者数187人 、
 サウジ保健省
 
 ジッダ1例、
 ICU管理1例、

 コメント:
  ゴンフォダーに住む45歳男性。糖尿病と高血圧で治療中。5月27日ゴンフォダー( Gonfodah)の政府病院に入院、続いてジッダの政府病院へ転医、ICU収容。現在危篤。
  感染源は示されていない。家族、市中で?




 管理人オピニオン

 サウジにおける発表感染者数は減少している


 サウジアラビア保健省からのMERS感染者数の報告数は減少している。
 しかし問題点は以下の通りである。

 ・患者からの感染例が割合としては高い。しかしその患者の存在が明確に示されてない。多くは入院前に感染しているので、市中での感染か、家族からの感染か、それともラクダからの直接的感染か(一番考えにくいが)等、全く不明。
 いずれにしても以前ジッダで多かった院内での医療担当者が患者から感染するような事例は減っているようだ。院内対策が強化されたもよう。
 ・市中での感染が起きるとしたなら、今後さらに市民の間、旅行者の間で感染が広まる可能性が高い。現にオランダの感染者の例は巡礼に来ていて感染したようだ。
 ・軽度の上気道炎症状と無症状が感染者の中に多い可能性が考えられるが、その実態が明確にされるまで、保健省の発表データの持つ意義は小さい。重症例だけが病院に運び込まれ、軽症例は院内患者周辺で検査された例だけが報告されている可能性がある。
 ・サウジ旅行者が感染から発病まで1週間~10日間程度かかるとしたなら、母国に帰ってからの発病者が増えてくる可能性が高い。人人感染の可能性が低いうちは良いが、人人感染が容易に起きるようになると危険である。


30日

 MERS感染情報

 サウジアラビア保健省  新規一例 累積感染者数569人 、死者数187人 、

 ジッダ1例
  患者より感染、ICU管理1例
  A 36-year-old male, suffering from diabetes and high blood pressure. He developed respiratory symptoms on May 26,2014 and was admitted to a government hospital in Gonfodah on May 28, 2014. He was transferred to a government hospital in Jeddah. He is in the ICU. May Allah grant him a speedy recovery.
 36歳男性。糖尿病と高血圧を基礎疾患で保有。2014年5月26日に呼吸器症状が発現。28日にGonfodahの政府病院に入院。続いてジッダの政府病院のICUに収容。

 コメント:市中感染のようであるが、どこで感染したのか?年齢が若いから、ラクダ飼育者なのか?となるとラクダからの感染? 要するに疫学的に最も重要なポイントが欠けている。


 アルジェリア 2例
  YAHOO NEWS

  66 歳と59歳男性、サウジアラビアへの巡礼帰り。


 オランダの初のMERS感染症例の詳細-Eurosurveillamce  (ヨーロッパCDC)

 5月16日、オランダ人がサウジアラビアでMERSに感染し、帰国後発病したことが報じられた。
 オランダのチームが詳細を論文化した。

 サウジアラビアメディーナとメッカにて巡礼を終えオランダに帰国した2症例は、2014年5月中東呼吸器症候群と診断された。感染源や感染経路は未確定であり、院内感染と市中感染のどちらの可能性も否定できないという結論であるが、詳細な症例報告がなされている。

 非常に驚くべきことは、MERS感染を受けていた第一例が、サウジのいくつかの医療機関を受診していたが、全くMERSが鑑別診断されずに、オランダに帰国してから診断されたという事実である。下痢もMERSの一症状である。

 以下参考までに症例1の臨床経過を示す。

 症例1

 70歳男性。心疾患と糖尿病が基礎疾患として保有されていた。5月13日にMERSと診断された。

 男性は4月26日から30人のツアーグループと行動を共にしていた。
 旅行中、男性は成人の息子ともう1人の家族メンバーとホテルの部屋を共有していた。
 4月29日、男性の健康状態は良好であったが、息子がMERSとは無関係な小さな体調不良を呈したため、メディナの二か所の医療機関に連れて行った。
 最初の病院で45分間待合室にいたとされるが、多くの患者は咳をしていたという。
 5月1日、男性は下痢、悪心、食欲不振を呈し、熱感を覚えたが、呼吸器症状は呈さなかった。
 下痢は止痢剤のロペミンを服用しても改善しなかった。
 5月4日、患者を含めてツアーグループはメッカに移った。
 5月4日、男性は全身倦怠感、下痢、食欲不振で医療機関を受診した。
 5月7日、男性はさらに別の医療機関を受診して身体的検査を受け、そして3時間の経過観察と抗生物質セフロキシムの静注を受けて病院を出た。

 5月10日、母国オランダへの航空機内で男性の症状は悪化し、空港に到着後オランダの病院を受診した。症状は咳と呼吸困難であった。
 発熱以外の所見として理学的には異常を求めなかった。
 検査では、軽度の白血球とリンパ球の減少、CRP7.2mg(正常0-0.8mg)、トロポニンT軽度上昇:心筋梗塞などの心疾患で上昇)。

 男性は心疾患疑いとして心疾患病棟に入院となったが、詳細不明な感染症の疑いもあることから隔離された。
 翌日の再度の肺レントゲン検査で浸潤陰影が確認された。
 5月13日、MERSコロナウイルス感染症が確認された。
 それから肺野の聴診では捻髪音が広範囲に聞かれだし、胸部写真でも両側性に浸潤陰影が確認された。心臓のMRI検査で心筋炎は否定された。
 男性は現在回復過程にある。

 コメント:男性がどの時点でMERSコロナウイルスの感染を受けたかが問題である。5月1日から風邪症状を呈していたが、症状は消化器症状が中心で呼吸器症状は見られてなかった。しかし消化器症状は改善せず、発熱、全身倦怠も呈しだした。
 サウジアラビアの医療機関を最後に受診してから3日後に、男性はオランダに到着したがそのころに初めて呼吸器症状を呈していた。

 SARAコロナウイルス感染を受けてから、10日間の過程を経て、男性は呼吸器症状を呈したと考えるか、消化器症状はMERSとは関係なく、受診していた医療機関でMERSに新たに感染したと考えるか、という問題になる。
 SARSコロナウイルスは下痢を伴うことも多く、下痢便中にはウイルスも排出される。
 当初の消化器症状(悪心、食欲不振、下痢)はMERSコロナウイルスで引き起こされてたと考え、ウイルスがその後呼吸器系に感染することで、咳、呼吸促迫症状が出てきたと考えるのが妥当な気がするが(訳者)。


 イランのMERS第一例目が死亡
Iran announces first MERS death  Channel NewsAsia  (シンガポール) イラン、第一例目のMERS患者が死亡

 イラン、カルマン州で姉妹でMERSを発症したうち53歳の姉が死亡したと発表された、一方2番目の姉妹は改善して退院したとされる。
 またカルマン州には他に6人のMERS疑い例がいると報道されている。

 どのように感染したのか不明確である。
 たぶんサウジへの巡礼で感染したと推定されるが、市中を歩き回っていただけで感染したのか、まったは多くの巡礼者と行動を共にしている過程で感染したのか、全て不明。

29日

 MERS感染情報

 サウジアラビア 新規3例 累積感染者数568人 、 死者数187人 、
 保健省

 ・リヤド2例、マディーナ3例、ハフル アル バティン1例、
  安定3例、死亡(既報からリヤド1例)
  患者からの感染:1例、

 コメント:概して感染源が分かってない。街中をふらふら歩いているだけで感染する機会があるのか、それとも感染リスクの高い場所や、食べ物などがあるのか、サウジの情報発表では皆目見当つかない。もう少し症例報告を医科学的内容にしなければ、世界の関係者は何も学ぶことはできない。単なるアリバイ証明的情報発表はやめるべきである>サウジ保健省。
 


 管理人オピニオン

 米国での3例目とされたイリノイ州の(無症状)MERS感染者は、再度の血清学的検査で陰性とされ、米国内でのMERS人人感染は否定された。この例は2メートル離れた状態で仕事の打ち合わせを行ったが、相手はまだ明確な臨床症状を出していなかった。それにも関わらず感染したとされていた。しかし再度詳細な血清検査で感染が否定された。

 MERSが無症状者や軽症者から感染するか否かについては重大な関心がもたれている。
 その意味は軽症でもMERSコロナウイルスを排出するかどうかということである。
 ウイルスは主に下部気道で増殖すると考えられ、咳などの症状を出すと飛沫感染を起こすことがある。医療関係者が重症者に対して気管内挿管(人工呼吸器につなぐためにチューブを入れる)等の操作を行うと、患者の気道から激しく咳が出て、それはジェット気流となり多くのウイルスを排出する。そのため医療担当者が十分感染予防を行わないとウイルスを吸い込むことになる。

 一方、昨年は皆無であった巡礼者が帰国後に発病する事例が今年は多くなりつつある。マレーシアでもあったし、つい最近イランでも起きている。またサウジ保健省の発表内容をみても、患者からの感染例も多く出ている。どのような状況で感染したのかは不明であるが、市中で感染している可能性もある。

 現在、米国CDCの専門家たちが状況を調べているが、もし市中での感染が起きているとしたなら、ラマダンや大巡礼でメッカに世界から数百万人集まることは、ウイルスを世界に広める効果をもたらす。生物兵器を世界中にばらまくのと同じ効果を持つ。

 力を失ったWHOがどこまで機能するか不明であるが、政治の世界と同じように米国CDCを中心に調査が開始されている。
 結果はたぶん、明瞭なものは得られないと推定される。

 ・人人感染が起きている可能性は否定できないが…。
 ・人々のMERSに対する認識度が低い。
 ・医療担当者の水準が低すぎる。教育が必要。
 ・分離ウイルスの早急な遺伝子チェックが必要。
    他。
 問題はラマダンや大巡礼を行って世界から数百万人の巡礼者がサウジのメッカに集まることを、WHOはどう判断するかである。
 判断を誤ってMERSが世界中に広がって、致死率10%以上のウイルスのパンデミックを起こしたなら、WHOの責任である。
 しかし危険が予想されるなら、米国や英国などの先進国では国内のイスラム教徒に参加を取りやめるように強く勧告するはずである。
 しかし大巡礼はイスラム教徒の重要な務めであるから、事は難しい話になる。


 日本国内でもMERS対策を強化


中東呼吸器症候群「MERS」指定感染症に 入院の強制可能 日本経済新聞

 厚生労働省は28日、中東を中心に感染が広がっている中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)について、感染症法に基づく指定感染症にする方針を決めた。近く政令を定め、国内で患者が確認された場合に患者を入院させたり、就業を制限したりするなどの強制的な措置を取れるようにする。

 感染拡大防止のため、秋の臨時国会にも感染症法の改正案を提出し、MERSを危険度が2番目に高い「2類感染症」の枠組みに入れる方針。

 国立感染症研究所によると、MERSは2012年に初めて確認された新型のコロナウイルス。マレーシアや米国で、中東からの帰国者が感染するなど、今年4月以降、患者が急増。今月26日までに計18カ国で635人の患者が確認され、193人が死亡した。

 現在、ポリオ、結核、ジフテリア、SARS(重症急性呼吸器症候群)、H5N1型鳥インフルエンザが2類感染症。厚労省は、中国大陸を中心に広がるH7N9型鳥インフルエンザも、指定感染症から2類感染症とすることを決めた。


新型コロナウイルス「指定感染症」に…厚労省 読売新聞

 {中東を中心に感染が広がる新型コロナウイルス「マーズ(MERS)コロナウイルス」について、厚生労働省は28日、感染症法の「指定感染症」とすることを決めた。

国内で感染者が出た場合、強制的な入院や就業制限などが可能となる。指定は、昨年の鳥インフルエンザ(H7N9型)以来4例目。

 世界保健機関によると、一昨年春から今年5月23日までの死亡者は193人。同省は、感染が疑われる入国者に診察、検査ができる「検疫感染症」とすることも決め、対策を強化する。

MERS、危険度2番目に高い感染症に 厚労省指定 朝日新聞

 {中東を中心に感染が広がっている中東呼吸器症候群(MERS)について、厚生労働省は28日、感染症法で危険度が2番目に高い疾病に指定し、入院勧告や就業制限をできるようにすることを決めた。国内で感染は確認されていないが、致死率が30%と高く、世界的に感染が拡大しているためという。

 同日開かれた感染症部会で了承された。感染症法では、危険度が高い順に感染症を1~5類に分けている。MERSは、入院勧告や就業制限ができる、結核や重症急性呼吸器症候群(SARS)などと同じ2類に入れる。また、感染が疑われる入国者を検査できるようにする。

 世界保健機関(WHO)によると、26日現在で感染が確認されたのは635人で、うち193人が死亡。サウジアラビアを中心に中東のほか、東南アジアでも感染者が出ている。



 米国3例目のMERS感染者とされたイリノイ州の男性は、最終的に未感染と判断-CDC、人人感染を否定

Secondary US MERS case ruled out; Saudi count grows CIDRAP (米国、ミネソタ大学感染症情報センター) 米国のMERS二次感染者は否定される;サウジでの感染者は再び報告

 CDC発表
 イリノイ州のMERS二次感染者は、さらに信頼性ある抗体検査の結果陰性だったことから、二次感染はなかったと結論。

 インディアナ州の感染者と会談を行ったことから、咽頭スワブでのPCR検査が行われたが陰性であった。
 その後血清抗体検査が行われたが、3種類の検査のうち2種類(ELISAと IFA)で陽性。しかし最終的に最も信頼性ある中和抗体検査では陰性であった。中和抗体検査は、最も正確な結果を呈するが、時間も要するとされる。

 サウジアラビアでは2日間感染者報告がなかったが、本日3例の報告がなされた。
 リヤドでは72歳男性が発病。現在自宅で自己隔離となっている。
 メッカでは65歳と39歳の基礎疾患を保有する患者が、感染者と接触したことから発病して入院したが、死亡した。


CDC takes back report of MERS spread in US  USA TODAY (米国) CDC、米国3例目としたMERS感染例を取り消す
 
Illinois MERS patient misdiagnosed, was not infected with virus, CDC finds FOX News  (米国) イリノイ州の男性はMERSには感染してなかった。詳細な血清学的検査で陰性が確認:CDC

 インディアナ州のMERS感染男性から感染したとされていた米国3例目のイリノイ州の男性は、CDCがさらに詳細な血清学的検査を行ったいたが、最終的に陰性と確認された。


Tests show high H7N9 antibodies in Chinese poultry workers CIDRAP  (米国) 中国、広東省の家きん業者にH7N9抗体を高値で検出

 深セン市と香港大学の研究チーム。
 中国広東省深セン市の家禽業者(行商人、卸売市場)の血清中のH7N9鳥インフルエンザ抗体を2013年5月と第二波が起きていた12月に調べた。
 第一波が起きていた5月は7.2%で抗体が陽性であったが、第二波が発生していた12月には14.9%が陽性だった。これらの業者で発病者はいなかった。

 研究チームによると中国の他の地域の家禽業者では抗体価ははるかに低いとされ、例えば浙江省の家禽業者を対象にした研究では、2013年4月と5月で1.3%であったとされる。

 コメント:広東省の家禽業者は以前からH7N9鳥インフルエンザの感染を受けていたが、明確な発病はなく、免疫ができ血中に抗体ができていたと考えられる。家きんを貯蔵している倉庫内でのより短い滞在と、週2回の消毒で、家禽業者の感染がある程度抑えられるのではないかと考えられている。


 直近のMERS生情報 2014/05/29 7:36:25
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28日

 MERS情報

 サウジアラビア 3例  累積感染者数565人 、死者数186人
 保健省

 リヤド1例、メッカ2例
 安定1例、死亡2例
 患者からの感染:2例

 コメント:
  死亡例2例はいずれもメッカであるが、保健省の記載では市内で感染を受けているようだ。記述内容が事務的で医学的でないので、疫学的情報としては十分でない。
 メッカ市中ではMERS感染者が多いのだろうか?
 MERS確定例と市中で接触?保健省記載内容では十分評価できない。

 ・A 65-year-old suffering from Diabetes, Hypertension, Heart Disease, and Chronic Obstructive Pulmonary Disease. He was admitted to a government hospital on May 26, 2014. He has been in contact with a confirmed case. He passed away on May 27, 2014. May Allah have mercy upon him.
 (65歳男性。糖尿病、高血圧、心臓病、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)に罹患していた。5月26日に政府の病院に入院。男性はMERS確認例と接触した(そのような既往があるのか、それとも院内で感染したのか不明:訳者)。27日に死亡。
 *院内で感染して翌日死亡なんてことはないだろうから、院外で既に感染していて、MERS症状が出てきたから入院したと思われるが:訳者)

2.A 39-year-old female suffering from Diabetes, Hypertension, Systemic Lupus Erythematosus, and is a Steroid user. She developed fever, mild cough, and joints pain. She was admitted to a government hospital on May 21, 2014. She has been in contact with a confirmed case. She passed away on May 27, 2014. May Allah have mercy upon her.
 (39歳女性。糖尿病、高血圧、SLE(全身性エリテマトーデス)でステロイド服用。女性は発熱、軽度の咳、および関節痛で5月21日に政府の病院に入院。女性はMERS確定例と接触した(一見院内で感染したような記述であるが:訳者)。5月27日に死亡。
 *院外でMERS感染を起こして入院したと解釈される:訳者)。



 MERS、イランに拡大、サウジの報告数は減少
MERS reaches Iran; cases slowing in Saudi Arabia CIDRAP (米国、ミネソタ大学感染症情報センター) MERSはイランに拡大、サウジアラビアでは感染者数が減少

 昨日イランは初のMERS感染例の2例を発表した。
 一方サウジアラビアは、2日間新規感染例を経験してないとしている。その直前の24日と25日には8例の報告をしていた。

 イランのケースは、イラン南東部のケルマン州の家族で4人が感染疑いがもたれていたが、そのうちの2姉妹の感染が確認されたという(ロイター通信)。
 1人は危篤とされ、もう1人もICUで治療されているようだ。
 保健省の伝染病部門の長官は以下のようにウエブで発表している。
 「One of the sisters is in critical condition and the other is currently receiving treatment under special circumstances」


 H7N9、中国山東省で家族内で人人感染の疑い
H7N9 strikes two Shandong province family members  CIDRAP (米国、ミネソタ大学感染症情報センター) H7N9鳥インフルエンザ、山東省の2家族メンバーに感染

 中国保健当局は、27日、山東省で男性がH7N9に感染して発病したことを発表したが、男性の父親も最近H7N9に感染して死亡している。一方、中国研究チームはウイルスが変異してきていることを確認して発表した。

 山東省の煙台市当局は、61歳男性が5月23日、呼吸窮迫と多臓器不全で死亡したと発表した。男性は5月6日に発症し、5月23日にH7N9鳥インフルエンザに感染していることが確認された。
 男性の33歳の息子が発熱を伴う症状で5月15日に発病し、5月20日に入院しICUで治療を受けていることが27日に発表された。

 父親と息子が同じ家きんからウイルス感染を受けたかどうかは不明とされる。
 専門家はH7N9は容易に人には感染しないと説明しているが、家族間などのように長期間無防備で患者に接していると感染する場合があるとされる。

 研究面での新しい知見が出ている。
 第二波での人から分離されたウイルスが、第一波でのそれと遺伝子構造が異なっていることが発表された。
 広東省のCDCの研究チームが得られた知見を”新興感染症雑誌(米国CDC発行の雑誌)”のオンライン・エディションのレターに5月23日発表した。

 第二派発生後の2013年11月~2014年1月の間に発生した感染者からウイルス検体15件を分離して遺伝子分析した。
 その結果第二波で得られたウイルスは、8節ある遺伝子のうち5節が変異していて、それはH9N2ウイルスのそれと類似していて、H7N9ウイルスは第二波の間に急速にH9N2ウイルスとの間で遺伝子再集合を起こしたものと判断された。
 研究チームはこれら遺伝子変化が人への感染にどのような影響を与えているか、さらに研究する必要があるとしている。


MERS Update: All Workers Test Negative WebMD  (米国) MERS情報更新:米国のMERS患者収容病院の全スタッフが検査で陰性-職場復帰

 フロリダ州TPインディアナ州の病院で収容MERS患者と接触した全スタッフが検査でMERSウイルスの感染が否定されたことから、全スタッフは職場に復帰した。
 フロリダの病院は23人のスタッフ、インディアナの病院では50人のスタッフが対象になっていた。
 血清学的検査で抗体が陰性だったと思われる。(訳者)


 サウジアラビアのMERS報告数が減少傾向に

 あくまでもサウジ保健省発表データに基づく


 昨年の報告患者数推移 ヨーロッパCDCによる。
 特に季節性はない。今年はなぜ4月に増加しだしたのかは謎、そして今後季節の変化で減少してゆく可能性があるのかは不明
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 サウジで2日間感染者報告なし、一方イランでは家族内発生の可能性
MERS Watch: No Saudi Cases for 2 Days MedPage Today  (米国、ペンシルバニア) MERS ウォッチ:サウジで2日間感染者報告ゼロ

 MERSが多数発生していたサウジでは、この2日間報告数がゼロとなっている。
 23日3人、24日4人、25日4人と発生数が報告されていたが、26日と27日はゼロとなった。

 報告数がゼロとなったのはこの数か月間サウジでは初のことである。

 しかし一方でイランで初の感染者が出ている。
 サウジアラビアとペルシャ湾を隔てたイランで、同国で初となる感染者2例が確認された。
 報告によるとケルマン州の2姉妹とされ、1人はICUに収容されている。
 また家族の他の2姉妹も感染が疑われ隔離されているという。
 報告によると姉妹の1人がサウジに巡礼に出かけてきたとされる。

 コメント:情報がやや正確ではないが、可能性からいうと、巡礼者が帰国し、家族内感染を起こした可能性が高い。巡礼してきた姉妹は現在ICUに収容されている娘の可能性が高い。


27日

   MERS情報

   サウジアラビア 新規例 0例
    保健省

   
   コメント:2日連続発生例がないとの報告


 中国H7N9鳥インフルエンザ情報

 山東省 
  中国報道

 33歳男性、煙台開発区、5月22日確認。

 コメント:当感染者は23日に発表した61歳男性の息子とされる。


 
イランで姉妹がMERS発症


Iran confirms first cases of deadly Mers infection BBC News  (英国) イラン、致死的MERS感染例を初めて確認

 ケルマン省で2姉妹が検査でMERSコロナウイルスが陽性であることが確認された。
 1人は危篤状態であるが、もう1人は治療中であると保健省の疾病管理制御センターが発表した。

Iran confirms first two cases of MERS  Reuters  (国際) イラン、初のMERS感染者2例を確認

 イラン当局はMERS感染者2例を確認したと発表した。

 保健省の疾病管理制御センターの伝染病部門の責任者によると、ケルマン州の家族で4人のMERS疑い例が確認され、2姉妹がMERSと確認された。

 
Iran confirms two MERS cases in sisters from Kerman Press TV (イラン) イラン、ケルマン州で2姉妹がMERSを発症、イラン保健省が発表

 26日(現地時間)、イラン保健省の疾病管理制御センター(CDC)の伝染病センター長官が、イラン東南部のケルマン州で2姉妹が重症呼吸器疾患と診断されたと発表した。

 2例の姉妹の1人は重体とされる。

Iran confirms two MERS cases in sisters from Kerm... The Global Dispatch  (米国) イラン、MERS発症の姉妹を報告
 イラン保健省が発表したとされるが、詳細は不明


UAE free of positive cases of Mers coronavirus The National  (アラブ首長国連邦) アラブ首長国連邦(UAE)ではMERS感染者は検出されず

 UAEの全病院でMERSは検出されずと、保健省が発表。

UAE hospitals free from Mers coronavirus cases  KhaleeiTimes (アラブ首長国連邦) UAEの全病院ではMERSコロナウイルス感染者は存在してない

Vietnam airport tightens medical screening for MERS-CoV  Tuoitrenews  (ベトナム) ハノイ国際空港、MERSの医学的チェックを強化

26日

   MERS情報
 
  サウジアラビア  新規発生0
  保健省

  イラン 2名 詳細不明
  FluTrackers #684&685


 管理人オピニオン:

 サウジアラビアでのMERS情報は、同国保健省が発表する情報に全て基づいている。同国やアラブ首長国連邦の報道機関は、独自の調査、専門家の見解を掲載することは稀である。大本営発表情報だけを伝える。

 かってベトナムやインドネシアでH5N1鳥インフルエンザに感染する例が多かったころ(2005年~2008年)、国際的通信社の記者が現場に入って人々の鶏との接し方、感染者の感染様式(鶏を自分で処分、調理、または死亡した鶏を自分で処分した等)や、周辺での家きんの状況(最近多数死んでいた等)、そして感染者からの新たな感染者発生の有無等を、自分たちの目線で取材して、世界の報道機関に情報を提供していた。そこまでの熱心さは、それが地球上にパンデミックに発展する可能性が非常に高いと考えていたからだ。
 北スマトラで家族内集団発生が起きたとき、Reuters、AP、AFP、新華社、CP(カナダ通信)等の記者がWHO調査団が入るよりも早くに取材に入り、ウイルスが人人感染を起こしている可能性について現地から報告していた。”ついにH5N1は変異して人人感染を起こしだしたのだろうか?”、と我が国の保健行政担当部署ではざわめきだしていた。結局血縁のある家族内での感染が見られ、感染しやすい遺伝子を保有している人が感染しているようだとの結論であった。(夫から妻等の感染は起きず、血のつながりのある家族内での感染。ウイルスに対するリセプターが上気道にもある等の遺伝的背景が関与?)。

 しかし今回のMERSに関しては国際的通信社からの情報は、サウジやUAE保健省発表の情報に基づいたものだけで、またその情報発信量も非常に少ない。
 それは中国のH7N9鳥インフルエンザに関しても同じで、世界の報道機関の発する情報は、全て中国政府発表の情報だけに基づいている。

 MERSもH7N9も国際的通信社の記者が取材に入れない(または取材しない)限り、情報内容は政府が恣意的に修飾している可能性がある。

 経済力は強いが、実は発展途上国であるという国ほど国際性に乏しい。
 MERSウイルスはサウジアラビアの所有物ではなく、地球全体の所有物であり、それは地球に住む人類に脅威を及ぼすものである。その情報を一国が隠すということは、北朝鮮や類似の閉鎖的途上国と同じ水準と言える。

 全く同じ水準で原発がある。これは地域の所有物ではなく地球の所有物である。なぜならばそれが大惨事を起こした場合、地球全体に影響するからである。原発の存在について地球全体で考える必要がある。50年後にはそうした考え方が主流となっていると確信するが、それまで地球丸が無事にこの宇宙を回りつづけていればの話である。

 20世紀、国際連盟、国際連合、EC等と国境を超えた共同生活圏の発想が広がっていたが、それは今、危うい幻想にちかくなってきた。そういう中で国連組織のWHOがどこまで機能しているのか気にかかる日々である。

 やはり地球丸の住人は、本格的パンデミックで住人の1~3割を失うという大惨事を経験しなければ、新しい軌道を見いだすことができないのだろうか??


 国内でもMERS対策の強化へ
新型コロナ検査強化…厚労省  読売新聞

{世界で感染急増受け

 中東を中心に感染が広がる新型コロナウイルス「マーズ(MERS)コロナウイルス」の患者数が今年4月以降、急増している。

 中東諸国からの帰国後の感染が、米国でも確認されたことから、厚生労働省は国内での発生に備え、検査や診療態勢の強化に乗り出す。

 世界保健機関によると、2012年春から今年3月末までの2年間の世界の患者数は206人だったが、4月から5月23日までの約2か月で429人の感染が確認された。中東諸国だけでなく、欧州から中東への渡航者が帰国後に発症する例もある。米国でも今月、帰国後の感染者2人が相次いで判明した。全体で患者の約3割が死亡している。

 感染源は当初不明だったが最近、ラクダが感染源との見方が強まり、生乳を飲み感染する可能性も指摘されている。医療機関での院内感染の報告も多い。急増の背景には、感染防止策の不徹底にラクダの繁殖期が重なったとの見方がある。

 このため厚労省は今月、医療機関を受診した中東からの帰国者のうち、〈1〉38度以上の高熱と重い呼吸器症状〈2〉軽症でも現地の医療機関を訪れたり、ラクダとの接触や無殺菌乳を飲んだことがあったりする――などの場合、確定検査や同省への情報提供を自治体などに求める通達を出した。近く開かれる専門家会議で受け入れ先の医療機関や診療態勢について検討する。

 このウイルスは現時点では患者と濃密に接しない限り、人から人に感染は広がらないとされている。(注)

 マーズ(MERS)コロナウイルス=Middle East Respiratory Syndrome Coronavirus 2012年に初めて報告され、主にアラビア半島で広がっている。感染後2週間以内に発症し、高熱やせきから重症肺炎などを起こすが、軽症例も確認されている。}

 注:事実は小説より奇なり。サウジアラビアの感染者情報では、2~4割が感染者からの感染となっている。容易には人から人には感染しないとの考えは古い。米国の3例目の感染者は仕事の打ち合わせ40分間と握手でウイルス感染を受けている。
 報道機関は古い情報のコピペではなく、最新の情報を詳細に勉強しなければならない。


Cats and dogs to be tested for mysterious Mers infection
BBC (英国) 謎めいたMERS感染症の感染源調査にネコや犬も検査対象に

 意訳

 MERSウイルスが人に感染するようになった過程で、動物の間でウイルスが感染していた可能性は指摘されている。それはラクダが最も可能性あるとされてきたが、最近の調査ではナイジェリア、エチオピア、そしてチュニジアのラクダでも抗体が検出されている。しかしこうした国では呼吸器疾患で死亡している報告がない。
 また明らかにラクダが存在してない場所でMERSを発症している事例も多い。

 MERSが動物との人獣共通感染症だとしても、それがラクダにだけ関連していると考えることには無理がある。
 ヤギやヒツジからは抗体は検出されてない(これら動物にはMERSコロナウイルスは感染している事実はない:訳者注)。

 以上の事実から対象動物をネコや犬にまで拡大する必要性があると考えられだしている。


 感染者数が減少傾向と-サウジ政府
Fewer cases of MERS reported Arab News (サウジアラビア) 政府発表MERS感染者数が減少
 
 日曜日の政府発表MERS感染者数はわずか4人で死者はいなかった。
 当局の担当者によると感染者数は減ってきているという。
 理由は政府のMERSに対するキャンペーンが功を奏してきているという。
 今月初めに保健大臣補はジッダでのMERS発生について、国内に情報を広く伝えている。

 キャンペーンはWHOの協力のもとに行ってきた。
 「政府はMERSコロナウイルスの拡大を防ぐためにベストを尽くしている。今は国民が簡単な予防行為を実施して協力する時期である」、と大臣が語っている。

 キャンペーンは今後数週間は続けられ、政府のホームページや様々なメディアを通じて、手洗い等の啓発を行ってゆく、とされる。
 


25日

 MERS情報
  FluTrackers #679-#682

 サウジアラビア 4例  累積感染者数562人 、死者数179人 、
  保健省
 
 リヤド1例、ジッダ1例、ゴンフォーサ(Gonfothah)2例、
 無症状3例、安定1例、
 患者からの感染:3例、


 コメント:ゴンフォーサの1例以外、感染者からの感染とし、検査で確認後自宅隔離となっている。ゴンフォーサの残りの1例は、状態は安定しているが、感染源は不明なようだ。
 ゴンフォーサの発生例は院内感染のようで、医療従事者が検査で感染が確認されているようだ。しかし外部から入院している感染者はどこでどのように感染したか調査がされているのか疑問である。

 全体として感染者の発生は減少している傾向にあるが(特にジッダ)、どうなのだろうか?




 MERSは2012年4月、ヨルダンの病院で集団発生として世界に登場した

 Hospital-associated outbreak of Middle East Respiratory Syndrome Coronavirus: A serologic, epidemiologic, and clinical description Clinical Infectious Diseases  (米国) (ヨルダンにおける初の世界初のMERS発生時)MERS院内集団発生時における医療担当者の疫学的、血清学的、臨床的分析結果

 2012年4月、MERSはヨルダンの病院で院内集団感染という形で世界に姿を現した。
 当論文は、その後新しい血清学的診断法による、診断されてなかった医療従事者の血清を再検査して、7人の感染者を確認したものである。この時の集団感染では2人の死亡例が先に確認されていたので、致死率は2/9(22%)であった。またこれら9人中医療従事者は6人含まれ、この院内集団感染で医療従事者の感染率は10%となった。

 患者をさらに他病院へ転送しているが、それら2病院では医療担当者の感染は見られてない。


 コメント:院内集団感染が主に医療従事者の間で発生したことは、無防備で患者に接すると容易に感染が起きることを意味している。その後、サウスアラビア、ジッダの病院などでの医療従事者の感染が相次いでいるが、MERSコロナウイルスは人人感染を容易に起こさないという表現は妥当でないことを示唆している。

 MERSはパンデミックを引き起こすのか?
Is MERS the next big global health threat? World Magazine  (米国) MERSは次のパンデミックを引き起こすのだろうか?

 *当サイトはキリスト教系団体が運営しているが、政治的、または特定の思想に基づいた情報発信はしてない。また当内容はAP通信のサポートを得たと付記されている(訳者注)。

 5月初めにイリノイ州の男性はMERSに感染しているとは予想もされてなかった男性と40分間の仕事上の話し合いをもった。
 業務上の話相手はサウジアラビアに住んでいて、米国に旅行に出る前にMERSに感染していた。(訳者注:サウジアラビアのジッダで働いていた米国人医師である)。
 イリノイ州の男性はMERSに感染したが、両男性とも完全に回復したが、サウジアラビアと周辺国では感染者は容易に回復しない例が多い。

 MERSは少なくとも世界中で200人を死亡させ、感染者数は数百人以上出ている。
 ウイルスは今月米国に入ってきた。
 この事実は、MERSは次のパンデミックとなるのかという疑問を呈している。
 以下にMERSについて一般社会が知るべき知識をまとめる。

 MERSは拡大が遅い

 MERSを引き起こすウイルスは感冒の原因となるウイルスに属する。
 (感冒)ウイルスはくしゃみや唾液、他の気道飛沫物で拡大する。
 (MERS)ウイルスは呼吸器の奥に感染して増殖するから、通常の感冒のように容易に気道飛沫物で感染を起こさない(感冒ウイルスは上気道で増殖するから、咳などで飛び散る飛沫物で感染する:訳者注)。
 サウジアラビアで感染している人の多くは、感染者の家族員、または感染者に接する医療担当者であることから、ウイルスが感染するには長時間感染者に接することによることが示唆されている。

 しかしウイルスは感染者を短期間で死亡に追いやる

 これまでの報告では感染者の30%が死亡している。
 この感染者の死亡率(致死率)はインフルエンザよりもはるかに高い。インフルエンザの致死率は0.1%以下であるが、2003年に中国で発生したSARSですら致死率は11%であった。
 しかしながらMERSの場合は、軽症者は医療機関を受診してないことが考えられることから、その致死率は誇張されている可能性が高い。
 またある研究報告によると、死亡者は高齢者か基礎疾患を保有している中高年者に多いとされる。

 症状は風邪のように思えるが、重症である

 発熱、悪寒、呼吸促迫が最もよく見られる症状である。
 医師たちによると、極端に早い呼吸は通常の風邪とは大きく異なるとされる。(訳者注:肺での炎症が広がっているため、有効に機能する肺胞面積が減少するため、酸素を体内に取り込むために呼吸回数が異常に早くなる。重症肺炎の際に見られる->呼吸促迫)。
 MERSに対する有効な治療法はない。
 医師たちは対症療法を施すだけである。

 米国のバイオテク企業のノババックス社(Novavax )はMERSに対するワクチンの試供品の作製に成功しているが、臨床試験の実施は頓挫しているとされる。理由はMERSは未だインフルエンザやSARSのように世界的広がりを見せてないため、ワクチンの大量生産の必要性が疑問視されていることによる。

 そこには政治も関与している

 WHO等の国際的保健医療専門家たちは、以前からサウジアラビアは国際的支援の申し出を受け入れて来なかったと不満を漏らし続けている。
 ロイター通信の調査ではサウジアラビアでMERSが発生してから20か月間、専門家たちはMERSコロナウイルスがどのように人に感染しているか理解するだけの情報が得られてなかったとされる。
 例えば、専門家たちはラクダがMERSコロナウイルスを保有していることは知っていたが、ウイルスがどのようにして人に感染するようになったのかについては不確かであった。

 最初にサウジアラビアでMERSを確認した微生物学者が、研究結果を科学的ウエブサイトに発表した後、1週間もしないうちに大きな論争が沸き起こってサイトは炎上した。(何の予備的情報もなく、突然重症感染症がサウジで起きているとの発表は、世界の関係者を驚愕させると同時に、多くの疑問が生じた:訳者注)。
 サウジアラビア保健大臣補がロイター通信に語ったところによると、各国からサウジアラビアが批判されていることに政府は驚き、心外であるとしているが、同大臣補(医師)は、新規ウイルスに対する通常の研究速度に比べると、サウジアラビアではその反応は遅すぎると非難している。

 コメント:結局、MERSがパンデミックを起こしえるかは不明である。しかし起こすことも十分考慮して国全体が対策を講じることが必要との結論であろうか。

24日

MERS情報

 FluTrackers  #674-#678

 サウジアラビア 4例  累積感染者数558人 、死者数179人 、
  保健省

 リヤド1例、マディーナ1例、ゴンフォーサ(Gonfothah)2例、
 無症状2例、安定1例、ICU管理1例
 患者からの感染:2例

 ヨルダン 1例 FluTrackers  #678
  The Peninsula  (カタール)
   69歳男性 ICU、ヨルダンで10例目

 コメント:血清診断が鋭敏になってきたせいか(使用できる抗体の感度が上がってきた)、感染者からの感染例が多く報告されるようになっている。新血清診断キットはヨルダンでも使用されており、それで2012年4月の院内集団感染時の医療従事者の感染率が10%であったことが報告されている。25日付で報告。



 管理人オピニオン

 サウジアラビアおよびアラブ首長国連邦からのMERS感染者報告内容をみると、あまりにもずさんな対応、ずさんな記載が多い。
 また患者からの感染例も2~4割を占めている。
 感染源不明という例も多い。

 どれだけ患者の調査と、その周辺の検査が行われているのか、発表内容をみる限り医科学的にはずさんとしか言いようなない。

 ・症状発生から入院まで7~10日間要している例が多い。
    -->医療機関まで遠いのか、それとも一般住民にMERSについて十分啓発してないのか?
 ・短い内容でも構わないが、何の情報にもならないような記載が目立つ。どこで誰から感染したのか記載なし。しかし無症状という例が多い。多分、感染者周辺調査で見つかった例と思われるが、そうした情報はない。そうした例の多くは自宅隔離であるが、アラブの家族は多いはずだが、家族への感染の可能性はないのか疑問。ウイルス感染していて無症状なら周辺への感染は起こらないとは医学的に立証はされてない。(これに関しては米国CDCが現地に専門家チームを派遣して調査中とされる)。
 
 サウジアラビアおよび周辺国でのMERSに対する非科学的でずさんな対応をみている限り、MERSに関する発生状況、人人感染の状況、臨床的重症度、感染リスクの高い場所、地域外への感染者の流出程度、等は、状況から推し量るしかない。

 軽症者または無症状者がアラビア半島外へ多く流出している可能性が否定できないとしたなら、各国の対策は、やはり水際作戦しかない。
 カナダ政府が昨日打ち出した発熱と咳の患者を診察する場合はPPE着用という対策も理に適っている。インフルエンザ様症状(季節外れである)の患者から渡航歴を聞いてから、慌ててPPE着用では間に合わない。

 幸いに現在はインフルエンザシーズン外である。インフルエンザ様症状を呈する患者は、中国のH7N9鳥インフルエンザ、そしてMERSをはじめに鑑別する必要はある。
 そのためには患者が入ってくる入り口に大きく2週間以内に海外渡航歴があって咳や熱がある方は下記ボタンを押して職員の指示に従ってください、と明記するのが最も間違いのないトリアージの方法と言える。

 MERSコロナウイルスは予想外に世界に広がっているのかもしれない。
 最悪の事態を想定して対応するのが、パンデミックを防ぐための基本である。
 WHOは信頼できない。先の豚インフルエンザ(H1N1pdm)の際にヨーロッパを中心にWHOが批判されたことが契機となり、WHOは弱腰になっている。

 注:それに関しては以下に論文を記載している。
  平成22年4月8日 岩波書店 世界 シュピーゲル誌特約 「集団ヒステリーの検証」、翻訳と解説


MERS: A potentially deadly virus comes to the US  Medical Xpress  (米国) MERS:致死的可能性を秘めるウイルスが米国に到達

 海外からMERSウイルスが米国に入ってきた。
 問題について専門家に答えてもらう。
 米国人はMERSウイルスの拡大について十分注意を払う必要があると専門家は警告する。


 サウジアラビアは人人感染は少ないというが、それは正しくない
Mers coronavirus more aggressive than Sars Khaleej Times  (アラブ首長国連邦) MERSコロナウイルスはSARS以上に致死的ウイルスである

 感冒ウイルスの仲間である新コロナウイルスは中東で初めて検出されたが、人から人へ感染している可能性がある。

 鳥インフルエンザの場合と同じように、MERSは感染者の家族員が感染しやすい、とドバイのズーレカ病院の内科専門医で呼吸器疾患専門医のシェリフ・モハメド・フェクリー医師が説明している。
 
 WHOの専門家はサウジアラビアへ出向き、ウイルスがどのように人に感染しているか調査した。彼らは感染者の集団発生が、パンデミックを起こす可能性を示唆している恐れを抱いている。
 それにも関わらず、サウジの保健省は一ヶ所の病院で発生した集団発生は、(単なる:訳者補足)院内感染による事が示唆されるとしている。
 さらに感染者は多くの基礎疾患を持っていたから感染しやすかったと説明している。
 しかしながら、患者たちの家族の中で2人が感染した事実は、ウイルスがコミュニティー内で感染していることを示唆している。

 ウイルスは呼吸器に感染し、肺炎を起こし、さらに腎不全を招来する例も多い。
 それゆえWHOは全ての国に、原因不明な肺炎に対してはMERSウイルスの検査をするようにアドバイスしている。
  注:これは実際に我が国で実行されているだろうか?いや、そのような警告がWHOから出ていることが各医療機関に保健行政当局から通知されているだろうか?

 MERSの致死率が30%であることは、2003年に発生したSARS以上にウイルスが致死的であることを物語っている。後者の致死率は11%であった。

 WHOはMERSコロナウイルスの予防と制御のためのガイドラインを発行した。
 ウイルスの発生元は不明であるが、最も一般的考えはコウモリが保有するウイルスに関連しているということである。

 SARSコロナウイルスは中国で発生したが、ウイルスが人に感染するようになる前に、中間保有宿主が存在していると考えられたが、人がその中間宿主である動物に接触しても、もはやその動物からウイルス感染することはなかった。(訳者注:人に感染するようになった時点でウイルスが変異していて、変異前のウイルスを持つ中間保有宿主からは人は感染しなくなった)。

 MERSに感染したほとんどの人びとは、重症で急性の呼吸器症状を呈し、発熱、咳、呼吸促迫を伴う。
 しかし中には軽症の呼吸器症状しか呈さない感染者もいる。

 感染予防のためには、20秒間手を石鹸と水で洗うことが重要で、幼い子供たちの場合は手伝うことも要求される。
 石鹸がなければアルコールを含んだ手指消毒剤で代用は可能である。

 コメント:アラブ首長国連邦ドバイからの報道であるが、サウジ政府を間接的に批判、そしてサウジ政府がウイルスの保有源とするラクダの名前は出さずに、いまだ一部の専門家が主張するコウモリをウイルスの保有宿主として説明していることは、興味深い。


 米国、MERS拡大に態勢を整える
Hospitals on Watch for MERS, Plan for Emergencies Voice of America (米国) 米国、病院はMERSを監視、緊急事態への計画確認に




 中東呼吸器症候群、すなわちMERSは最初に2012年に見つかって以来、世界で500人以上の感染者が確認されている。約30%が死亡している。この2~3か月、感染者数は急速に増加ししていて、アジア、ヨーロッパ、そして北米でもウイルス感染者が発病している事実は、状況が悪化している可能性が懸念されている。

 最後のパンデミックはH1N1インフルエンザウイルスで2009年に起きた。

 WHOはMERSがパンデミックに至るには長期間要すると考えている。
 ほとんどの感染事例はサウジアラビアで発生し、それもMERS患者、またはウイルスを保有するラクダとの濃厚接触で起きてきた。(訳者注:人の感染源は必ずしも明確になっていない。ラクダも有力感染源との意見もあるが、実際にラクダから感染したというエビデンスを持つ感染者は少ない。むしろ感染者との接触で感染したというエビデンスをもつ感染者の方が多い)。)

 しかしながらウイルスはいつでも変化するので、イリノイ州保健局のLaMar Hasbrouck医師は、重大な関心を抱く必要があるという。
 「これは新しいウイルスである。致死率も非常に高い。しかし我々はどの程度の感染率なのか、病気の兆候と症状はどのようなものなのかを、もっと知らねばならない」、と同医師はコメントする。
 
 多くの病院は既にMERSコロナウイルスが拡大するのを阻止する計画を作成している。
 バルティモアのジョーンズ・ホプキンス病院(46000人の職員)では、 Gabe Kelen医師が病院全体および大学の感染予防計画の責任者となっている。
 「私は未だそれほどの関心は抱いていないが、我々の(対策)レベルでは、事態に先行して対応可能と考えている」
 これはMERSだけに限らず、いかなる感染性の疾患に共通した問題である。
 「もし誰かがインフルエンザ様症状で急患室を受診した場合、患者のスクリーニング、および検査をするプロトコールは既にあり、そしてもし患者が重篤な感染症に罹患していると判断された場合は、患者は隔離され、マスクを着用させられる。その後患者に接する全ての人は決められた予防方法を実施する」、と同医師は説明する。

 医師やナースたち、さらに清掃係りも、ガウン、予防グローブ、そして特殊なマスク(N95?:訳者)を着用しなければならない場合もある。
 
 H1N1インフルエンザパンデミックの間、病院は特殊な外来を設置した。いくつかは病院外のテントで患者の診察と検査を行った。
 この方法はウイルスの拡大阻止、そしてウイルスがより悪性に変化するチャンスを減じるために再び採用されるかもしれない。

 「より頻回にウイルスが感染を繰り返すとウイルスはより頻回に遺伝子を複製する。それはウイルス変異の可能性を高める」、とKelen医師は説明する。

 重症急性呼吸器症候群、またはSARSが10年前に流行したが、それにより世界は、どこで感染性の疾患が発生しても、それが世界中の全ての地域で健康脅威に対する挑戦となることを学んだ。それは航空機で病原体が広く拡大するからである。
 多くの国は感染症に関する情報を共有することが如何に重要かを知ったはずである。

 今年遅くにサウジアラビアは数百万人の巡礼者を受け入れる予定となっている。
 世界中の保健当局では注意深く事態を監視するはずである。


Saudi Arabia, UAE report 6 MERS cases  CIDRAP  (米国、ミネソタ大学感染症情報センター) サウジ、アラブ首長国、6例のMERSを報告:FAO(国連食糧農業機関)、動物におけるMERSコロナウイルスの研究をさらに強化する必要を訴える

 FAOの緊急呼びかけ

 Raising public awareness of MERS-CoV
  一般社会におけるMERSコロナウイルスへの注意の呼びかけ
 Urgent investment in research and surveillance of animals
  動物におけるMERSコロナウイルス研究と監視態勢の強化
 A systematic search for potential sources of human infection from animal sources or the environment
  人の可能性ある感染源、動物または環境内の系統だった調査
 Joint efforts and coordination among public health authorities
  公衆衛生当局との共同作業

23日

 中国H7N9鳥インフルエンザ情報

 山東省

 ・ 61歳男性、退職者、煙台開発区、5月21日確認、

 MERS情報
 FluTrackers  #668-#673

 サウジアラビア 3例  累積感染者数554人 、死者数178人 、

 ジッダ1例、メッカ1例、マディーナ1例、
 無症状2例、ICU管理1例
 患者からの感染:2例、

 コメント:患者からの感染例が多いのであるが、それでも”限定的とか、濃厚接触した場合”とか、そのような特殊なケースが患者から感染と表現されているのはおかしい。>WHO、報道機関
 In Madina
 A 20-year-old female. She does not have any symptoms. She has been in contact with a confirmed case and she is isolated at home.​ Her condition is stable. 20歳女性。無症状。確定例と接触既往。家庭で自己隔離。状態は安定。


 アラブ首長国連邦 3例  
  FluTrackers #671-#673
  5月初旬からの過去例
  患者からの感染1例、感染源不明2例

 コメント:ずさんな患者管理。PCRでウイルス感染を確認した3日後に症状消失したことで退院。これでは市中感染、院内感染が起きるに決まっている。 症状消失後5日~7日間は感染性ウイルスが排出されている可能性を予測すべき。こうした状況はWHOが厳重に指導していないのだろうか?
 #673 Man, 36, He developed symptoms, including fever and mild breathing difficulty, on 2 May and was seen in an outpatient service on 4 May. His condition deteriorated and he was admitted to hospital on 7 May with high grade fever and developed breathing difficulty. On 9 May, he tested positive for MERS-CoV by PCR. He recovered and was discharged on 12 May. He is known to have comorbidities, but reported no contact with a laboratory confirmed MERS-CoV case and has no travel history. He also has no contact with animals and no history of consumption of raw camel products. Abu Dhabu, UAE




 カナダ政府、MERS感染予防対策をステップアップ
  
発熱患者と相対する保健医療担当者にPPE使用を求める

Canadian agency calls for preventive equipment for MERS CBC.ca  (カナダ) カナダ保健当局は、医療担当者にMERS予防のために個人用感染保護具(PPE)の使用を求める

 カナダ感染予防制御局は、保健医療担当者に、発熱と咳を伴う患者と相対する場合はPPEを着用するように求めた(PPE:マスク、ゴーグル、帽子、予防衣等の着用で病原体を身体に付着させない、そして外部に運ばないための感染予防完全装具)。

 当局は米国で3例のMERS感染者が見つかったことからの対策と説明している。

 さらに当局は、咳や発熱を伴っている患者の適切なスクリーニングは、発病10~14日前の患者の旅行歴を含む必要があるが、それは患者だけでなく患者周辺の人びとの旅行歴をも調査する必要があると、注意を促している。


MERS Watch: Saudi Cases Dwindle MedPage Today  (米国) MERS監視:サウジの感染患者数減少の傾向
Coronavirus containment 'top priority' for Saudi Ministry of Health Al-Shorfa  (米国) コロナウイルス撲滅は、サウジ保健省の最優先課題である
Two Filipinos die of Mers virus in Middle East Gulf Today (アラブ首長国連邦) 2人のフィリピン人がサウジアラビアの医療機関でMERSで死亡
 フィリピン政府が発表。5月12日と18日にジッダの病院で死亡。医療担当者として働いていた。

22日

 中国H7N9鳥インフルエンザ情報

 安徽省衛生出産計画委員会 中国語

 ・69歳男性、黄山市、5月21日確認、危篤、黄山市屯渓区の病院にて治療中、
屯渓区は中華人民共和国安徽省の黄山区に位置する市轄区
 ・58歳男性、馬鞍山市、5月22日確認、危篤、馬鞍山市の病院にて治療中、

 コメント:危篤者が突然報告されるのは何か不自然である。病院受診が遅すぎる可能性が高い。と なると病院を受診してない非重症感染事例が多い可能性も考えられる。
 しかしMERSのように院内感染が報告されてないことは、MERSウイルスほどH7N9ウイルスは人に感染しやすくないともいえるのかもしれない。

 MERSとH7N9鳥インフルエンザの類似点

  元々のウイルス保有宿主(reservoir)はラクダと家きんとされるが、両動物ともウイルス感染による症状は呈しない。ウイルス感染した人だけが症状を表し、重症化する例も多い。
  ウイルスの詳細な感染様式は未だ不明。
  人獣共通感染症であるが、しだいに人の感染症となりつつある。すなわち人に感染したウイルスが動物に再び感染して病原性を発揮するのかは不明である。



 MERS情報
  FluTrackers  #661-#667

  サウジアラビア 7例  累積感染者数551人 、死者数177人 、
   保健省

   リヤド1例、ジッダ4例、マディーナ1例、ターイフ1例、ゴンフォーサ(Gonfothah)1例、
   無症状2例、安定3例、ICU管理1例、死亡1例,
   患者からの感染:1例

  コメント: サウジ保健省情報は、科学性のない内容のため、MERSの感染状況と臨床像把握が出来ない。
  1)患者の発症から入院までが長すぎる。何でこんなに長いのか?住民への啓発が十分なされてないのか?医療費が高いため、一般住民にとって医療機関の敷居は高いのか?
    ジッダ例
     50歳女性、5月10日発症、5月20日に個人病院入院、続いてジッダの政府病院へ転送、ICUへ
     70歳女性、5月16日発症、5月22日ジッダの政府病院へ入院
     33歳男性、5月13日呼吸器症状発現、5月19日に個人病院入院

  2)臨床症状の記載が呼吸器症状だけしかない。MERSは、発熱、呼吸困難、腎機能障害などが症状として起こりえる。最近のアラブ政府の情報内容をみると、全て無熱なのか、発熱が省略されているのか、腎機能不全が生じなくなってきているのか、全く不明。

  3)内容がいい加減:
     マディナ例
    A 75-year-old male suffering from Hypertension. He developed respiratory symptoms on May 20, 2014. He was admitted to a government hospital on May 12, 2014. His condition is stable. 高血圧を有する75歳男性。男性は5月20日に呼吸器症状を発現。5月12日に政府病院に入院。症状は安定。
   12日ではなく22日の間違いなのか?

    リヤド例
    A 38-year-old female. She does not have any symptoms and is isolated at home.
    38歳女性。女性は無症状。自宅で自己隔離
     (中学生に記載させたような内容。情報にならない)。

  結論としてサウジ政府の情報はどこまで正しいのか疑問である。患者把握数、患者の臨床像、患者周辺および地域の感染者数。
 こんな情報しかサウジアラビアから得られていない状況で、パンデミックを予知できるのだろうか??
 こうした断片的情報から感じられることは、さらに多くの患者が存在している可能性である。





Will MERS become a global threat?  CNN  (米国) MERSは世界的脅威となるか?

 コロンビア大学の感染と免疫専門家による見解。

 MERSは世界的脅威になるだろうか?
 1918年に発生したスペインインフルエンザ(世界の3~5%が死亡した)、に匹敵する脅威となるであろうか?

 そうした恐れが抱かれるのは、MERS感染者が急増し、各国に広がっている現実を見ていると当然である。
 しかしながら自分はそうした事態にMERSが発展するという根拠を未だ得てはいない。

 以下訳文はPDF(高橋雅人氏訳)。配布は自由。


Special Report : Saudi Arabia takes heat for spread of MERS virusReuters  (国際) 特別報告:サウジアラビア、MERSウイルスの拡大で非難が集中

 ・2012年9月MERSコロナウイルスが英国に入院中のカタール人およびサウジのジッダの病院で死亡したサウジアラビア人から、初めて分離された。オランダのチームによる。
 ・以後、世界の専門家達は、このSARSに近縁なウイルスは、SARSと同じように2年以内に封じ込まれ解決すると推測した。
 ・しかし十分な情報はサウジアラビアから提供されず、2年近くたった現在もMERSは謎のウイルスによる感染症のままであり、感染者は依然として増加している。
 ・国際的専門家たちはサウジアラビアに支援を申し込むんだが全て拒否された:WHO、オランダのエラスムス医学センター、ロンドンの英国公衆衛生チーム。
 ・サウジアラビアではケースコントロール研究(症例対照研究:感染した群としなかった群について、様々な見地から比較分析する:訳者注)がなされず、結果的に基本的疑問、すなわちウイルスの性格、その感染源、そして次にどのような展開があり得るのか等、が一切不明な状態が続いてきた。
 
 以下略


Bird flu experiments pose threat, researchers warn USA TODAY (米国) 鳥インフルエンザウイルスの実験危険、研究者たちが警告

 ハーバード大学公衆衛生部門の疫学教授であるMarc Lipsitch教授が、鳥インフルエンザウイルスの動物実験を終わらせるように警告した。ウイルスが漏れ出て世界的パンデミックを起こす可能性があるとされる。PLOS Medicine に意見を発表した。

 同教授は新規ウイルスを作製してフェレットで行われる実験は、メリットよりもウイルスが漏れ出る危険性の方が高いと語っている。(訳者注:H5N1鳥インフルエンザウイルス実験。米国とオランダの研究チームがウイルスの遺伝子を変化させ、どのような遺伝子構造になると人に容易に感染するようになるか検討している)。
 安全に行うことができ、効果を上げる研究は多くあり、我々はそのような研究をサポートするとしている。

 これまで実際にインフルエンザウイルスが漏れ出た証拠がある実例として、1970年代後半に中国かロシアの研究室から”ソ連型インフルエンザウイルス”が漏れでたことを指摘している。(訳者注:現在このインフルエンザウイルスは世界から消えたと思われるが、現在のH1N1pdmウイルス、すなわち先の新型インフルエンザウイルスが出現する前までは、H1N1ソ連型ウイルスとして香港型H3N2と交互に毎年流行していた)。

 教授は研究者個人によるエラーは稀ではあるが、時間と共に危険率は上がってくるという。もし10カ所の研究室で現在のレベルの注意を保って実験をしていても、研究者にウイルスが感染する危険性は20%あり、さらにウイルスが試験外に漏れ出る危険性は1%あるという。

Suspected cases of MERS investigated in Virginia WVEC.com (米国) ヴァージニア州、数人のMERS感染疑い例を検査中

 MERS感染者と航空機内で接触した可能性ある数人について検査中と州保健局で発表。

 MERS疑い例を診察した医師は州保健局に連絡するように伝えている、州保健局がMERS検査をすべきか判断する。
 検査結果が出るまで24~48時時間要する。

21日

 MERS情報
   FluTrackers #657-#660

 サウジアラビア 4例  累積感染者数544人 、死者数176人 、
  保健省

 ジッダ1例、メッカ1例、マディーナ2例、
 無症状1例、安定3例、死亡1例(既報からジッダ1例)
 患者からの感染:1例、


 コメント:呼吸器症状で発症している例が多い。必ずしも発熱を伴ってないが、軽症例は単なる風邪に伴う呼吸器症状様で発病するようだ。




 MERSコロナウイルスに対する薬剤が実験系で多く見出されている

Saudi Arabia reports 3 MERS cases; drug candidates cited  CIDRAP (米国、ミネソタ大学感染症情報センター) サウジアラビア、3例のMERS を報告:抗MERS薬の候補薬が多数検討

 当ページで昨日報告済みの感染例。

 多数の抗ウイルス作用を持つ薬剤でMERSコロナウイルスに効果を持つ薬剤を組織培養系でスクリーニング。>米国とヨーロッパの研究チーム。

 米国チーム:290種類のクスりをスクリーニング。MERSウイルスに効果を保有する27種類の化合物を検出。

 オランダとベルギーのチーム;348種類の米国FDAが認可している薬剤をチェック。4種類の化合物が効果を持つ可能性を把握。

 さらに米国のいくつかの大学の研究者達は、先にSARSウイルスの増殖を阻害する実験的に合成された化合物が、同じようにMERSウイルスの増殖を阻害することを見出している。


Study: Anti-parasitic drug may help flu patients CIDRAP (米国、ミネソタ大学感染症情報センター) 研究:抗寄生虫薬がMERSに効果の可能性

Will MERS become a global threat?  CNN  (米国) MERSは世界的脅威となるか?

 コロンビア大学の感染と免疫専門家による見解。

 MERSは世界的脅威になるだろうか?
 1918年に発生したスペインインフルエンザ(世界の3~5%が死亡した)、に匹敵する脅威となるであろうか?

 そうした恐れが抱かれるのは、MERS感染者が急増し、各国に広がっている現実を見ていると当然である。
 しかしながら自分はそうした事態にMERSが発展するという根拠を未だ得てはいない。

 以下略。
 

20日

 中国H7N9鳥インフルエンザ情報

 安徽省衛生出産計画委員会 中国語

 ・40歳男性、安慶市、5月19日確認、危篤、安慶市の病院にて治療中

 MERS情報
  FluTrackers #654-#656

 サウジアラビア 3例  累積感染者数540人 、死者数175人 、
  保健省
 リヤド1例、マディーナ1例、ターイフ1例、
 無症状2例、ICU管理1例
 患者からの感染:2例、


 コメント: 感染者発生数が減ってきただろうか?昨年の発生数グラフ(17日参照)を見ても夏場に減少してはいないから、感染対策の強化が効を奏してきた?しかし発病者からの感染が依然として多いことを考えると、対策がどの程度現場でなされているか疑問であるし、同時に感染者調査と、検査対象選択が広く行われているのか、検査方法が正しく行われているのか等、疑問である。
 米国のように感染者周辺の抗体検査(2週間程度後に)を積極的に行う必要もある。



 MERS:発症前の患者から感染が明確に
Health Officials Report First U.S. Person-to-Person MERS Transmission Wall Street Journal (米国) 米国CDC、米国初の人人感染を報告

 米国初のMERS感染者となった医師と仕事上の打ち合わせを行ったイリノイ州の男性が、MERSに感染したことが明らかになった。米国で3人目のMERS感染者となったが、医療機関を受診するような症状は呈してない。

 感染者となった男性医師は米国国籍でサウジアラビアの病院で働いているが、患者から感染したと考えられている。イリノイの男性とは米国入国後、4月25日に40分間、2メートルの間をおいて打ち合わせを行い、26日にも短い会話を行った。男性医師はその時は未だ明確な症状はなく、その後ムンスターの病院に入院した。
 米国CDCは感染者の医師と密接に接触した人の健康状態の追跡と検査を行ってきたが、初期の咽頭スワブでのウイルス検査ではイリノイの男性は陰性であった。しかしその後の抗体検査で陽性となり、ウイルス感染が確認された。
 WHOのMERS定義は咽頭スワブでのウイルス検査陽性に限られていて、抗体検査に関しては定義に含まれていない。
 CDCは患者定義に関してWHOと論議する予定としている。

 またCDCでは、これまで医療担当者や家族のように患者と密に接触した場合、人人感染すると言われていたMERSコロナウイルスの感染様式に対して、もっと通常の状態に近い接触でもウイルス感染が起きることが、今回の事例で明らかになったとしている。
 
 さらに血液中の抗体を調べることで無症状の感染者も多く見つかる可能性をCDCでは指摘している。

 さらにCDCでは、重症なMERSだけが検査で調べられて報告されてきたが、実際にはMERSの症状には多様性があり、無症状から軽症まで多く存在する可能性を指摘している。

 なおWHOによると世界の感染者数は614人で、死者数は181人となっている。

19日

 MERS情報
 FluTRACKERS #648-#653

 サウジアラビア 6例  累積感染者数537人 、死者数173人 、
  保健省

 リヤド2例、ジッダ2例、マディーナ1例、ターイフ1例、

 無症状3例、安定2例、ICU管理1例、
 患者からの感染:3例、




 MERSは10年以上前から存在し、見逃されていた可能性が示唆
African Camels Show MERS Virus Is More Widespread Than Believed Bloomberg  (米国) アフリカのラクダは予想よりもMERSウイルスを感染している

 ナイジェリア、チュニジア、そしてエチオピアのラクダは予想よりも多数MERSコロナウイルスに感染していると、米国CDCのチームが”新興感染症雑誌(CDC発行)”に発表した。

 研究結果によるとナイジェリアの358頭、そしてエチオピアの188頭のラクダ全ての血液検体からMERSコロナウイルスが検出された(訳者注:抗体というのが正しい)。チュニジアのラクダでは54%の成ラクダで検出された。

 この事実は先に発表されているスペインのカナリオス諸島やエジプトでも抗体が検出されている研究結果と合わせて、MERSコロナウイルスは2012年に人で初めて感染が報告される以前から、動物にウイルスが感染している国で、存在していて見逃されていた可能性があることを、研究チームは推測している。


 MERSは米国で人人感染を起こした
MERS virus spread from human to human in US Boston Globe  (米国) MERSは米国で人から人へ広がった

 米国の保健当局は、謎の中東ウイルスが米国で初めて人から人へ感染したと推定されることを報告した。

 イリノイ州の男性が、今月初めに米国で初のMERSを発症したインディアナ州の男性からウイルス感染を受けたと考えられている。
 しかしながらイリノイ州の男性は医療機関を受診することなく、健康状態にも異常は呈してないと、CDCでは説明している。
 2人の男性は2回会ったが、その時はインディアナ州の男性は発症してなく、その直後にムンスターの病院に入院した。男性はサウジアラビアで医療担当者として働いていて、米国に家族に会いに戻ってきたとされる。

 保健当局の説明によると2人は約40分間の仕事上の会話と握手の過程でウイルス感染が起きたとされる。
 「我々はこの事実から、MERSの一般社会に対する危険性に変化が生じたとは考えてない」、とCDCのDavid Swerdlow 医師はコメントしている。

 CDCは16日に出た検査結果(抗体検査:訳者注)でイリノイ州の男性がどこかの時点でウイルス感染を受けたと推定している。
 最初の男性がMERS感染が確認されてからCDCでは接触者の調査と検査を行ってきている。イリノイ州の男性以外で検査結果が陽性に出ている人はいないとされる。

 コメント:  この米国における二次感染での重要な事実は、感染者が明確な症状を出してなくてもウイルス感染を起こしていることである。米国CDCでは軽症患者がどの程度ウイルスを周辺に感染させるのか、サウジアラビアで調査中とされる。
 MERSコロナウイルスは飛沫感染で周辺の人に感染するが、今回の米国のケースは、感染者に咳はなかったようだ。
 インフルエンザウイルスの場合、唾液から感染することが知られている。咳がなくても会話により、飛沫される唾液にウイルスが存在していて感染が起きると考えられる。MERSの場合も至近距離での会話によりウイルス感染が起きている可能性が高い。


 MERSを警戒すべき旅行先
How worried should travelers be about MERS?  Boston Globe  (米国) 海外旅行者はMERSをどの程度注意すべきか

 米国CDCは各空港に対して旅行客へのMERS警戒を呼びかけることを求めている。
 アラビア半島のいくつかの国で、MERS感染予防のために手を頻回に洗うこと、手で顔を触れないこと、そして病気の患者と密接に接しないことを上げている。

 注意すべき国としてCDCはアラビア半島と中東の国々を上げていて、含まれる国は、バーレイン、イラク、イラン、イスラエル、ヨルダン、クエート、レバノン、オマーン、パレスチナ領域、カタール、サウジアラビア、シリア、アラブ首長国連邦、イエーメンとしている。
 これらの国の中にはMERSが発生してない国もあるが、CDCはウイルスが拡大しているかもしれない地域に十分近いことから注意すべき国としている。

 CDCは医師たちに対して、上記の国を旅行後2週間以内に以下の症状を含む患者を診察した場合MERSの検査をすべきとしている。
  :発熱、肺炎、ひどい咳または呼吸困難

 コメント: MERSは人人感染する!

 MERSは容易に人人感染しないと言われてきたが、今、その見解は崩れつつある。
 サウジアラビアの医療機関で医療担当者が患者から毎日のように感染を受けている。
 中には無症候性感染も多く、これまで十分把握されてこなかった。

 さらに5月に入って米国で発症したサウジアラビア帰りの医療担当者から直接感染した市民が確認されている。近距離間隔(2メートル弱)顔を合わせての仕事の打ち合わせを30分前後行ったことから感染している。発病はしなかったとされ、2週間後の抗体検査で感染が確認された。
 この市民に感染させた医療担当者もサウジアラビアで患者から感染したものと考えられる。
 
   ウイルスの伝搬経路
  患者->医療担当者:(サウジアラビア)
               ->市民……>?:(米国)



18日


 MERS情報
  FluTrackers #646-647

 サウジアラビア2例、 累積感染者数531人、 死者数169人 、
  保健省

 リヤド1例、ジッダ1例、

 安定2例、死亡例(既報からタイーフ1例)

 患者からの感染:2例、




 MERS飛び火、18か国へ

MERS感染 18カ国に WHOが警戒強化呼び掛け  中日新聞

 【ジュネーブ共同】サウジアラビアを中心に猛威をふるう中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が、中東だけでなく米国やオランダなどにも飛び火、これまでに感染が確認された国は18カ国に達した。世界保健機関(WHO)は、感染国だけでなく日本を含む全ての国に、医療施設での感染防止策など警戒を強めるよう呼び掛けた。

 MERSコロナウイルスはラクダが人への主要な感染源と疑われており、ワクチンはまだ開発されていない。WHOの15日時点のまとめでは、報告のあった感染例は世界で計572人。うち約3割に当たる173人が死亡した。}

 コメント:”ラクダが人への主要な感染源と疑われており”との表現は間違いである。ラクダやコウモリがMERSコロナウイルスの保有宿主であると考えられているが、それがどういう経路で人に感染しているかは不明である。またMERSコロナウイルスにも多くの遺伝子型があり、その中で人に感染しているのは一部分である。


 米国で3例目のMERS感染者が見つかる
    発病者からの感染例、無症状

接触した男性から抗体 米国のMERS感染 MSN産経ニュース

 {米疾病対策センター(CDC)は17日、米国で1例目の中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者と接触したイリノイ州の男性の血液から、ウイルス感染があったことを示す抗体が見つかったと発表した。

 男性の健康状態は良好で、症状が出ない「不顕性感染」が起きたとみられる。男性は厳密には世界保健機関(WHO)が報告を求めている症例には該当せず、CDCはウイルスが人から人に容易に感染する状況にはなっていないとしている。

 男性は当初の検査で陰性だったが、採取した血液を調べると16日に抗体が見つかった。中東などでもMERSの不顕性感染は起きており、CDCは今後の調査で同様の例が見つかる可能性があるとみている。(共同)}

 コメント:抗体検査はサウジなどでは実施が困難である故、WHOは感染診断に抗体検査を入れてない。咽頭スワブでのPCR検査での診断だけに限定しているようだ。今回の例はCDCでは二次感染としているが、当初のスワブでの検査が陰性だったことから、WHOの確定検査クライテリアを満たさないため、WHOの感染者リストには入れられないと判断している。
 またCDCがウイルスが人人感染を容易にしないと判断しているかは不明である。現在猛烈に周辺の人びとの抗体検査をしているが、結果によっては判断が変わる。


Newest US MERS case was infected by Indiana patient, CDC says Los Angeles Times  (米国) 直近の米国MERS感染者は、インディアナの患者から感染、CDC発表

MERS-CoV hotline activated The Southern (米国) MERSコロナウイルスのホットラインが開設

 イリノイ州でMERS感染者が見つかったことから、イリノイ州公衆衛生局はMERSコロナウイルスのホットラインを開設した。

CDC: First case of MERS infection transmitted inside the US CNN (米国) CDC発表:米国内で感染した初のMERS感染者が確認

US reports third case of MERS virus Xinhua (中国、新華社) 米国、3人目のMERSを報告

 米国で3人目のMERS感染者が見つかったと、米国CDCが17日(現地時間)発表した。

 患者はイリノイ州の男性で、米国初のインディアナ州で確認されたMERS感染者と密に接触した既往がある。CDCは”インディアナ州の患者からたぶん感染したと考えられる”と発表した。

 このイリノイ州の男性は医療を必要とする状態ではないが、最初の感染者との接触者調査で健康状態を5月3日からフォローされていた。

 CDCによるとイリノイ州の男性は最近米国外への旅行既往はないが、インディアナ州のMERS感染者と、同感染者が診断される直前に2回接触していた。

 イリノイ州の男性は16日夜にMERSウイルスが陽性と診断された。

 訳者注:新華社の記者は、CDCの検査が抗体検査であることを記述してない。感染後2週間前後で抗体価は有意に上昇してくる。イリノイ州の男性が5月上旬に感染者と接触していたから、16日の検査で抗体価(IgG)が上昇していたことは、男性がウイルスに暴露されていたことを示す。ウイルス感染が起きて数日以内なら、咽頭スワブでのPCR検査で陽性になるが、これは咽頭にウイルスが存在していることを意味する。


CDC発表: First US MERS case likely passed virus to Illinois man CIDRAP (米国、ミネソタ大学感染症情報センター) CDC:米国初のMERS患者からイリノイ州の男性にウイルスが感染した可能性

 土曜日午後(17日現地時間)、米国CDCが異例の記者会見を行い、MERSに関して新しい情報を発表した。CIDRAPは週末には情報は出さないが、CDCの発表は重要と考え、本日ニュースを提供する。

 *訳者:内容は下記の報道を参照のこと

 訳者注:さすがCDCである。抗体検査で二次感染者が見つかったという情報を、休日に記者発表するという(当然の)迅速性。そしてその内容を即報道する米国内の多くの報道機関。

Illinois Man is Third US MERS Infection, CDC Says  NBCNews.com  (米国) イリノイ州の男性が米国3番目のMERS感染者に:CDC発表

MERS Virus Infects Another in Illinois  ABC News (米国) MERSウイルス、イリノイ州で別な男性に感染 テレビ報道

Health officials see possible 3rd MERS infection in US USA TODAY  (米国) 米国保健当局、3例目のMERS可能性例を検出

 米国の保健当局は3例目のMERS可能性例を確認しているが、感染者は無症状であり入院もしていない。

 新規例はイリノイ州の男性で、米国初のMERS感染者であるインディアナ州の男性と接触していた。

 「我々はこの患者はMERSに感染していると考える。しかしこの患者はCDCが感染確認に用いる抗体検査で確認された例であり、WHOの患者診断クライテリアには抗体検査は入ってないため、WHOの患者リストには加えられない」、とCDCのMERS担当官であるDavid Swerdlow氏が語った。

 イリノイ州の男性はインディアナ州の患者がMERSと診断される前に2回仕事上の打ち合わせを行った。
 最も長い打ち合わせ時間で40分間であった。
 6フィート(1.82メートル)以内に顔を近づけること30~40分、そして握手もしたとCDCでは説明している。

 イリノイ州の男性は米国市民でアラビア半島へは出かけたことはない。男性は軽い鼻汁があったようだが、MERSによるものではないだろうとCDCではコメントしている。

 男性は現在自己隔離中で、他の人と会うことを避けるか、または会う場合マスク着用を行っている。

 保健当局ではこの男性と合った人々すべての検査を行っている。

 男性の初期の検査は陰性であった。(これはたぶん咽頭スワブによるPCR検査であったと推定。ウイルスは既に消失していた:訳者注)。
 しかし16日夜(現地時間)戻ってきた血液検査で、このイリノイ州の男性の感染が確認された。CDCは17日午後にに発表した。(CDCによる抗体検査の結果:訳者注)。

 「これらの検査は予備的なものであるが、イリノイ州の男性がインディアナ州の患者からウイルス感染を受け、体内でウイルスに対抗する抗体ができたことを示唆している」、とCDCではコメントしている。

 インディアナ州の男性は米国で見つかった最初のMERS患者であるが、サウジアラビアで医療担当者として働いていた。

 当局によるとインディアナ州のムンスター市のコミュニティー病院に、発熱と呼吸促迫で4月27日入院した。5月2日にMERSと診断され、現在は完全に回復している。

 米国の2例目のMERS患者はフロリダ州で5月11日に報告された。

 保健当局では発病した2例の周辺の人びとについて調査と検査を行ってきた。

 これまでの報告ではMERSは常に重症であるかのように言われているが、現在は感染者の症状は無症状から軽症まであることが知られている。
 CDCのDavid Swerdlow氏によると、これまでは重症者だけがチェックされ検査を受けていたせいで、軽症者の存在が十分把握されていなかったのだと説明している。
 
 同氏は、MERSに関して、その感染様式も含めて未だ十分分かってないことが多く、専門家たちが調査・研究中であると語っている。

 5月16日現在、世界でMERS感染者数は572人、死者数は173人に上り、発病者が確認された国は15か国に上る。

 現在イリノイ州の感染者と濃厚接触した人々について調査および検査が続けられている。

 これまでのところ全てのMERS感染者はアラビア半島内外の国で感染している。

 MERSの症状

 ・発熱と肺炎または呼吸困難
 
 感染危険因子

 ・症状発現前2週間内にアラビア半島周辺を旅行した既往
 ・アラビア半島周辺を旅行後2週間内に、発熱や呼吸困難を生じた人と密接に接触した場合
 ・MERSと確定、または疑われている患者が症状のある間に密接に接触した場合

 コメント:これは米国内で二次感染者がみつかったという情報であるが、CDCの抗体検査で確認されたもので、サウジアラビアなどでは医療担当者が院内で患者から二次感染を受けている例は多い。このイリノイ州の男性周辺からさらに感染者が見つかると3次感染となるが、それは感染リングが形成される危険性があることが示唆される。
 それにしても米国CDCの迅速な態勢と接触者追跡の迅速性には驚かされる。



17日

 中国H7N9鳥インフルエンザ情報

 広東省衛生出産計画委員会 中国語

 ・37歳男性、中山市、5月16日確認、危篤、中山市の病院にて治療中


 MERS情報
  FluTrackers #636-645  新規10名

  米国 1人 累積感染者数3人
   CDC発表

  イリノイ州、米国初の患者から感染、抗体検査で陽性、16日確認、無症状

  サウジアラビア 新規9例、累積感染者数529人 、死者数168人 、
   保健省

  リヤド2例、ジッダ3例、マディーナ3例、メッカ1例、

  無症状1例、安定6例、ICU管理2例
  患者からの感染:1例、

 コメント:米国で第一例目(インディアナ州)の男性と業務で打ち合わせをしていた男性の感染が抗体検査で確認された。


 
 #サウジアラビア、メッカ大巡礼開催に懸念

MERS spread leads Saudis to question Mecca's preparedeness CBC.ca (カナダ) MERS感染者数増加により、サウジアラビア、メッカ大巡礼対策に懸念

Saudi officials question Mecca's preparedness as MERS spreads TODAYonline  (シンガポール) MERS拡大の中、サウジ当局がメッカ大巡礼の開催に懸念

 サウジ当局はメッカ大巡礼に対して、MERS対策が十分に行うことができるか懸念されている。
 6月末からラマダン(断食月)が始まり、10月にはメッカ大巡礼が行われ世界から数百万人レベルの巡礼者が参加する。

 メッカは紅海に面していて、MERS患者は他の地域よりは少ないが、多くの巡礼者は近くのジッダに航空機で入る。ジッダはもっとも感染者が出ている都市である。

 MERS感染者が巡礼者の中で多く発生すると、ウイルス感染した巡礼者たちが母国にウイルスを持ち帰る可能性が高い。

 実際、先ごろマレーシアで発症し、死亡した感染者はサウジアラビアへ巡礼に出かけて帰国した人であった。

 # MERSオンラインセミナー 米国CDC主宰
 案内情報

  {従業員とサプライ・チェーンを守るために}

  コメント:要するに企業のBCP内容再確認のため、MERS情報と知識を学ぶ

 # ヨーロッパCDC疫学情報

Epidemiological update: Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV)
ECDC  (ヨーロッパCDC) 疫学情報更新:中東呼吸器症候群(MERSコロナウイルス)

 世界の累積感染者数、621人、死者数188人(2012年4月~2014年5月16日)

 発生国別感染者と死者数 
Middle East:
Saudi Arabia: 511 cases/160 deaths
United Arab Emirates: 67 cases/9 deaths
Qatar: 7 cases/4 deaths
Jordan: 9 cases/4 deaths
Oman: 2 cases/2 deaths
Kuwait: 3 cases/1 death
Egypt: 1 case/0 deaths
Yemen: 1 case/1 death
Lebanon: 1 case/0 deaths
 
Europe:
UK: 4 cases/3 deaths
Germany: 2 cases/1 death
France: 2 cases/1 death
Italy: 1 case/0 deaths
Greece: 1 case/0 deaths
Netherlands: 2 cases/0 deaths
 
Africa:
Tunisia: 3 cases/1 death
 
Asia:
Malaysia: 1 case/1 death
Philippines: 1 case/0 deaths
 
Americas:
United States of America: 2 cases/0 deaths

 月別発生数



 # 軽症・無症状感染者はウイルスを感染を起こすのか、それは分かっていない
Silently among us: Scientists worry about milder cases of MERS Reuters(国際) 無症状MERS感染者の存在:軽症患者の人への感染力の問題

 MERS研究者によると次の重要な課題は、軽症患者(本人がMERSに感染していることを自覚してない)が周辺にウイルス感染を起こす可能性についてであるとされる。
 実態はこれまで全く分かってなかった。

 米国CDCでは発生者の家族などでの調査を行い、実態を把握する調査を行っている。

 発熱のない例
 呼吸器症状のない例
 下痢を主症状とする例
      等

 コメント:昨日厚労省通達で発信された患者情報は、発熱患者についてであり、そうした意味では、米国やWHO等からの情報を把握できていない。ましてや無症状感染者、さらには軽症者がウイルスを周辺に飛沫させるとしたなら、患者把握はできない。さらには下痢だけの患者はどうなるか?
 正しくは中東帰り、さらには海外からの帰国、入国者の健康状態は2週間にわたって追跡調査するのが正しい。また軽症者やインフルエンザ様症状を呈さない感染者もいることを、全国の医療機関に伝えるべきである。


16日

 中国H7N9鳥インフルエンザ情報
  広東省衛生出産計画委員会 中国語

 ・86歳男性、梅州市、5月15日確認、危篤、梅州市の病院にて治療中

 MERS情報
 FluTrackers #617-#635
 
 アラブ首長国連邦 13例
  FluTrackers  #617-#629

  4月に遡って過去に確認された事例を発表。
  患者から感染、無症状ながら検査で確認等

 サウジアラビア 新規6例 累積感染者数520人 、死者数163人 、
  保健省

 リヤド2例、ジッダ2例、ターイフ2例、
 無症状1例、安定3例、ICU管理1例、死亡1例
 患者からの感染:1例、



 日本厚労省からの通達

中東呼吸器症候群(MERS)に関する対応について(協力依頼)

 やっとというか、遅まきながら全国の衛生担当部局への通知がでた

 サウジアラビア、ラクダを人々が離せない深刻な状況
The scary reason Saudi farmers are kissing camels  Washington Post (米国) サウジ政府の措置に反対して農夫たちがラクダにキスする

 MERSは怖い。今週、WHOはMERSを世界的公衆衛生上の危機とは決定しなかったが、同機関はMERSを深刻に捉え、緊急に対処すべき課題としている。これまで世界で571人の感染が確認され、71人(訳者注:?)が死亡している

 しかしながら2012年に最初にMERSが見つかり、現在まで500人近くの感染者が出ているサウジアラビアでは、MERSが誰にも怖くはないというムードがある。

 そうしたウイルスに関する懐疑的見方は、サウジアラビアで妙な展開が見られている。すなわち人々がMERSの危険性に反発して、ラクダにキスを始めている。

 ビデオで農夫がラクダに、私の顔にくしゃみをしなさい、と語っている。ビデオは11000回閲覧されている。
 それは妙な抵抗に見えるが、背景には大きな問題が存在している。
 今週早くに、サウジアラビア政府はラクダの生肉や生レバー、非加熱ミルクの摂食を止めるようにキャンペーンを始めた。
 専門家の間ではラクダが人へのウイルス感染源であることに見解は一致してない。
 サウジアラビアの多くのラクダでMERSウイルスやその痕跡が見つかっている。しかし遠く離れたスペインのカナリオス諸島でもウイルスに対する抗体が見つかっている。
 ラクダはウイルスの主たる感染源でない可能性がある(多くの専門家はコウモリを考えている)。しかしラクダは主要な感染源であるようにも思える。

 ワシントンやロンドンでラクダを避けることは容易である。
 しかしサウジアラビアではそれは簡単なことではない。2008年の調査によると、サウジアラビアにはおよそ90万頭のラクダがいた。アラブ諸国全体では1500万頭前後とされる。

 ラクダは人々にとってポピュラーであり、数百万人の人びとに有用な動物である。
 サウジアラビアのラクダは、乳牛および肉牛と同じ存在であり、さらには競走馬などと同じ存在である。
 またコーランではラクダは崇められた動物でもある。

 人々にラクダが好まれているという理由だけでなく、サウジアラビア政府のMERSに対する透明性ある説得力ある説明が不足していることからも、多くの人びとはラクダに対する警戒の呼びかけを完全には信じていない。
 ロイターの報道によると、日曜日のサウジのラクダ市場でマスクを着用していたのは1人だけだったとされる。
 農夫たちの中には、何十年もラクダを使って働いてきたが、何も病気にはならなかったという人も多い。

 MERSがラクダから感染するかどうかは別にして、MERSはサウジアラビアにとって厄介な状況を呈している。
 それはSARSと同じコロナウイルスに属する。SARSは世界で8273人に感染し、775人が死亡している(2002年-2003年)。現時点で確定的ではないが、MERSはSARS以上に致死的である可能性がある。
 数百万人のイスラム教徒が10月に大巡礼でメッカに世界中から集まる。
 現在、サウジ政府は無事に大巡礼を行えるかどうか懸念しだしている。


 ワシントンポスト社説--MERSと対峙するために急がれること

MERS is still a mystery virus Washington Post (米国) MERSは未だ謎のウイルスである

 社説

 サウジアラビアでは14日(米国時間)、新コロナウイルスにより発症するMERS感染者が500人を超え、そのうち157人が死亡し、脅威の閾値を超えた。世界の感染者数は現在570人を超え、そのうち2人は米国で発症している(訳者注:15日、16日にオランダで2人の感染者が確認された)。

 同時期にWHOは、MERSは未だ国際的公衆衛生的危機状態のレベルに達していないと発表した。その理由はパンデミックにつながる持続的人人感染が起きていないことを上げている。確かに感染者と密接に接触した家族や医療担当者が感染している例は見られるが、ウイルス感染者が急速に拡大してはいない。

 WHOの決定は独りよがりの安心感につながってはいけない。声明には多くの警告が伴っている。

 ウイルスの性格と、それがどのように感染しているのかについて、あまりにも把握されてないことが多い。

 たとえば、最近サウジアラビアで感染者が急増している一つの理由として、感染予防対策の破たんが指摘されているようだ。
 WHO専門家チームが現地を調査した際、基本的な対策が欠落していることに気づいた。例えば、手洗い、予防用手袋、そしてマスク着用等。病院の状態は最適とはいえなかった。

 ウイルスはどのように広がったのだろうか?
 ウイルス環境内で生きつづけるのだろうか?
 それは全ての病院における感染制御にとって重要な因子である。たとえそれがサウジのジッダであろうが、米国のオーランドであろう(最近サウジから入国した人が発症した)が同じである。しかし答えは出ていない。

 さらにもう一つの重大な情報欠落は、症例対照研究の不足である。すなわち感染した人々の集団と、感染してない人々の集団を比較して分析し、ウイルスの感染様式や、感染リスクの条件を推定するものである。

 過去に分離されたウイルス遺伝子と最近の遺伝子を比較した研究結果では、違いはないとされ、人への感染が顕著になった理由としてウイルス変異は否定されている。その事実は安心感を与えるが、予知できないウイルス変異を監視するために、絶え間なくウイルス遺伝子情報を追う必要がある。

 WHOはMERSに対する懸念は非常に強くなっているとし、その理由として情報の重大な欠落があることを上げている。
 その表現は柔らかいが、情報の欠落の大部分はサウジアラビアの責任である。
 閉鎖的社会の同国ではMERSは1年以上も緊急対策の対象とされてなかった。

 現在、より情報は公開されだしたが、世界のMERS対抗手段は、ほとんどないと言って過言ではない。
 ワクチンもなければ効果的薬剤もない。
 WHOは重要な調査研究を急ぐように(サウジアラビアに)求めた。
 症例対照研究、血清学的調査(訳者注;住民の血清を調べて、どの程度の住民がウイルス感染をこれまで受けているかの分析)、環境調査(訳者注:環境内にウイルスは存在しているか)、そして動物の調査(どのような動物にウイルスが感染しているか)である。
 サウジアラビアはウイルス研究を促進するために、できる限りのことを全て行わなければならない。

 現在、MERSは米国から遠く離れた地で起きている悪夢のように思われている。
 しかし、それは違う。
 (米国で発症した)2例のMERSは空路運ばれてきて、その過程で数百人の人びとと接触していた。
 現在、もっとも良い防御方法は、ウイルスとその感染様式を深く理解することである。それは一刻も急がれるのである。



 # オランダで2名MERS感染

Dutch, Saudi, Jordan reports boost MERS tally  CIDRAP(米国、ミネソタ大学感染症情報センター)  オランダ、サウジ、ヨルダンでMERS感染者が報告

 ・オランダ
  先に感染が確認された男性の親せきの女性がMERS感染が確認。
  当局によると女性は男性と同じようにサウジで感染したとされる。
  男性と女性は2週間ホテルで同室であったが、二人とも基礎的疾患を保有しているという。
  本日のWHO報告によると男性は70歳のオランダ人男性で、サウジアラビアを4月26日~5月10日まで旅行した。5月1日、メディナで体調不良を覚え、6日にメッカで検査を受けた。
 男性は帰国した10日まで呼吸器症状は呈しなかったとされ、帰国した10日に入院した。
 現在ICUに収容されているが、状態は安定しているとされる。

 ・ヨルダン
  2012年4月にヨルダンの病院でMERSが集団発生したが、当時は診断はつかず重症肺炎として扱われていたが、秋になってSARSコロナウイルスが分離された。
 当時の患者、および周辺の血清を調べて7人の感染者が確認された。

 ・リヤド
  3人の患者が報告された。

Second MERS case confirmed in Netherlands CNN  (米国) オランダで2例目のMERSが確認

 オランダ国立公衆衛生研究所の広報官が、MERSの2例目を確認したと発表した。同国初のMERSをか確認した翌日である。

 発病者は同一家族に属する2名である。一緒のサウジアラビアへ旅行にいった。
 感染したのは男性1人と女性1人である。

 保健省は患者のプライバシーを保護するために詳細は伝えてないが、2人ともサウジアラビアに滞在する2週間、同室で過ごしたとされる。
 当局は2人が同時に感染したのか、または1人が感染し、そこからもう1人が感染したのか不明としている。
 しかしながら1人がラクダ農場を訪問していることが明らかになっている。
 2月発表された研究結果では、サウジアラビアのヒトツコ-ブラクダの75%がMERSウイルスに感染しているとされる(訳者注:MERSウイルスに多くの遺伝子の異なる種類があり、人に感染するのは一部とされる)。

 保健省の発表では両者には基礎的疾患があり、そのために感染しやすくかった可能性があるという。

 WHOの発表によると報告されているMERS感染者数は570人を超え、そのうち死者は170人とされる。

 WHOはMERSの拡大はより緊急性ある問題であるが、少なくともいまのところは世界的公衆衛生危機とは言えないと発表している。

 しかしながらCDCの免疫と呼吸器疾患センターのアン。シュチャート長官は、この新ウイルスは高い致死率を示すので、十二分に注意を払う必要があると語っている。
 当局はウイルスの感染様式は十分分かっていないが、シュチャート長官は空気感染する証拠は得られていないと説明している。

 米国では2例の患者が見つかっているが、両者ともサウジアラビアで医療担当者として働いていた。発病した地域はインディアナ州とフロリダ州である。



 #フロリダの病院、接触者全員ウイルス陰性
Florida hospital workers test negative for MERS virus Reuters  (国際) MERS第二例目を収容したフロリダの病院、接触した医療担当者全員がウイルス陰性


15日

 中国H7N9鳥インフルエンザ情報

 江蘇省衛生局 中国語
 ・65歳男性、無錫市、5月15日確認、危篤、家禽既往歴、無錫市の病院にて治療中

  New H7N9 infection case in Jiangsu  Hong Kong Standard (香港) 江蘇省で新規H7N9鳥インフルエンザ感染者

 東部中国の江蘇省で、定期的に食用ハトを購入していた男性がH7N9鳥インフルエンザに感染したことを、同省保健局が発表した。

 感染者は66歳男性で無錫市に居住し、現在危篤状態であると保健局では発表した。
 男性は月に1度の割合で夕食のためにハトを購入していた。
 4月15日、ハトを購入して露天商に”と殺”を頼み、それを自宅に持ち帰った男性は自分で調理したとされる。
 男性は15日H7N9鳥インフルエンザ感染が確認された。現在治療を受けている。
  --新華社配信

 MERS発生情報
   FluTrackers #606-#616  新規発表例11例

  オランダ 1例
  ヨルダン 7例 (過去未発表例)

  サウジアラビア保健省  3例 累積感染者数514人 、死者数160人
  リヤド3例
  無症状1例、安定1例、死亡1例(既報からジッダ2例)



 # オランダ人男性、サウジから帰国後MERS発症

MERS reaches Netherlands; 2 Florida patients cleared CIDRAP (米国) MERS、オランダへ到達;フロリダの2名感染疑い者はウイルス陰性

 サウジアラビアからオランダへ帰国した男性がMERSを発病してハーグの病院に入院した。
 詳細は不明。

 一方フロリダでMERS患者と接した後、インフルエンザ様症状を呈した医療担当者2名からはウイルスは検出されなかった。

Man returning from Saudi Arabia is first Dutch patient of MERS virus  Reuters (国際) サウジから帰国したオランダ人が同国初のMERS患者に

 オランダ保健省が発表したところにようると、サウジアラビアから帰国したオランダ人男性がMERSで入院したとされる。

 男性はハーグの病院に入院した。

 詳細不明

 コメント: 米国についてオランダで発症者が確認された。明らかに中東から感染者が世界中に広がっている。ウイルスが強く人人感染しないゆえ、WHOは緊急事態宣言を保留しているが、もし人人感染しだして各地で感染者が増えだすと、WHOの判断は変わる。


 # WHO、MERSは深刻な状況であるが、世界的緊急事態宣言には条件がそろってない

MERSの感染拡大に懸念 WHO CNN Japan

 {WHOのフクダ事務局長補によれば、これまでに人から人への感染を示すはっきりした証拠は見つかっていないという。

WHOによればこれまでに確認されたMERSへの感染例は571例。うち171人が死亡している。感染が確認された国は18カ国に広がっている。

米疾病対策センター(CDC)のアン・シュチャット氏は14日、このウイルスの感染経路についてよく分かっておらず、「はしかのような形で空気感染するという証拠も今のところつかんでいない」と述べた。

米国内ではこれまでに2例が確認されている。どちらもサウジアラビアで働いていた医療関係者だった。

CDCによれば、このうちフロリダ州で発症した患者と接触のあった2人の医療関係者がインフルエンザのような症状を示したが、どちらもMERS検査は陰性だったという。

中東歴訪中のヘーゲル米国防長官は14日、サウジアラビアのサルマン皇太子と会談。国防長官のいる部屋に入る人々はすべて、サーモグラフィー装置の前を通らされ、発熱していないかチェックされた。

WHOのフクダ事務局長補によると、こうしたチェック方法は必ずしも勧められないという。発熱の症状がみられない患者もいるため、発熱の有無を確認するだけでは「誤った安心感を生み出す」可能性があると同氏は語った。}


WHO raises MERS concerns, holds off on declaring emergency CIDRAP (米国) WHO、MERS拡大を懸念、しかし緊急事態宣言は引き延ばす

 WHO緊急会議の結果、MERS感染者の増加と疾病のインパクトは非常に深刻であるが、それは世界の公衆衛生上危機的状況とは言えないと、WHOは本日声明を発表した。
 WHOの事務局長補であるケイジ・フクダ医師は結論を次のようにまとめた。

 「状況は深刻で緊急的対策を要するものであるが、国際的公衆衛生危機の定義に合致するものではない」とフクダ氏は語った。
 3月からサウジアラビアとアラブ首長国連邦で患者数が急増しているが、WHO緊急会議では、その理由の一因として、感染予防対策が十分でないこと、救急センターに患者が殺到していることが病院内の二次感染を引き起こしていることを知った。

 病院外における感染者の増加の原因は明確ではないが、季節的要因が関係しているかもしれないし、またサーベイランス体制が改善されたからかもしれないし、またウイルスが人の間で感染しやすくなったせいかもしれない。フクダ氏はそのようにコメントしている。
 「これは(人人感染するか否か)全く緊急性ある疑問である」とフクダ氏は語ったが、患者と接触したことによる二次感染は未だ非常に少なく、地域内へ感染が拡大している事実はなく、さらに他の国で感染者が見つかったとき、持続的に感染者が増えてゆく事実もなく、またウイルス遺伝子に、感染性が変化するような大きな変異は起きていない、と強調した。


MERS outbreak becomes more urgent, WHO says CNN  (米国) MERS流行はより緊急対策課題である、WHO声明
 MERSは重大でかつ深刻であるが、世界的緊急事態との宣言を出すだけの条件は揃ってない。

MERS is serious but is not yet a global health emergency, WHO says  Washington Post (米国) MERSは深刻であるが、未だ世界的緊急時代ではない、WHO緊急会議

 MERS感染者は増えていて深刻な状況ではあるが、持続的人人感染は起きておらず、サウジアラビア以外で感染者の増加は起きていない。WHOの緊急事態のクライテリアには合致しない。

WHO: MERS virus isn't an emergency _ yet  Businessweek (米国) WHO、MERSウイルスは未だ緊急的状況ではない

 フロリダのMERS感染疑いの2医療担当者、
           ウイルス検査で陰性と

Two sick US hospital workers test negative for MERS virus  Reuters (国際) MERS感染疑いのフロリダの病院担当者、検査でウイルスが陰性と


14日

 中国H7N9鳥インフルエンザ情報

  広東省衛生出産計画委員会 中国語
  ・71歳男性、梅州市、5月13日確認、病状安定、梅州市の病院にて治療中、


 MERS発生情報
  FluTrackes 16人 #589-#605

  サウジアラビア 16例 累積感染者数511人 、死者数157人 、
   保健省
   
   リヤド9例、ジッダ5例、マディーナ2例、

  無症状3例、安定5例、ICU管理6例、死亡2例
  患者からの感染:3例、

 コメント:半数が重体か死亡となっている。発症日も一定ではなく、患者または感染者の集積が十分行われていないことが感じられる。
  この発生数の増加は、季節的要因と医療機関における感染対策が不十分であるという理由だけで説明がつくのだろうか?疑問である。
  明らかに昨年に比べると感染者数は数十倍に増えている。それは検査体制が整ったから発見数が増えてというのなら、死者数の増加はどのように説明するのか?それも調査体制が整ったからというのであるのなら、現在のサウジ全体、周辺国では体制が整ってない場所も多いはずであり、そうしたところでは把握されてない感染者や死者が多く発生している可能性はないのだろうか?



 #全医療関係者必見:
   米国初のMERSと相対したインディアナ州市民病院の感染対策


 下記クリックでPDFファイル--配布自由



 WHO、MERSを未だ国際的公衆衛生危機とは判断せず
REFILE-WHO says deadly MERS virus does not constitute global emergency Reuters  (国際) WHO、致死的MERSウイルスは世界的緊急事態とは再度判断せず

 WHOは14日以下のような声明を発表した。

 致死的MERSウイルスへの関心は有意に高まっているが、MERSの拡大は未だ世界的公衆衛生上の緊急事態とはいえない。

 ウイルスは咳、発熱、そして時々致死的肺炎を起こすが、サウジアラビアだけで500人以上の感染者が発生し、近隣の国にも広がり、少数ではあるがヨーロッパやアジアでも発生している。感染者の30%が死亡している。

 WHOの緊急委員会は13日(現地時間)開かれ、結果が14日発表された。
 結論は現状に基づいて得られている。すなわち状況は公衆衛生上深刻化しているが、ウイルスが持続的に人人感染している事実はない。

 「委員会は、状況は国際的公衆衛生危機と判断する条件を満たしてない、と結論した」、とWHO清明は結論している。
.
 コメント:WHO緊急委員会の結論は予想されていた。サウジアラビア以外で人人感染でMERSが広がる事態が起きない限り、国際的に危険な感染症とはみなされない。しかし、ウイルスの変異次第ではいつそのような状況になるかは予測できない。緊急会議では将来的予測は不可能である。そうしたことから状況により緊急会議が何回も開催されることになる。現在米国で2人の感染者が確認され、医療担当者などが隔離されているが、感染リングが形成されない限り(人人感染でウイルスが広がってゆく)、パンデミックへは向かわない。サウジアラビアからの旅行者、または帰国者が発病したとしても、そこから感染が拡大してゆかない限り、現状では国際的にそれほど懸念すべき状態ではないという判断である。


 フロリダ州、MERS患者と接した医療担当者が隔離

Officials fear hundreds of Americans were exposed to MERS virus MyFoxOrlando.com (米国) 当局、MERSウイルスに数百人の米国人が暴露されたことを懸念

 オーランドの病院当局は、米国で2番目に見つかったMERS患者からウイルスが感染した恐れがある数百人の人びとを探していると発表した。

 Dr. Phillips Hospital(ドクター・フィリプス病院)の当局者は13日、サウジアラビアの居住者で、現在オーロンドの病院に入院中のMERS患者は未だ微熱が続き、治療が続行されていると発表した。

 アントニオ・クレスポ医師は、44歳男性患者と接触した2名の医療担当者の検査結果を待っていると語っている。結果は14日(現地時間)に出る予定という。

 ドクター・フィリップス病院のたのスタッフ15人、および患者が他に訪ねたオーランドの病院の5人のスタッフは2週間の自宅での自己隔離を伝えられた。

 当局は、感染リスクは低いと思われるが、患者がサウジアラビアからオーランドまで搭乗した航空便の乗客と、より最近、患者の診断がつく前に接触した人々を探して調査を行っていると発表している。
.

2nd MERS patient spent 4 hours in busy ER waiting room Chicago Tribune  (米国) 米国2例目のMERS患者は混雑する急患室に4時間待たされていた

Florida MERS patient sat in busy ER for hours Reuters (国際) フロリダのMERS患者、混雑する救急室(ER)に数時間待機していた
 
 米国2例目のMERS患者は、混雑する救急室で医師の診察を受けるまで少なくとも4時間は待たされていたと、病院当局が発表した。

 患者がサウジアラビアから旅行してきたことを、 Orlando's Dr. P. Phillips 病院のスタッフが確認するまで、さらに8時間要した。
 それから患者がMERS感染している疑いを抱き、隔離室に収容した。

 病院当局によると13日に、救急室にインフルエンザ様症状で受診しする患者全員に、サウジアラビアや他のMERS発生国を旅行したかについて質問することを指示したという。


Florida Hospital Workers Who Treated MERS Patient Also Ill NBCNews.com  (米国) フロリダの病院、MERS患者を治療したスタッフも体調不良に



Hospital Workers Exposed to MERS Virus Awaiting Test Results  ABC News (米国) MERS患者に接した病院スタッフがウイルス検査 テレビニュース報道

Two US health workers ill after MERS exposure; World Health Organization meets Reuters  (国際) 2人の米国医療担当者、MERS患者と接触後体調不良に:WHO緊急会議開催

 MERS感染者がサウジアラビアを中心に増加して、さらに米国でも2名発症者が確認されたことから、WHOは13日(現地時間)緊急会議を開いた。
 MERSが公衆衛生学上の世界的危機と判断されるべきかを論議する。

MERS symptoms seen in two Florida health workers exposed to patient Chicago Tribune  (米国) MERS患者に接した2人のフロリダ州の医療担当者がMERS様症状を呈す

  MERS患者が入院したフロリダの病院で2人の医療担当者がMERS様症状を呈した。
 WHOがこの謎の致死的ウイルスを封じ込める能力について関心が高まっている。

 13日(現地時間)、WHOはジュネーブで緊急会議を開き、MERSが世界の公衆衛生上の危機であるかについて討議する。

20 Hospital Workers Told to Stay Home Due to MERS Fears Wall Street Journal (米国) オーランドの2病院の医療担当者20人がMERS感染の恐れから自宅待機に

 オーランド市の2病院(Dr. P. Phillips Hospital とOrlando Regional Medical Center )の20名の医療担当者が2週間の自宅待機を命じられた。
 MERS患者と密に接触したことから、感染疑いがあることから、発熱、悪寒、関節痛などのインフルエンザ様症状の発現があるかを観察する。

2 Orlando health workers ill after exposure to MERS patient Fox News (米国) オーランドの病院の医療担当者2名が、MERS患者と接触後体調不良に

 フロリダ州のオーランドの病院でMERS患者に接した2医療担当者がインフルエンザ様症状を呈した。
 2人とも急患室で患者がMERSと診断される前に接触していた。
 1人が病院に隔離された。

2 Florida Hospital Workers Who Treated MERS Patient Fall Ill Philly.com  (米国) フロリダの病院でMERS治療に関与した2医療担当者が体調不良に

 2名の医療担当者がMERS患者の治療に関係した後、呼吸器症状を呈し、隔離されている。
 1名は患者と接触した翌日から症状を呈していることから、潜伏期から考えてMERSの可能性は低いと考えられ、自宅で自己隔離となっているが、もう1人は患者が隔離されている病院で、同じように隔離された。
 ウイルス検査がが行われている。


 コメント:米国報道機関は初のMERS患者発生を憶測なく、当局の発表内容にしたがって情報発信している。患者周辺から2名の医療担当者が感染した疑いがもたれたことは、気になる情報ではあるが、まずウイルスは陰性と考えられる。しかしもし陽性だった場合は、WHOはたぶん、重大声明として何かを発表するかもしれない。

13日

 中国H7N9鳥インフルエンザ情報

 湖南省
 
 ・74歳女性、5月12日確認、湖南省の病院にて治療中、
 香港保健省発表


 MERS情報
  FluTrackers  #585-#588

 サウジアラビア 4例  累積感染者数495人 、死者数152人 、
  保健省

  リヤド4例、

  安定3例、死亡1例
  患者からの感染:2例、




 MERS対応病院の優れた感染予防対策-米国ムンスターのコミュニティー病院
How an Indiana hospital got it right when MERS showed up at the door Washington Post  (米国) MERS患者が見つかったとき、インディアナの病院はいかに正しい対策を講じたか

 現在2例の致死的中東呼吸器症候群が米国で確認されたが、2例とも大きな教育機関としての役割を持つ病院(たとえばボストンのマサチューセッツ総合病院とかニューヨークのマウント・シナイ病院)以外で確認された。
 インディアナ州ムンスターのコミュニティー病院当局が示したような危機管理対策に、全ての医療担当者が即時に反応できるように準備されていることが必要であることが強調される。
 ムンスターの病院の救急室は4月28日に米国初のMERSに遭遇した。
 
 急患室では一見風邪をこじらせた患者が現れたとき、感染症マニュアルに沿って対応した。
 スタッフは危険性ある感染症が疑われる場合に際しての訓練を積んでいた。
 50人の医療担当者は感染し、そこから感染の輪が広がることを阻止するために迅速に隔離された。
 ・急患室に入ってきた医師やナースを確認、テープやサインを確認
 
 以下略
 全訳文は14日に掲載

 米国で2例目のMERS発生

CDC confirms second case of MERS in United States  Los Angeles Times (米国) CDC、米国2例目のMERSを確認

Second US case of MERS confirmed  CNN  (米国) 米国2例目のMERSが確認

米で2例目のMERS、サウジから渡航の男性 ロイター (国際、日本版)

 {米疾病対策センター(CDC)は、2例目の中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者を確認したと明らかにした。感染者はフロリダ州オーランドの病院に入院しており、容体は安定しているという。

感染者は医療関係の仕事でサウジアラビアに在住する44歳の男性。親戚を訪ねて米国に渡航した。

男性は、ジェッダからロンドンに飛び、ロンドンからボストン、アトランタを経てフロリダ州オーランドに着いた。ジェッダからロンドンに向かう便の機内で症状が出ていたものの、治療が必要なほど深刻ではなかったという。男性は9日に入院。11日にCDCがMERS感染を確認した。

CDCのフリーデン所長は電話会見で、機内で他の乗客に感染したかどうかは不明だが、同じ便に搭乗した乗客500人前後に連絡をとって調査していると述べた。

1例目は先月末、インディアナ州で確認された。2例とも国外からのもたらされたが、CDCのアン・シュチャット氏は、2つのケースの間に関連性はないとしている。}

Second case of MERS surfaces in the U.S. Washington Post (米国) 米国で第2例目のMERSが出現

US confirms second case of MERS, this time in Florida Reuters (国際)米国、2例目のMERSをフロリダ州で確認

 患者は44歳男性。サウジアラビアに住み保健医療担当者として働いている。フロリダ州の親せきに会うために、入国。
 9日にフロリダ州オルランドの病院に入院。状態は安定しているとされる。

Patient With Second U.S. MERS Infection Traveled Through London, U.K. Health ...Huffington Post  (国際) 米国で2例目のMERS患者はロンドン経由で米国へ

 患者はサウジアラビアのジッダから英サウジ航空113便でロンドンに到着し、さらにヒースロー空港で米国へ向かった。

Second Case of MERS Virus Is Announced New York Times  (米国) 米国、2例目のMERSを確認

 中東で拡大しているMERSの2例目が米国で確認されたことが、連邦保健当局より12日(現地時間)発表された。

 先の1例目とは関連していない。
 1例目と同じく当2例目(男性)も保健医療担当者としてサウジアラビアで働いていた。
 5月1日、男性はフロリダ州の親せきを訪ねるために米国へ航空機で入国した。
 航空機内で男性は体調不良を感じ、翌日にはさらに悪化した。男性はオルランド(Orlando)地域の病院に8日(正しくは9日とされる)入院した。
 CDC長官のトーマス・R・フリーデン医師は、男性の状態は安定していると説明した。

 第一例目の患者は5月2日に発表されたが、インディアナ州、ムンスターの病院から9日(現地時間)退院した。
 両者とも名前は発表されていない。

 この2例目の発生は歓迎されるものではないが、決して予想されてないニュースではない、とフリーデン医師は語ったが、一般社会への危険性は極めて低いと、付け加えた。

 MERSは中東では家族内、医療機関内で患者に接する医療担当者に感染しているが、一般的には容易に人人感染は起こさないように思われている。

 12日段階で、WHOに538人の感染者が報告され、145人が死亡している。
 450人はサウジアラビアで確認された感染者である。同国では3月から感染者の急増が起きている。

 保健当局によると、最初の患者が米国で確認されて以来、保健当局では患者の搭乗した航空機、使用した米国内でのバス、入院した医療機関で、患者の周囲にいた500人以上について健康調査と検査を行った。
 ウイルス検査での陽性者は見つかっていない。
 
 今回確認された患者についても同様の接触者調査が患者周辺でも行われる。
 患者の親せきは14日間、自宅で自己隔離となる。フロリダ保健局ではそのように発表している。

 CDCのフリーデン長官は、米国の全医師に新規のMERSの発生に警戒するように伝えている。

 いくつかの病院では急患室にトリアージ・ナース(患者を振り分けする)を配置して、肺炎症状の患者に、この2週間に旅行した場所を確認している。

 CDCではこれら2例のMERS発生による旅行制限は出していない。


 コメント:米国内のメジャーな報道機関が詳細に報じている:ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ロスアンジェルス・タイムズ、CNN。一方、我が国での報道は一切なし。

12日

 MERS情報
 FluTrackers  #576-#584
  
 米国1例
  CDC速報

  サウジアラビア 8例 累積感染者数491人、死者数147人
  保健省

 リヤド4例、ジッダ2例、マディーナ2例
 無症状0例、安定2例、ICU4例、死亡2例
 患者からの感染3例


 コメント:今回は半数以上が重症例である。感染者の発掘(調査)にムラがあるのは歴然。サウジの状況を正しく評価できない限り、世界は爆弾を抱えているのに等しい。
 


Myths and misconceptions about the MERS coronavirus Arab News ( サウジアラビア) MERSコロナウイルスに関する謎と誤解

 ・ワクチンや効果的薬の開発は?:なし。治療は標準的(一般的)方法のみ。可能な限り感染を防ぐことが重要。

 ・メッカ大巡礼やラマダンを計画しているイスラム教徒は、MERS感染の可能性があるため、旅行をキャンセルするようにアドバイスされているが?:保健省は現在のところ大巡礼やラマダンに関して何も声明は発表してないが、これまで得られた医学的問題を考えると、65歳以上の高齢者、妊婦、12歳以下の子供、免疫低下状態、または慢性的疾患を保有する人は延期すべきとアドバイスされている。

 ・サウジアラビアからの旅行者は他の国への入国を拒否される:サウジはいかなる国からの旅行者も入国させる。またWHOは旅行制限を出していないので、サウジからの旅行者はいかなる国へも入国できる。

 ・これは流行状態か?:WHOの見解はこれまでの状態は流行とはしていない。現在サウジ政府はWHOの協力のもとにウイルスの拡大を抑えるべく対策を強化している。

 ・ラクダ、コウモリ、ネズミ等の動物はMERSコロナウイルスを保有していると確認された?:最近の研究ではMERSを起こすウイルスはラクダとコウモリで見つかっている。しかしそれらウイルスのライフサイクルは良くわかっていない(訳者注:ウイルスがどのようにどこから感染しているか、その後自然に消失して体内に抗体を残すが、それらウイルスが次にどこに感染してゆくのか、実際に人に感染するときは、ラクダから直接感染するのか、それとも環境内にいるウイルスから感染するのか等)。しかしこうした動物に接触するときは十分気をつけることが賢明である。動物には色々な危険な病原体が感染している可能性がある。

 ・ラクダの肉やミルクは摂食するのは危険?:十分加熱調理したものは安全。


管理人コメント: 重要な問題は、MERSコロナウイルスが昔からアラビア半島他のラクダを宿主として感染を続けてきたという事実と、一昨年から人に感染して重症化および死亡させる致死的MERSコロナウイルスが見つかっていることとの関連性である。MERSコロナウイルスは未だ感染ラクダに何の病原性を持っていないが、人に感染すると高率に致死的症状を起こす。それは2012年に入ってからの事実である。それまでラクダに存在していたMERSコロナウイルスと2012年から見つかっているウイルスは同じではないはずだ。それは非常に奇怪であると同時に謎である。間違いなく3年以上前のMERSコロナウイルスは変異して人に感染するようになった。3年前からアラブの感染対策が未熟なゆえに、それまで人に感染することは知られていなかったウイルスが突然感染するようになったとは考えられない。ラクダと共に生活している人々は、そうした変化を理解できない。昔からペットと同じく共同生活していたラクダが、突然危険なウイルスを保持していると説明されても、分かりやすく科学的事実を提示して説明しなければならない。それは同時に世界に対してもであるが、残念ながらこれまで得られたエビデンスでは説明は無理なようだ。

 上記の謎が科学的に解明されない限り、MERSの将来を予知することも不可能であるし、実際WHOも明確な判断は下せず、現状に従った暫定的判断しか下せていない。
 MERSが元々サウジの世界で風土病のごとく存在していたのか、それとも2012年春にヨルダンの病院で集団発生したのを機にサウジで蔓延しだしたのか、WHOは疫学的に何もこれまで把握してこなかったのは意外である。もし疫学的データから、3年以上前にはMERSは人に感染したことはない、(または稀にあったとしても)という事実があるのなら、現在人に感染するMERSコロナウイルスは、過去のウイルスとは明らかに異なった変異ウイルスと断定できる。


 

11日

 MERS情報

 FluTrackers  新規例3例   #572-574

 サウジアラビア 3例
  

 サウジアラビア 3例  累積感染者数483人 、死者数142人 、
 保健省

 リヤド1例、ジッダ2例、

 安定3例、死亡(既報からジッダ1例、リヤド2例)

 患者からの感染:2例、

 コメント:週末のせいか、集計が不完全で症例数が少ないようだ。




 ラクダ農家、政府の警告を無視<MERSコロナウイルスのラクダからの感染に十分警戒すべき

Saudi farmers defy warnings on camels amid Mers fear gulfnews.com  (アラブ首長国連邦) サウジの農家、MERS感染可能性からラクダへの警戒強化通知を無視

 昔からラクダと生活を共にしてきた農家の人びとは、サウジ政府がMERS感染の原因がラクダの保有するウイルスの可能性を指摘していることに強く反発している。

 ”ラクダの生肉、ミルクは危険。ラクダを扱うときはウイルス感染に十分警戒する”。

 これまでMERSが発生したことがないのに、いまさらラクダに警戒するというのはおかしいと、農夫たちは語ってる。そしてラクダにキスしたり、頬ずりをして国からの通知を無視している。
 ラクダが明らかにMERSの原因であるとの証拠を提供すべきだとの声も農夫たちから上がっている。



Saudi Arabia warns of MERS virus risk from camels Reuters (国際) サウジ政府、ラクダからのMERSコロナウイルスの感染を警告

 サウジ政府はラクダを扱う(飼育)人々は、マスクと感染防止用手袋を着用するように警告した。初めての警告となったが、同国が500人近い致死性のあるウイルス感染者を確認していることが理由となっている。
 専門家はラクダがMERSコロナウイルスの保有源となっている可能性が最も高いとしている。


 コメント:ラクダがMERSコロナウイルスを保有していて、それらウイルスの中に、人から分離されたウイルスの遺伝子と一致する遺伝子を保有するものが報告されている。しかし今、なぜラクダが人に病原性を示す、そして人に感染するウイルスを保有しているのか理由は分かっていない。農夫たちは昔からラクダと生活を共にしてきた。そして昔からラクダはMERSコロナウイルスに感染し続けてきたとされる。それがなぜ今になって?…その答えがない。答えとして、ラクダの保有するウイルスが変異してきた、元々存在するウイルスが人為的に改造された等であろうか。それでもすっきりした説明は難しい。


 WHO報告-サウジアラビア調査結果
Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS‐CoV) summary and literature update–as of 9 May 2014  WHO、MERSに関する2014年5月9日の時点での状況分析と文献の更新 

 コメント:WHO専門家チームによる調査結果であるが、特に目新しい報告はない。当たり前であるが、サウジ当局による詳細な疫学調査(無症状者も含めてウイルス感染者はどの程度いるか等)と標準的感染予防対策が医療機関内で行われることが必須とされる。

10日

MERS情報
 新規7例
 FluTrackers #564-571
   
 ヨルダン
 FluTrackers   #571
 50代男性、ヨルダン、安定、医療担当者、感染者に接触


 サウジアラビア 7例  累積感染者数480人 、死者数139人 、
 保健省

 リヤド4例、ジッダ2例、メッカ1例、

 無症状2例、安定3例、ICU管理1例、死亡1例(既報からジッダ1例、リヤド2例、マディーナ2例)

 患者からの感染:4例、

 コメント:サウジでの感染者の半数は人人感染(医療担当者が主)による。ヨルダンでは院内感染が起きているようだ。WHO報告では感染予防対策が不備とされるが、どこが問題なのか具体的に示されてない。
 MERSコロナウイルスの感染部位が肺胞だとしたなら、簡単にはウイルスは感染しない。H5N1のように。比較的容易に医療担当者に感染しているところを見ると、気道上部にウイルスが感染する能力を有している(気道上部にウイルスが感染するリセプターがある)ように思われる。そのリセプターとの結合能力が未だ強くないのかもしれない。それにしても入院、または外来で医療担当者が完全武装で感染者に接しなければ感染するとしたなら、我が国でも輸入感染者が地方都市で発生した場合大変である。



 エジプトで5歳男児がMERS発症疑い
Egypt reports new suspected coronavirus infection www.worldbulletin.net  (トルコ) エジプト、コロナウイルス感染疑い例を発表

 5歳男児が5月初旬にサウジアラビア旅行から帰国し、7日から高熱と肺炎を起こし、9日に入院。
 4月26日に27歳技術者がサウジアラビアから帰国後MERSを発症している。
   



 管理人コラム 先見創意の会
 MERSに関する管理人のコラム


 WHO、メディア通知
 MERSコロナウイルスに関する国際保健規則緊急会議開催。会議後記者会見の予定 5月13日
  AFP CIDRAP

 コメント:7月にサウジメッカ周辺で予定のラマダンで数百万人が世界から集合予定。そこでの感染者多発、そして母国へのウイルス拡大。そうした事態をいかに防ぐかが重大な問題となっている。

1st American MERS patient released from hospital Washington Post  (米国) 米国初のMERS患者退院

 米国初の中東の謎のウイルス疾患感染者が9日(現地時間)、インディアナ州北西部の病院を退院した。保健当局は患者は社会にウイルスを感染させる危険性はないと判断した。

 患者は検査でウイルスは陰性であり、健康状態も完全に回復し、必要なら旅行も可能とされる。

 コミュニティー・ホスピタルの医学広報官は、決定にはCDCと州保健当局の担当者の意見も参考にされたという。


9日

MERS情報
 新規10例
 FluTrackers #554-563

 サウジアラビア 10例  累積感染者数473人 、死者数133人
  保健省

 リヤド5例、ジッダ4例、タイフ1例、

 無症状5例、安定4例、ICU管理1例、死亡(既報からジッダ3例、タイフ1例、リヤド3例)

 患者からの感染:5例、

 10人中9人は30代と40代である。軽症者が多く把握されているようだ。
 調査および検査対象者が必ずしも一定してないようだ。

 @コメント:半数が患者からの感染。半数を占める。昨日のWHOによる調査発表では、感染予防対策が十分でないから医療担当者他が感染しているとの結論。しかしH5N1鳥インフルエンザの場合、ベトナム、インドネシア、カンボジアでは人人感染事例は極めて少ないし、医療機関内での感染もほとんど知られてない。中国でのH7N9に関しても同じ。こうしたアジアに比べて、サウジアラビアの衛生管理、院内における感染予防策が著しく遅れているのだろうか?
 密な接触でしか人人感染は起こさないとされるが、それは中国のH7N9でも言われている。しかしMERSの場合、鳥インフルエンザに比較すると、人人感染を起こす率が非常に高い。

 人人感染を起こす率      (>の数は大きさを表現)
インフル>>SARS>>MERS>>>H7N9鳥インフルエンザ>>H5N1鳥インフルエンザ

 @@人人感染を起こすような変異は起きてないと表現しても、実際の感染する率はMERSでは高いから、感染者との接触は要注意と表現すべきである。


 中国H7N9鳥インフルエンザ情報

 広東省衛生出産計画委員会 中国語

 ・50歳男性、中山市、5月9日確認、危篤、中山市の病院にて治療中

 吉林省衛生出産計画委員会 中国語

 ・63歳男性、延吉市、5月8日確認、危篤、延辺市の病院にて治療中


Saudi Arabia records 5 more deaths from MERS coronavirus  CTV News (カナダ) サウジアラビア、MERS死者、さらに5人を報告

First MERS case detected in Lebanon: Health Ministry  The Daily Star (レバノン) レバノン保健省、同国初のMERS患者を報告
 状態は良好。他不明。

Fear hits Pinoy nurses in Saudi Sun.Star  (フィリピン) サウジアラビアで働くフィリピン人ナースの間でMERSへの恐れが拡大
 フィリピン人ナースが今週死亡したことから、地域のフィリピン人ナースの間でMERSに対する不安感が広がっている。救急業務を担当しているナースの中には業務を中断する者も出ている。

Pinay nurse dies of MERS coronavirusABS  CBN News (フィリピン)フィリピン人ナースがリヤドの病院でMERSを発症し死亡
 リヤドの” King Fahd Medical City ”に働いていたフィリッピンの女性ナースがMERSに感染して死亡した。同病院の院長から夫に連絡があった。


8日

MERS情報
 新規15例
 FluTrackers #539-553


 サウジアラビア 14例  累積感染者数463人、死者数126人
 保健省 サウジの地図と共に患者発生都市が表されている。

 リヤド9例、ジッダ3例、タイフ1例、マディーナ1例、

 無症状1例、安定5例、ICU管理6例、死亡1例 (他に既報からマディーナ2例、メッカ2例)

 患者からの感染:4例

 レバノン 1例

 First case of MERS reported in Lebanon - health ministry Reuters(国際) レバノンで初のMERS感染者が確認
 保健省発表、5月8日に確認、治療後改善傾向と。


 コメント:サウジでの発表例の半数は。相変わらず重症例と死亡例である。



 WHO報告:サウジアラビアにおけるMERSの増加は、未熟な感染予防方法による

Surge in MERS cases mainly an infection control problem in Saudi hospitals: WHO The Vancouver Sun  (カナダ) WHO:MERSの急増は主としてサウジの病院における感染対策の不備が主たる原因の可能性


WHO mission finds infection control gaps fueling MERS surge CIDRAP (ミネソタ大学感染症情報センター) WHO調査、サウジアラビアにおけるMERS急増は不十分な感染対策が原因と判断

 WHO専門家チームは5日間の調査を終えて、本日結果について声明文を発表した。
 WHOは4月末にサウジアラビア政府にMERS対策の援助を申し出たが、サウジアラビアはWHO専門家チームを受け入れた。

 サウジアラビアでのMERS感染者の増加、特にジッダの病院における院内感染者数の増加は、その感染様式および感染者数の増加原因が問題となっていた。

 本日のWHOの声明によると、MERS感染者の増加はウイルス変化によるものではなく、季節的にウイルスの感染力が上がってきたところに、感染予防対策が未熟なことが主要な原因としている。

 特に、院内における医療担当者に対する標準的感染方法の教育が必要とされる。


7日

MERS情報
 新規報告例 28人
 FluTtrackers #511-538
 
 サウジアラビア 10例+18例(6日分) *なぜか2回発表されている。
  保健省(1回目10名)、保健省(2回目18名)

 リヤド9例、ジッダ10例、メッカ2例、タイフ1例、マディーナ5例、ナジラン1例

 無症状10例、安定5例、ICU管理を11例、死亡1例
 患者からの感染;13例

 
 コメント:サウジ保健省の発表が2度にわたって行われている。発表日付は両方とも7日。なんとなくいい加減であるが、一日に28人の発表はこれまでで最大の数ではある。重症例と死亡例は全体の42%を占めているが、無症状者も40%程度いる。やや全か無かの法則に近いが(all or nothing)、感染症としては不自然である。無症状者がもっと多数、そして軽症者ももっと多数いてピラミッド型をなすのが自然である。重症化率がどの程度なのか?サウジの疫学調査はまだまだ本物と言えない。



Saudi replaces head of Jeddah hospital as it fights MERS rise Reuters (国際) サウジアラビア、MERS対策にジッダの病院長を交代させる

  5月6日火曜日付の保健省のウエブによると、MERS感染事例の増加に対処するためジッダのキングファード病院(King Fahd Hospital)の院長を交代させたことを公表した。この人事異動はSARS様のコロナウイルスの拡散を抑制する対策の一部であり、多数の患者の治療にあたる大都市の医療施設での迅速な医療サービスの向上を保証する決定的なステップとなるとしている。
 4月21日サウジアラビアのアブドラ王(King Abdullah)は、MERS感染拡大を危惧する民衆の動揺を受け保健大臣をへの更迭したばかりである。


MERS Patient Is Well, Does Not Seem to Have Infected Others  NBCNews.com  (米国) 米国、MERS患者は改善、他へ感染した可能性は低い


 ヨルダンで死者
Fourth coronavirus fatality reported in Jordan Kuwait News Agency  (クエート) ヨルダン、4人目のMERS死者を報告

 56歳男性。ヨルダンで4人目の死者。
 
 ヨルダンでは感染者数はこれまで8人確認されている。


 四川省でH5N6鳥インフルエンザで男性が死亡
Sichuan man dies in first human case of H5N6 bird flu South China Morning Post  (香港) 四川省の男性、H5N6鳥インフルエンザで死亡

 四川省の49歳男性がH5N6鳥インフルエンザに感染して死亡した。史上初めての感染例である。
 病的となっていた鶏との接触が感染原因とされる。
 地域の農場の家きんからH5N6ウイルスが検出されている。

 人への病原性に関しては全く不明とされる。

 患者周辺で健康異常を呈した人はいないとされる。


 サウジアラビアにおけるMERSの真実
          -ドイツ人ウイルス学者によるQ&A

MERS: A Virologist's View From Saudi Arabia Science (米国) MERS:サウジアラビアから1ウイルス学者の見解 (髙橋雅人氏訳)

 ドイツボン大学のクリスチャンドローステン(Christian Drosten)教授は、中東呼吸器症候群(MERS)の理解とその封じ込めをリードする研究者であり、サウジアラビアの研究者と共同研究してきた数少ない西側研究者のひとりである。

質問:過去2年にサウジアラビアに於いて約400MERSに上る感染事例と100名を超える死者が出ている。現状はどうか?
解答:MERSに対する人々の大変な認識がある。大勢の人がマスクをかけている。現に今回私が調査にサウジアラビアに着いた時よりサウジアラビアを去る時の方がより大勢の人にマスクの装着が見られた。わずか一週間で目に見える増加だ。今や人々はウイルスの存在に気づき注意を払っており、それは新たな感染者の抑制に役立つと考えている。
 以降はPDFファイル
 

6日

MERS情報
 新規例 9人
 FluTrackers #502-510

 ヨルダン 2人

 サウジアラビア 7人
  保健省
   
  2例:無症状、 2例:安定、 3例:ICU
  患者からの感染3例




中国四川省でH5N6鳥インフルエンザで男性が死亡

 四川省衛生出産計画委員会 中国語

 49歳男性、四川省南充市、家禽既往歴、死亡

 コメント:H5N6鳥インフルエンザは低病原性鳥インフルエンザに分類されているが、家きんや鳥での発生があまり知られてない。人での感染例はこれまで全くなし。


Saudis report 36 MERS cases in 3 days; UAE adds 4
CIDRAP (米国、ミネソタ大学感染症情報センター) サウジ、3日間で36例のMERSを報告:アラブ首長国連邦は4人追加

 サウジアラビア、3日~5日まで36人のMERSを報告。同国の累積感染者数は400人を超えた。またこの間6人の死者が確認されている。

 UAEは4例の感染者を報告したが、その詳細は明らかにされてない。

An American Has MERS: Where Did Virus Come From? ABC News (米国) 米国人がMERS感染:ウイルスはどこから来たのか?

 5日、保健当局は米国で初めて確認された謎のウイルス疾患が拡大しなかったと安堵感を表明した。
 患者がどのように感染したのか、そしてウイルスはどこから来たのか、について調査は継続されている。

 MERSとはいったい何か?

 MERSとは中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory Syndrome)の略である。それはインフルエンザ様症状、すなわち発熱、咳で始まるが、呼吸促迫を起こし、さらに肺炎、そして死亡につながることが多い。(訳者注:腎不全を起こす例も多い)。
 専門家は、MERSコロナウイルスが、2003年に流行した世界で8000人以上感染し800人近く死んだSARSを起こしたウイルスと同じ仲間のウイルスであることから、特に重大な関心を抱いている。

 MERSはどこからきた?

 MERSの最初の事例はサウジアラビアで2012年に確認された。それ以来400人近く、またはそれ以上の数の感染者が報告されていて、その中には100人以上の死者が含まれている。これまで感染者は全てアラビア半島で感染しているが、発症は半島内、または外国人などの場合は感染後母国に帰国してから発症している。
 先週米国保健担当局は、サウジアラビアに滞在した米国人がインディアナ州に戻った後、MERSを発病したことを発表した。米国で初のMERS感染者となった。
 研究者の中には人に広がっているウイルスはラクダ由来と考えている人もいるが、ウイルスの発生源を求める研究は続行中である。

 危険性はどのくらい?

 MERSウイルスに感染した人が全て発病するわけではない。しかし感染した人々の三分の一は死亡すると保健当局では推定している。致死率は通常みられるインフルエンザなどの感染症に比べると非常に高い。(訳者注:感染している数が把握されてないので、正確な致死率は不明である。感染が確認されている例の中での致死率は30%前後となっている。しかし最近無症状感染者も見つかりだしていることから考えると、感染者全体の致死率は相当低いのかもしれない)。
 MERSに対する治療薬やワクチンはない。しかしながら死亡者のほとんどは基礎疾患を保有していて、抵抗力の低下した人々である。
 米国の初の患者は近いうちに退院予定とされる。

 感染力は?

 幸運なことに感染力は非常に強くはない(訳者注:弱いということではない)。人から人への感染は濃厚に患者に接する家族や、発病者をケアする医療担当者などに限定して起きている。
 5日、米国保健当局はサウジアラビアからインディアナまで米国人感染者の近くにいた搭乗者や、感染者が入院した病院のスタッフ達には感染者はいないと発表した(訳者注:咽頭スワブなどでのウイルス検査で陰性だった)。
 しかし、感染者が(臨床的に)発症するまで最長で2週間要することから、当局はこれら接触者の健康調査はしばらく継続するとコメントしている。

 米国でのMERS感染者発生は、どの程度心配すべき状態か?

 ジェット機で旅行する現在、ウイルスは感染者と共に数時間で世界中に運ばれる。
 これまでMERS感染者はヨーロッパやアジアでも見つかっていることから、専門家は米国でも見つかるのは時間の問題と考えていた。今後さらに見つかることもあり得ると考えられている。
 問題はウイルスが変異して容易に人人感染するようになること、または中東以外で人での流行を起こす新たな地域が出てくることである(訳者注:人人感染するようなウイルス変異が起きてなくても、中東と同じようにウイルスが何らかの原因で地域に存在するようになり、環境内で人々が多数感染するようになること)。
 幸いにして両方とも未だ起きていない。
 

5日


MERS情報
  新規3例
 FluTrackers  #499-501

 サウジアラビア保健省  累積感染者数414名 累積死者数115名 致死率 28%

 リヤド2例、マディナ1例 全例ICU


 コメント: アラブは週末(日曜日)のせいか、発表が早いものの、十分感染者を把握していない感じである。



Saudi Steps Up MERS Awareness Efforts as New Cases Escalate Wall Street Journal (米国) サウジアラビア、新規MERS感染者増加により、MERSに対する国内の警戒態勢を強化

 ・新保健大臣、MERSウイルスのラクダからの感染を強調。ラクダへの接触、生肉、生ミルク摂食に警戒。
 ・米国では最新の輸入感染者を確認。
 ・エジプトでは、保健省が2日、子供、高齢者、慢性心疾患および肺疾患を保有する人々のサウジアラビアへの旅行を警告した。

 エジプトでMERS死者発生の疑い
Egypt probing suspected MERS coronavirus death TrustLaw (Reuters、国際) エジプト、MERS疑い死者を検査中
 エジプトの港湾都市、Port SaidでMERS疑いで死亡者が出た。
 現在検査中とされ、もしMERSが確認されたらエジプトで初の死者となる。

 当局は先週、最近サウジアラビアからの帰国者がMERSを発症したことを確認している。
 現在、カイロで治療中である。


 サウジの病院検査技師がMERSに感染して死亡
KFH lab specialist dies of MERS Saudi Gazette (サウジアラビア) サウジアラビア、病院内検査技師がMERSに感染して死亡

 キング・ファード病院( King Fahd Hospital )は初のMERS死者を報告した。医療担当者がMERSウイルスに屈した。
 同病院の検査技師が発熱し、個人病院を受診したが、当初デング熱との診断で様子を見たが、次第に状態は悪化し入院したが死亡した。キング・ファード病院で検体を検査してMERSと診断された。
 
State officials: Man treated for MERS 'improving'  Chicago Tribune  (米国) インディアナ州保健局:MERS患者、回復中

Indiana health officials say no other cases of MERS have been reported since 1 ...  Fox News (米国) インディアナ保健当局:新しいMERS感染者は発生してない

 州保健局は新規のMERS感染者は報告されていないと報告した。

 州および連邦保健当局は4日、米国初のMERS発症者の状態は良好で、日々回復していると発表した。

 患者は未だムンスターのコミュニティー病院に入院している。

 患者が隔離される前に院内で接触した医療担当者は、一時的に家庭に自己隔離していて、健康状態をモニターしている。


4日

MERS情報
 新規確認例19人
 FluTrackers #484-498
    UAE症例は含まず


 サウジアラビア 
  サウジ保健省  5月3日分
   15人確認 (リヤド6人、メッカ4人、ジッダ5人)
    無症状 4人
    安定 5人
    ICU 5人
    死者1人
 
 アラブ首長国連邦(UAE)
  アブダビ保健局
  アブダビ 4人 安定





Indiana health officials: MERS patient improving NewsOK.com  (米国) インディアナ州保健局:MERS患者は回復しつつある

 インディアナ州保健局は3日遅く(現地時間)、ムンスターのコミュニティー病院に入院中のMERS患者は回復していると発表した。
 同日朝にCDCの代表が病院を訪れた。

Saudi Arabia reports 25 new cases of MERS; deaths stand at 109  Washington Post (米国) サウジアラビア、25例のMERS感染者を報告、死者数は109人に

 サウジアラビアは2日に7人、3日に18人のMERS感染者を報告。これまでで最も多い1日の感染者数となった。
 同国の総感染者数は396人、死者数109人となった。

 また2日には米国で初のMERS感染者が確認され(リヤドに滞在していた)、さらにエジプトも1日に、リヤドから帰国した男性がMERSを発症したことを報告した。

 以下略

ISDH: MERS victim recovering, condition improves  Chicago Tribune (米国)  インディアナ州保健局:MERS患者は回復してきている
 
 米国初のMERS患者が入院しているムンスターのコミュニティー病院では、患者の容態が日ごとに回復していると報じている。州保健局が発表した。


3日

 MERS情報

 新規例 18例
 FluTrackers  #466-483

 サウジアラビア 5月2日分、新規確認18例
  
   保健省 5月3日発表

   リヤド5例:40歳女性(患者から感染、無症状)、13歳少年(安定)、71歳女性(患者から感染、ガン治療中、ICU)82歳男性(患者から感染、基礎疾患、ICU)60歳女性(ICU)
   ジッダ7例:56歳男性(安定)、70歳男性(安定)、55歳男性(安定)、37歳男性(患者から感染、無症状)、55歳女性(安定)、25歳男性(死亡)、53歳男性(患者から感染、無症状)
   メッカ4例:28歳男性(患者から感染、無症状)、32歳男性(患者から感染、安定)、69歳女性(基礎疾患、死亡)、28歳女性(患者から感染、無症状)
   
アルマディナ2例60歳男性(ICU)47才男性(基礎疾患、ICU)


 コメント:患者から感染している例が多い。これは周辺の接触者での検査で分かったものと思われるが、医療機関を受診してない患者周辺での感染も気になるところ。ジッダでの25歳男性が死亡しているが、特に基礎疾患はない。




MERS: 5 things to know CNN (米国) MERS:知っておくべき5ポイント

 ・コロナウイルスである。SARSや風邪ウイルスと同じ仲間である。しかし世界で8000人以上に感染し、773人が死亡した2003年のSARSのように容易に人には感染しない--少なくともこれまでのところは。

 ・研究者はMERSウイルスの拡大様式について知らない。濃厚に接触した場合には人人感染しているが、正確な感染様式は未だ分かっていない。しかしその病原性が高いことから専門家は重大な関心を抱いている。

 ・ウイルスの感染チェーンの中にラクダが存在している。サウジアラビアの四分の三のラクダは過去にウイルスに感染した既往がある。またCDCはコウモリもウイルスを保有しているとコメントしている。WHOは先月、ウイルスが動物や環境から人に感染するようになった経緯は不明としている。

 ・ウイルスの感染力には季節的因子が関与している可能性がある。当局は今春のMERSの急増に注目しているが、昨年も春に感染者が増えた事実があることから、感染力には季節的因子があると推定することも可能としているが、今春の感染者の急増がウイルスの変異がもたらした可能性も否定できていない。

 ・MERSに対するワクチンも効果ある抗ウイルス剤もない。


 WHO、サウジアラビアのジッダで調査
WHO experts probe Middle-Eastern respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) in Jeddah, Saudi Arabia  WHO  WHO専門家チーム、サウジアラビアのジッダにおけるMERS感染状況を調査

 5月1日と2日(現地時間)、WHOの専門家チームがMERS発生以来最大の発生状況を呈しているジッダの大病院を中心に調査している。
 医療機関と市内でどのようにウイルスが感染し、拡大したかを明らかにすることが目的とされる。

 米国で初のMERSが確認

Mers outbreak: London-bound passengers warned over virus BBC News  (英国) MERS発生:ロンドン経由の航空機搭乗客、ウイルス感染を警告

 英国公衆衛生局は、ロンドン経由の航空機にMERS感染者が登場していたことから、旅行客に注意を促している。
 リヤドから英国航空262便に搭乗し、ヒースロー空港で乗り換え米国に行った搭乗客が米国でMERSを発症して入院した。

 当該客の周囲にいた搭乗客については当局で連絡したが、同便に搭乗して健康に異常を呈している人はNHS111サービスに連絡するように当局ではコメントしている。

 英国公衆衛生局では、感染の危険性は非常に低いと説明している。

First US MERS patient worked in Saudi Arabia healthcare  CIDRAP (米国、ミネソタ大学感染症情報センター) サウジアラビアで医療担当業務をしていた米国人が、米国初のMERS感染者に

 サウジアラビアで医療担当者として働いていた米国人が帰国後MERSを発症した。
 CDCが患者のプライバシー保護の立場から、性別、年齢、居住地については発表していない。
 ・患者の旅行経路:リヤド~ロンドン~シカゴ
 ・予防対策が推奨:ウイルスの正確な感染様式が不明なため、十分な予防対策が勧められる。
 ・発症前に他人に感染の危険性はある?:専門家はたぶん大丈夫と考えているが、正確には根拠は得られてない。
 
Case of suspected MERS-CoV detected on flight throught London
英国公衆衛生局(Public Health England)記者発表 ロンドン経由の航空機搭乗者がMERS感染
 英国航空便名を提示し、患者周辺にいた英国人に連絡をとり必要な予防策を講じた。
 他

UPDATE 3-First US case of deadly MERS virus confirmed -CDC Reuters  米国初のMERSが確認、CDC発表

 米国人の医療担当者がサウジアラビアを旅行して、米国初のMERS感染者となった。米国CDCが2日(現地時間)発表した。

 男性患者は4月24日、英国航空でリヤドからロンドンへ行き、そしてヒースロー空港で乗り換えて米国へ向かった。男性はシカゴまで航空機で向い、そこからバスでインディアナ州へ入った。都市名は非公開。

 4月27日、男性は発熱、咳、呼吸促迫のため、28日にインディア州ムンスターのコミュニティー病院を受診した。同日男性は入院となった。

 男性の旅行歴からインディア保健当局はMERSの検査、そして検体をCDCに送った。
 その結果5月2日に検体中にMERSコロナウイルスの存在が確認された。

 ウイルスは中国で2002-2003年に流行し、世界で800人が死亡したSARSに類似しており、2012年にサウジアラビアで初めて確認された。

 CDCの国立免疫および呼吸器感染症センターのアン・シュチャト長官は、電話会議で、米国初のMERS感染者について、その強い病原性から重大な関心をもっているとコメントした。感染者の三分の一が死亡している。
 さらにシュチャト長官は、一般社会にとっては非常に危険性は低いと説明したが、MERSは医療担当者間で感染が広がり、そして効果的治療法は知られてない。

 シュチャト長官は、患者は現在安定した状態にあり、また現時点で他に感染疑い者は見つかってないと説明した。

 CDCは患者の名前と治療施設を明らかにしてない。さらに航空便名とバス便名についても明らかにしてない。
 長官はCDCは国土安全保障省と連携しながら、患者と旅行中に接触した可能性ある人々の調査を行っている、と語った。

 英国の保健当局は、英国航空で患者の周辺にいた人々について調査していると発表した。

 シュチャト長官によると米国の例を含めて世界12か国で262人の感染が確認されており、その中で93人が死亡しているとされる。

 他略

Deadly MERS virus turns up in US for first time WCNC  (米国) 致死的MERSウイルス、米国で初の確認

First MERS case found in the US  Science News (米国) 米国で初のMERSが確認

 国立アレルギー感染症センターのウイルス学者であるビンセント・ムンスター(Vincent Munster)氏:
 ウイルスは容易に人人感染しない。
 一般の人々は現時点であまり心配しないように。

First Case of Deadly MERS Infection Found in US, CDC Reports  Businessweek  (米国) 米国で初の致死的MERS感染者が確認、CDCが発表

 下記報道と類似内容。
 追加内容:CDCは現在航空機とバスの同乗者で患者と接触した人々を調査している。年齢と性別に関しては非公開。

MERS makes first US appearance, in Indiana CNN (米国) 米国で初のMERSが確認、インディアナ州

 米国で初のMERSがインディアナ州で確認されたとCDCが2日(現地時間)発表した。

 米国公衆衛生局長官補のアン・シュチャト医師(Dr. Anne Schuchat)によると、患者はサウジアラビアで医療担当業務を行い、最近帰国した医療担当者である。

 患者は米国人男性で4月24日にリヤドからロンドン、そしてシカゴへ航空機で入った。そこからバスでインディアナ州へ帰った。
 男性は呼吸促迫、咳および発熱を27日から呈し始めたとインディアナ州保健局では説明している。
 患者は28日にインディアナ州、ムンスターのコミュニティー病院へ隔離入院、また男性は同日救急室を訪れている。
 男性は酸素吸入を受けているが、人工呼吸器は必要としてないと、シュチャト医師はコメントしている。

 シュチャト医師は、ウイルスは一般社会にとって非常に危険性は低いと説明し、容易に人人感染はしないとしている。
 
 CDC他の専門機関は航空機やバスで患者と密に接触した人々が感染する危険性が高い(ハイリスク)とは考えてはいないとされる。
 航空機やバスの同乗者は、CDCによる予防対策が3日から始まる。


2日

 H7N9感染者情報

  広東省
   広東省衛生出産計画委員会 中国語

  ・53歳女性、深セン市、5月1日確認、病状安定、深セン市の病院にて治療中



 MERS情報

  新規例8例
  FluTrackers  #458-465

  米国 1名
   CDCとインディアナ州保健局発表 FluTrackers  #465
   サウジアラビア、リヤドから帰国した医療担当者が発症
    27日帰国後発症(呼吸促迫、咳、発熱)。現在酸素吸入を必要としているが状態は安定。

  サウジアラビア 7名
   保健省

   リヤド:31歳女性、安定、感染者に接触、28歳女性、無症状、感染者に接触、28歳男性、安定、感染者に接触、50歳女性、ICU管理

   ジッダ:38歳女性、安定、28歳女性、安定、感染者に接触、60歳男性、ICU管理




Saudis report 10 more MERS cases; Jordan adds one  CIDRAP (米国、ミネソタ大学感染症情報センター) MERS10新規例がサウジから報告、ヨルダンは1例を追加

 3月末から急増しているMERSは5月に入った今日(5月1日)、サウジアラビアからさらに10例の感染者が報告され、またヨルダンから1例が追加された。

 またWHOがMERS発生の震源地となっているサウジアラビアのジッダにおける調査を開始したとの情報が入った。

 サウジアラビア保健省の発表によると、ジッダで4例、リヤドで3例、メッカで3例の感染者が確認されている。2人は無症状で6人は容態が安定しているが、2人はICUで治療を受けている。

 ヨルダンの感染者は、報道機関” Petra”によると、先に発病が確認されていた25歳男性(WHOが4月23日に発表した症例)から感染した医療担当者とされる。

 一方、WHOはエジプトでの初のSARS感染者を発表した。
 27歳男性でリヤドに4年間住んでいたが、MERSで死亡した叔父(4月19日死亡)と近所の感染者と密に接触していた既往があり、4月22日に体調を崩し、その2日後にエジプトに帰国した。そして26日にMERSウイルス感染が確認された、とWHOは伝えている。患者の容態は現在安定しているとされる。

World Health Organisation's tardy reporting of Mers cases criticised South China Morning Post (香港) WHOのMERS情報はもっと迅速にとの香港研究者が批判

 香港大学の感染症センター長官であるHo Pak-leung博士が、WHOのMERS情報に迅速性がないことを批判している。
 世界中で情報を迅速に得るためには、WHOが発信する最新のMERS状況が重要であるが、サウジアラビアで発生した事例が公式に発表されるのは遅すぎると批判している。

 WHOでは、発生した内容を当該国に確認する作業があるため、どうしても発生から発表までの時間的遅延が生じるとコメントしている。

Saudi Arabia Finds 26 More Cases of MERS, Egypt Reports First Sufferer Voice of America  (米国) サウジアラビア、さらに26人のMERSを報告、またエジプトでも初のMERS感染者が確認

 4月29日と30日にサウジアラビアは26人のMERS感染者を報告したが、累積感染者数が4月に2倍に増えた。
 5月1日にエジプトで初のMERS感染者が確認された。
 27歳男性であるが、サウジアラビアに住んでいたが、MERSで死亡した叔父と接触していた。先週帰国後、MERS感染が確認された。

 国際的にMERSに対する関心が大きくなっているが、理由は7月にラマダンで多くの巡礼者がサウジアラビアに集まるからである。

Saudi Arabia Reports 26 More Cases of MERS as Egypt Reports First Infection  TIME (米国) サウジアラビア、さらに26人のMERSを報告、エジプトで初の感染者が確認
 
 今週サウジアラビアは26人のMERS感染者を報告し、エジプトでも初の感染者が確認された。
 エジプトの例はサウジアラビアに住んでいた27歳男性で、最近MERSで死亡した叔父と接触していた。

 サウジアラビアではこれまで371人のMERSが検査で確定されているが、先月(4月)、89%急増した。
 その多くはジッダの3病院における発生による。

 これまで107人が死亡したが、ウイルスはSARSと同じグループに属し、ワクチンや抗ウイルス剤はない。
 研究者はウイルスがラクダ由来と考えている。


1日

 H7N9感染者情報

  江西省
  江西省衛生出産計画委員会 中国語

 ・23歳男性、鷹潭市、5月1日確認、病状安定、景徳鎮市の病院

  湖南省
  情報源 中国語

 ・74歳女性、岳陽市、臨湘市の病院にて治療中

 コメント;5月1日より上海の生家きん市場が再開されたが、市場に搬入される家禽はウイルス感染していないのか気になる。また感染者が出てくるようなら、市場の閉鎖もあり得るのかもしれない。確かに2月以降市場の閉鎖で感染者はほとんど出ていなかった。


 MERS情報 

 新規例11名
 FlutTrackers  #447-457

 ヨルダン
 新規感染者1名 サウジの感染者からウイルス感染、医療担当者

 サウジアラビア 4月30日集計 5月1日発表
  保健省MERSページ
  新規感染者10例

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リヤド:
 31歳男性(無症状)、50歳男性(ICU管理)、29歳女性(無症状)

ジッダ:
 50歳女性(安定)、53歳女性(安定)、55歳男性(安定)、75歳女性(安定)

メッカ:
 40歳男性(安定)、34歳男性(ICU管理)、49歳女性(安定)


 コメント:ジッダで重症例は報告されていないが、メッカでは明らかに以前よりも感染者が増えているようだ。本日発表分は、昨日(30日)集計分であり、本日の昼過ぎ(現地時間)にウエブで掲載されている。


 サウジアラビア保健省のMERSコロナウイルス情報ページ(英語)
  非常によくまとまった情報・啓発ページである。国際機関が相当サポートしているようだ。




 ヨーロッパCDC、MERS最新疫学情報を発表
Epidemiological update: Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV)
 ヨーロッパCDC 中東呼吸器症候群(MERS):疫学情報更新

 2014年4月30日の時点でのMERS感染者数424人、死者数131人 (致死率30%)
  *訳者注:MERS統計は各機関により若干異なっている。

Middle East
Saudi Arabia: 342 cases / 105 deaths
United Arab Emirates: 49 cases / 9 deaths
Qatar: 7 cases / 4 deaths
Jordan: 5 cases / 3 deaths
Oman: 2 cases / 2 deaths
Kuwait: 3 cases / 1 death
Egypt: 1 case/ 0 deaths

Europe
UK: 4 cases / 3 deaths
Germany: 2 cases / 1 death
France: 2 cases / 1 death
Italy: 1 case / 0 deaths
Greece: 1 case/ 0 deaths
 
Africa
Tunisia: 3 cases / 1 death
 
Asia
Malaysia: 1 case / 1 death
Philippines: 1 case / 0 deaths

 月別発生数グラフ
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 アラビア半島外で発見された感染者が辿った航路
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 WHO:MERS急増は気候が温暖になったせいで、ウイルス変異による可能性は低い-- SARSほどの感染力はない
WHO: Upsurge in MERS Corona Virus Due to Warmer Weather Voice of America  (米国) WHO、MERSの急増は温暖な季節に変わったためと説明、ウイルス変異によるものではない

 WHOはMERS感染者の増加と2,3の病院での集団感染は、アラビア半島が温暖な季節に入った理由が最も大きいと考えられると発表した。一昨年、昨年もこの時期に感染者数が増えたことも理由の一つとしている。
 人人感染が起きているが、その感染様式は良くわかっていないとしている。
 またかって中国で発生したSARSほど人には容易に感染しないとしている。

 訳者注:
 基本的に4月26日に発表されたヨーロッパCDCのリスクアセスメントと同じであるが、ウイルス変異はないとしても、温暖な気候のためウイルスの感染力が増していることは間違いはない。感染した人々がアラビア半島から海外にでて、他国で発病するケースは多くなる。そこで集団発生する危険性は、かってのSARSほど高くはないが、ウイルスはいつ変化してくるか分からないので、WHOはあくまでも”現時点では”という但し書きをつけている。
 人人感染の頻度は低いとしても、発病者が出た国では厳重に隔離、感染対策の必要がある。


 アブダビ、MERSは心配すべき状況にないことを再確認
Abu Dhabi reassures Mers not a public health concern  Emirates 24/7  (アラブ首長国連邦) アブダビ首長国、MERSは住民にとって心配すべき状況ではないことを再確認
 アブダビ保健当局は、連邦保健省と連携してMERSの警戒に当たっているが、再度住民にMERSは心配すべき状況にないことを保証した。


 ラクダが保有するウイルスが人から分離されたウイルスと一致
Study: MERS-CoV from Saudi camels matches human isolates CIDRAP  (米国、ミネソタ大学感染症情報センタ) 研究報告:サウジのラクダから分離されたMERSコロナウイルスは人から分離されたウイルスと一致

 米国とサウジの研究チーム。
 
 サウジの5匹のラクダからMERSコロナウイルスを分離。それらウイルス遺伝子が人から分離されたウイルスの遺伝子と一致した。しかし個々のラクダの保有する遺伝子内容には多様性があることから、ラクダから人に感染する率が予想外に低い理由が説明可能とされる。
 また研究チームはウイルスを培養株であるベロ細胞(アフリカ・ミドリザル由来細胞)で増殖させることに成功している。


 上海で生家きん市場が再開
生きた鳥の市場再開、感染増のペース鈍化 上海  MSN産経ニュース

 {中国上海市で1日、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染拡大を防ぐため1月末から閉鎖されていた、生きた鳥を扱う市場が再開した。

 中国での3~4月の新たな感染者はそれぞれ約30人で、2月の約100人と比べ増加ペースが鈍化している。3月以降に感染者が出ているのは広東、江蘇、安徽、湖南の各省など。今年の感染者は香港などを含め計285人で、103人が死亡している。

 市場関係者によると、市場で生きた鳥を売る業者の数は以前の6割に落ち込み、仕事を変えた人も多い。鶏を売る40代の女性は「客が来るか心配していたが、たくさん売れた。(市場閉鎖の影響で)損失が出たので、その分を早く取り戻したい」と意気込んでいた。(共同)}

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