2013/11/30

 H7N9ウイルス、青海湖から中国東部へ運ばれた。
 さらにシベリア、ヨーロッパ、中東、日本などへ渡り鳥で運ばれている疑いが浮上

 H7N9鳥インフルエンザに関して、本当に大きな事実が分かった。
 教えてくれたのはオピニオン欄に投稿してくれている髙橋雅人氏である。

 
春にH7N9が人の間で発生した時、中国農業省は国内における家きん、野鳥、豚のウイルス検査を広く行い、ほとんど検出されなかった。

 しかし、この10月に行われた全土の家きんの調査では、青海省の家きんで高頻度にウイルス抗体を検出した。
 青海省の家きんの16.6%が抗体陽性であるが、他省のほとんどでは全く検出されていない。
 集中して青海省の家きんで感染が起きていた事実は、それら家禽が春の東部中国地域での人での感染に関与していたことを示唆する。
 
 今回のデータを見る限り、仮説として青海湖周辺の渡り鳥から青海省の鶏がウイルス感染し、それは鳥類にとって弱毒性であることから、病的状態にならないまま、上海、浙江省周辺の生きた家きん市場に運ばれた可能性がある。

 先に中国の研究チームは、江蘇省と浙江省にまたがる太湖や長江周辺でH7N9鳥インフルエンザウイルスが、野鳥などの間で遺伝子交換を起こして誕生したとする仮説を呈していた。
 しかし今回のデータからは、遠い西の青海省から感染鶏が運ばれてきた可能性が示唆される。
 もし青海省周辺の渡り鳥からウイルスが家きんに感染したと考えるならば、ウイルスは先のH5N1鳥インフルエンザウイルスと同じく、北へ運ばれ、シベリア、そしてヨーロッパへと拡大している可能性がある。
 2005年青海湖周辺でH5N1鳥インフルエンザで死亡したとされる多数の渡り鳥の死骸写真

 今回のH7N9ウイルスは弱毒性であることから、H5N1のときのように感染白鳥が死亡して初めて見つかることはなく、家禽の間に広がり、そして人の感染死で認識される可能性がある。

 
もし青海湖の渡り鳥からH7N9ウイルスが広がったとしたなら、新たにパンデミックウイルス拡大の危険性が高まる。
  渡り鳥から感染した家きんは何ら症状を出さないから、それらを扱う人々、さらには家きん周辺からウイルスが拡大する危険性がある。
 
 ウイルスは人人感染する可能性は低いが、ウイルスが容易に野鳥から鶏に感染するとなると一大事である。

 下図は本年5月19日に作製した仮説図であるが、現在それは以下のように付け加えられる。感染家禽の存在する農場が不明であったが、それは青海省の農場である可能性が高くなったのである。



 問題はこの冬にシベリアから日本国内に到来してくる渡り鳥が、H7N9ウイルスを既に保有しているかということである。
 国内の養鶏場で感染が広がっても鶏が無症状となると、これは危険である。

2013/11/29

 
10月以降浙江省でパラパラとH7N9発病者が出始めている。
 気温が下がってきたことが、ウイルスの活動性が高まってきた理由と考えられる。
 今後、感染者数はどのように増えてゆくのだろうか。

 この春に発生した感染者数の推移をみると、当初の一か月間はパラパラであったが、その後急速に感染者数は増えてゆき2か月後にはピークとなっている。
 これを現在の状況に当てはめると、これから12月中旬、末に向かって感染者数が急速に増加してゆくことが考えられる。

 一方別な考え方として、ウイルスの感染活動性にもっとも適した気温が3月から4月であるとする仮説もあり得る。
 もしそうだとしたならH7N9ウイルスは来年の3月から急速に感染者数を増やすのかもしれない。

 仮説はあくまでも仮説であり、慎重に事態を監視してゆく必要がある。
 ウイルスの特性が未だ同じであるとは言えない。




2013/11/28

 浙江省で10月以降4人目のH7N9鳥インフルエンザ発病者が出た。
 57歳。
 中国のローカル紙が浙江省保健省の発表を伝えている。

 中国当局は先日、H7N9鳥インフルエンザ発症者は隔離必要なしと発表しているが、それはあくまでも人人感染しないからという理由である。
 発病者から大量に飛沫物を浴びた場合は、発病する可能性があるから、大手を振って隔離必要なしとは言えない。
 中国政府が国内向けに、パニックを起こさないように取り決めたものだろう。
 人人感染しないから隔離の必要はないよ、というのは論理的には正しい。
 
 しかし人人感染しないということが言い切れないから、その方策は正しいとは言えない。
 またウイルスは発生初期は妙に変異しやすいから、この春の情報、またはウイルス遺伝子分析を今後も適用するのは危険である。

 この冬にこのウイルスが日本に入ってくることはあり得る。
 ウイルスが今、どこに、どのような変異過程で存在しているのかは誰も知らない。
 誰も知らないのに知ったかぶりするのは危険である。


2013/11/27

 NHK NEWS WEB
{インフルワクチン効果低かった可能性} 

 これまた良くわからない報道だ。
 効果がなかった理由として、作製したワクチン用のウイルスの抗原が、実際の流行株と異なっていたからという。流行した主要株のH3N2香港型ウイルスの話だ。

 ”ワクチンは、インフルエンザウイルスを鶏の卵の中で培養して作りますが、昨年度流行したA香港型のウイルスは、遺伝子が変異していて、このウイルスを元にワクチンをつくっても必要な抗体ができにくいタイプだったということです。”

 意味不明が文章であるが、このウイルスとはどのウイルスを指すのか文法的に不明だ。
 ワクチンは流行前の6月頃から製造に入るとされているが、その時点では流行株は不明であり、予想して用いたワクチン作製ウイルスの抗原が、実際に流行してきたウイルスの抗原を異なっていたということだろうが、文章がおかしく、これはNHKの担当者が十分理解していなかったせいだと思う。
 ウイルスを増殖させている過程で抗原が変異したことが原因のようだ。
 今年は変異しずらいウイルスを増殖用に用いるという。

 それに対してコメントしている国立感染研の話もおかしい。
 ”ワクチンを接種しても油断はせずに、マスクや手洗いなど感染予防の対策を怠らないでほしい”
 マスクを感染予防として用いよ、と国立感染研の研究者がいうとは…。

 インフルエンザワクチンがどの程度実際に効果があるのか論議される機会があるが、製造中に問題も発生する場合があり、それも効果が落ちる原因となる、という話である。

 昨年のワクチンが効果が低かったというのは、既に米国CDCが発表している。
 そこでは前年度にワクチン接種していた場合は、さらに効果がなかったという、難しい話もしている。
 ”エッ、毎年接種しない方がいいの?”と言われたら困るから、NHKでは取り上げなかったとは思えないが(たぶん海外情報は知らないだろうけど)。
 なお、毎年接種するよりも、2~3年ごとに接種するのが良いという専門家もいる。


 間違った手洗いの指導方法

 両手から完全に細菌やウイルスなどを除去する手洗い方法と、生活の中で自分や他人に感染を広げないための手洗い方法は異なる。

 手術に際し、医師たちが厳密に手洗いを行うが、一般人がインフルエンザや感染症を予防するための手洗いはそれほど厳密である必要はない。
 インフルエンザウイルスが手に数十万個残っていたら危険であるが、数万個程度なら感染する危険性はない。
 ざっと手を流水で洗って、90%以上の汚物を落としたら十分である。
 そもそも、ドアノブなどにインフルエンザウイルスが数十万個以上付着しているというエビデンスはあるのだろうか?
 インフルエンザ患者が咳を自分の手掌で抑えて、その後にドアノブを握った場合、どの程度ウイルスが付着しているのだろうか?


 一方ノロウイルスは100個程度でも感染する危険性があるから、しっかりと数秒以上かけて洗う方が良い。
 よほど複雑に汚物に触っていたなら、手の甲や指の隙間に病原体が大量に付着していることもあり得るのかもしれないが、通常は、そこまで気にする必要はない。
 流水でモミ手洗いするだけで、大多数の汚物は除去される。

 重要なのは手洗いを必要に応じて行う習慣である。
 妙な石鹸を使って、術場の医師のごとく30秒間洗いましょう、等というと、手洗いの習慣はつかない。
 そんな手洗いを強いたら、公共のトイレなどの手洗い場には、日本中行列ができる。

 どこまで手指上の汚物を除去する必要があるのか?
 汚物識別試薬を使ってまでチェックする必要がある職種はあるかもしれないが、一般人(児童、保育園児などを含めて)には必要なない。

イベントレポート「正しい手洗いが楽しく学べる!インフルエンザ予防接種」 親も知らなかった、数秒のさっと手洗いでは不十分!

 どんな時に時間をかけて洗うべきかを考える必要がある。
 企業の宣伝が基になっている可能性があるが、そうした企業の社員、またはそうした企業の御用学者の後をついていって、トイレで30秒間手洗いをしているか確認すると良い。真実が分かる。
 (一日に数十回、30秒以上の手洗いを行っていたらどうなるか…)。

2013/11/26

 ここしばらくH7N9鳥インフルエンザとMERS情報が少ないようだ。

 MERSも大巡礼を終えてからスペインでの2疑い例以外報告はないようだ。
 H7N9鳥インフルエンザも11月上旬以降発生報告はない。

 しばらくは当ページも暇な状態が続くのかもしれない。

 少しづつ以前から勉強している別のテーマに頭を切り替えようかとも思っている。

 忘れたころに以前から支援していただいている方から支援金とメールが入る。
 以前に熱っぽくウエブの継続をメールで伝えてくれた多くの人々が去ってから久しい。
 今は徹底的に自分の資料として記録すべき情報に絞っている。
 長い論説等の全訳はするだけの気力がない。多くは意訳だ。

 閲覧者が少なくても、メールで暖かい言葉を寄せてくれる方々がいるうちは、少なくとも来春まで継続したいと考えている。

 各種パンデミック候補感染症、季節性インフルエンザに関して、科学的情報は全て一般人にも分かりやすい形で提供している自負は未だある。このようなウエブは海外でもないことは、某WHO関係者、某厚労省関係者からも伝え聞いている。
 日本では最も早い情報ページのはずだ。


2013/11/25

 インフルエンザワクチンの話。
 
 天下の朝日新聞も、単なる良心的な週刊誌・月刊誌に掲載するレベルの話を長々と伝えている。
 
インフルエンザワクチンは「打つべき!」か? asahi.com

 このようなタイトルで記事を作ってほしくないと思う。
 ”打つべきか”論争が未だ起きるレベルのワクチンが、インフルエンザワクチンであることを公表しているようなものである。
 インフルエンザワクチンは国が接種をした方がいいよ、と言っている、それだけでいいのである。
 そこで、本当に効くのか?などという記事を書きだすと、詭弁的文章の羅列になる。

 この記事も、書き手の性格からくる柔らかい内容になっているが、それでもインフルエンザワクチンをなぜ、書き手は勧めるのか曖昧であり、すべきでないとする専門家に対する批判的内容が中心となっている。

 内容は明らかに詭弁的なのだ。
 「老人ホームでのデータでは、ワクチンによる予防効果は30~40%に過ぎないとなっています。しかし入院するほどの重症化なら50~60%を予防して、さらに80%の死亡を予防したとなっています」、と大昔の米国医師会雑誌等の話を引用している。
 こんな書き方をしても一般の人々は全く分からないはずだ。

 予防効果とは、ワクチンをしなかった場合に比較して、した場合の発病率の低下率である。すなわちワクチンをしなった場合、100人中30人が発病したとして、ワクチンをしていた場合、9人から12人が発病を逃れる、または接種していても21人から18人が発病したということである。
 そもそも通常の季節性インフルエンザの場合、発病する人の数が非常に少ないから、効果の判定は非常に難しい。
 10%程度しか発病しない季節性インフルエンザを考えた場合、ワクチンの予防効果が70%だとしたなから、ワクチン無接種の1000人では100人発病し、した人たち1000人の中では30人しか発病しないというレベルである。逆の表現をしたなら、ワクチンをしなかった人たち1000人中900人は発病しなかったのに対し、ワクチンをした1000人中、970人が発病しなかったことになる。
 ワクチン接種した人の70%が発病しなかったということではない。
 (しなかった人たちの大部分も発病はしないのである)。
 予防効果は通常50~70%程度である。
 非常に紛らわしい話なのだ。
 しかしマスメディアは良くわからないから、ワクチンをすると予防できると短絡してしまう。
 一応厚労省筋では予防効果は期待できないと正直な話をしている。重症化を防ぐことができると。

 また詭弁的説明として、ワクチン接種で周辺への感染を防ぐ、または子供たちに接種して発病を防ぐことで、自宅へのウイルスの持ち込みを防ぎ、高齢者への感染を防止する、などということが良く言われるが、話がこんがらかって、実はまったく論理的でない話であるにも関わらず、一見まともに聞こえてしまう。(だって予防効果がないと国が本音を吐いているでしょう。だからこの話は矛盾しているのです)。

 また著者は米国CDCのまとめたという高齢者に対するインフルエンザワクチンの効果をまとめた表を掲載しているが、”相対危険度”などという統計学的表現をそのまま使って、一般人を煙に巻いているがごとき感がある。
 しかし、この表の意味するところは、ワクチンを接種していると、しない場合に比較すると、半数前後の人は発病しない可能性があるということで、ワクチンは絶対的ではないですよ、ということに過ぎない。
 ここでも問題となるのは、全体でどの程度の人々がインフルエンザを発病しているのかいうことである。
 もし5%程度の人ならば、ワクチン接種で2.5%に減ったということである。

 天下の朝日がこのような記事を掲載しているのは少々残念であり、提携しているニューヨーク・タイムズとは次元的に格差がありすぎる。

 なおついでに付けくわえておくと、治療効果などを客観的に評価しているコクラン共同計画という世界的プロジェクトがあるが、インフルエンザワクチンに対する評価は極めて低くなっている。
 これは英国を中心としたヨーロッパ系の組織であるが、米国医学信奉者の書き手は知らないのかもしれない。

 日本ではインフルエンザワクチンは厚労省が推奨しているから、多くの人々は接種しています、と表現するのにとどめておく方が利口なのかもしれない。

2013/11/24

 
インフルエンザワクチンに関しては、どうも科学性がない論説が多い。

 ワクチンは明らかに医学の問題で、そのインフルエンザワクチンはその効果に関しては、ワクチン大国の米国ですら論議が多い。
 米国CDCが昨シーズンのワクチン効果を発表しているが、流行主要株であったH3N2型に関しては有効率は異常に低かったとしている。
 さらに前年接種していた人々では効果がより低かったという結果も出ている。
 残存抗体が影響しているのだろうか?
 高齢者に対する効果が低いので、4倍濃度のワクチンも試みられている。

 産経ニュースで、”集団予防接種を復活させよう”とのタイトルでK氏の一筆多論なるエッセー風記事が掲載されている。
 妙に右翼的タイトルであるが、その根拠には科学性はない。
 海外主要新聞でも、インフルエンザ予防に関する記事や論説は出る。多くは専門ライターが執筆し、専門家のコメントを中心としている。米国も、英国も、カナダも専門家は国際的に知られている研究者であり、取材は主張が偏らないように複数以上の専門家に行われている。
 インフルエンザワクチンが効くかどうかはさておいて、新聞紙上で”…復活させよう”なるタイトルで記事が掲載されるのは偏向している。
 日本の厚労省筋が説明している、”予防効果ははっきりしないが、重症化は抑えられる”という文言を引用しているが、これも実は科学性がはっきりしていないことだ。

 ”ワクチンは効く”ありきからの論説は素人的すぎるのだ。
 未だにインフルエンザワクチンの効果が論議される実情は、効果が疫学的に明確でないからでもある。

 ヨーロッパでは米国のようにワクチン接種はメジャーでないようだ。


2013/11/22

 中国研究陣が
春のH7N9鳥インフルエンザ流行に関して、感染者の発生の地理的、時間的分析を行い、ヨーロッパCDCが発行するユーロサーベイランスに発表した。
 浙江省、上海、江蘇省などを中心に、2月から5月にかけて感染者が発生したが、その発生者の住んでいた地域、発生した日などを詳細に分析。
 未だ斜め読み段階であるが、内容の論理性とスぺキュレーションなど、まさに一級品であるが、著者らの名前を見ても、春から数々の論文を出してきた中国研究陣の精鋭たちが並んでいる。
 今回のH7N9鳥インフルエンザは、中国の研究陣の優秀性を世界に広める結果になったともいえる。
 日本では各地の(各大学の)研究陣が垣根を取り除いて、協同的に研究を推し進めることは稀であるから、中国に比較すると研究業績(論文)は廃棄物のように量産されるが、世界にとって有用なものは非常に稀である。


 昨日の話に続くが、地元の大手新聞が一面を割いてインフルエンザ予防の話題を専門家と称する人々の話を中心に昨日展開していた。

 悪の根源を見つけたような思いで記事を斜め読みしたが、その内容の非科学的なことといったらこの上ない。
 ワクチンは有効である。
 手洗い、うがい、マスク…。
 ヨーグルトは免疫を高めることからインフルエンザ予防に効果
  などなど。

 以下の文章。論理的に流れない。インフルエンザの予防効果の話の中で、マスクには予防効果は期待できなと明記しているが、文章はなんか変だ。
 {インフルエンザがはやり始めたら、人が多い場所への外出は、できるだけ控えたい。また、マスク装着も心がけよう。ウイルス感染を防ぐことはできないが、せきのしぶき(飛沫(ひまつ))を周囲に飛び散らさない効果があるからだ。}

 ワクチンを除いて科学的検証なしの話ばかり。
 社会に正しい情報を提供する新聞の役割を自ら否定しているような内容。

 インフルエンザワクチンの予防効果について、島国から外の世界での実情を知っているのだろうか?
 紹介されている専門家は、最近の米国CCCの調査報告を読んでいるのだろうか?
 外国通信社の記者たちは知っているはずだ。
 ワクチンは有効であるから、みなさん早めにしましょう、では大手スーパーの広告のレベルともいえる。
 
 免疫とは何なのか紹介されている専門家たちは知っているのだろうか?
 免疫が高まるからインフルエンザ予防効果がある、などという表現は、まさしく詐欺的表現である。
 昔から一般的に免疫が下がるとか高まるなどという表現が非科学の領域で使われてきているが、どのような状態が免疫が高まるというのか科学的には定義が無理である。
 ヨーグルトの中に免疫を高める物質があると表現した場合、免疫機構の中の何を活性化するのかが問題であるが、そう簡単に分析はできない。
 結果的に抗体ができやすい状態になるとしたなら、過剰な抗体産生で問題が起きることも多い(本当に抗体が産生しやすくなるなら)。色々な抗原(中には自分の体の中の細胞が持つ抗原もある)に反応しやすくなって、本当に頻繁に色々な抗体ができると、それは一大事でもある。
 寒風摩擦が強い体を作ると昔から言われている。これは体がそのように変化するのか、自律神経の反応がよくなることなのか不明である。この場合も免疫力が上がると言われれば、一般社会ではなるほどね、と思うに違いない。

 うがいという言葉は、欧米の教科書にはない。
 米国CDCのインフルエンザ予防方法にも書いてない。
 日本ではかって厚労省のページには書いてあったが、管理人がうがいの効果は医学的には検証されてなく、また欧米の教科書にも掲載されてないと言い続けてきた結果、国内でもうがいという言葉はインフルエンザ予防方法の中で使われることは減っている(特に公的機関では)。
 またマスクに関しても、その予防効果は認められていない。

 手洗いの効果は非常に難しい。
 いくつか検証されているが、その効果は微々たるものであるようだ。

 そういうことを言うと、インフルエンザに対する確固たる予防法はないのかということになるが、インフルエンザは予防できるという仮説自体が元々無理であったといえるかもしれない。
 予防できるのなら、既に抗体付着マスク(そういえば最近聞かなくなったなぁ、あれを一生懸命宣伝していた某専門家たちは儲かったのだろうか?)、プラズマクラスター、各種のうがい液などが出回って数年以上はたつのに、相変わらずインフルエンザは同じ数の感染者が出ている。
 いい加減、賢いマスメディアなら、インフルエンザ談義にまともな科学的話を持ち込んでもいいて思うが。

 現在間違いのないインフルエンザ拡大阻止方法は、感染者を隔離することである。言い換えるとウイルスを封じ込めることである。
 そうした方法が唯一の科学的インフルエンザ拡大防止方法である。
 また感染者がマスクを着用することも意義はある。

 この話も昨日に続くが、クレベリンガスを用いたインフルエンザの広い空間内における予防効果が確かめられたら面白いと思うが、この効果はたぶん、韓国のキムチをみんなで食べるよりは遥かに効果があるように思う。(韓国でキムチの成分の抗インフルエンザ効果を研究している人には申し訳ないが)。



2013/11/21

 その後中国のH7N9鳥インフルエンザ感染事例の報告はない。
 10月から11月初旬に4例が発生したが、突然銃声が途絶えたように報告がない。
 ウイルスと中国当局の間で休戦協定でも締結されたのだろうか?

 MERSは散発的に報告される。
 重症例ばかりで、以前、時々報告されだした無症状例や軽症例の報告は一切なくなった。
 昨日米国のワシントンポストが、サウジラビアは透明性ある情報の発信に努める必要があるとの論説を載せている。これは世界中の専門家の抱いている疑問でもある。

 冬に向かいつつある今、季節性インフルエンザが少しづつ流行に向かっているが、上記の2種類のウイルスがいつ世界中に飛び出すのか絶えず気になる。
 情報がないことは良いのであるが、逆に”情報がないという現状”の信ぴょう性に頭を悩ませる結果にもなる。

 季節がインフルエンザシーズに入ってきたことから、ウエブでも報道機関でもインフルエンザに関する記事を載せ出している。
 無理に記事を作るから、内容は大袈裟なものになったり、嘘だらけになったり、さらには妙にもったいぶった専門家の話が登場する。専門家と称する人たちの保有する情報は古いものばかりで、中国でH7N9が再流行しているから警戒せよなどとワンテンポ遅れたものもある。
 MERSに関して取り上げる専門家はいない。
 タミフルの早期使用などと、製薬会社の使い走りのようなことをいつも語る人もいる。

 マスク、消毒薬、空気清浄機、ヨーグルトなど、予防効果のはっきりしない代物に関する話が多い。それらは生活習慣の中で各自が考える”個人的予防法”の問題である。
 医療関係者が勧める場合は、企業と癒着している場合である。
 いつも企業の宣伝係りの話を聞いているうち、本人もそした製品が有効と信じてくるようである。

 国立機関の専門家は企業との接点が少ないから、正しいことを言っていると思うが、私的機関の専門家は、企業との癒着傾向が強いから、妙に医学的でないようだ。

 そうした中、大幸製薬のクレベリンが健闘している感がある。
 これは面白い製品であるが、試験管内または閉鎖的空間で有効であっても、実際に疫学的に有効性を示すデータが出てくるまで、医学の大台に乗りずらい。
 クレベリンを有効に使う方法を開発することが重要なのだが、そうした方向への研究がなされてないのは惜しい気がする。
 いずれにしても今年はインフルエンザが流行する可能性が高いから、そうした環境でクレベリンの有効性を示すアプローチがなされなければならない。
 ネパールの養鶏場やベトナム南部のアヒル飼育場等でH5N1鳥インフルエンザで多数の鳥が死亡している。こうした場所でクレベリンガスの効果が確かめられたら、世界的吉報となる。しかしこれらの家きん飼育場は閉鎖的でないから、フィールド・リサーチには工夫がいるかもしれない。
 以上は余談であったかもしれない。

 今、一番怖いのはMERSであることを国内で認識している専門家はいるのだろうか?
 WHOが緊張して情報収集しているのはMERSであるが、中国のH7N9も春は情報が透明だったが、この秋に入ってからは少し怪しい雰囲気がある。

2013/11/20

 
サウジで2例のMERSが報告。
 1例は死亡、1例は重体。

 いつもながら中東で報告されるMERSは中高齢者で基礎疾患を持つ患者が大多数。
 結果的に死亡例や重症例が多い。
 検査基準が重症例に限られているようだ。

 英国の研究チームのいうように、10倍前後の感染者が実際には出ていることは容易に想像できる。

 中東戦争のように、緩徐に広がったMERSコロナウイルスがそのうち爆発的に中東から広がるのだろうか?
 それとも中東で封じ込むことができるのだろうか?

 この冬から春にかけての疫学的情報で、あるていど判断はできる。
 中国のH7N9インフルエンザもそうではあるが。

地域での初期の発生では迅速に鑑別と診断はできないから、重症化ないし死亡は避けられない。
 巨大なルシアン・ルーレットか宝くじのネガチブ当選者か、という感じ

 

2013/11/19

 
日経メディカルオンラインに、東大医科研の河岡義裕教授の講演内容が掲載されていた。H7N9鳥インフルエンザウイルスは、人の呼吸器のリセプターに結合しやすくなっていて、フェレットの実験でも空気感染(飛沫感染)を起こす例がある。
 ウイルスはパンデミックを起こす能力が十分ある。このような内容である。

 春から研究者たちによって言い尽くされてきた話であり、同氏もこの内容を論文化して発表している。
 同教授は多国籍企業的研究家であるが、米国のマスメディアではウイスコンシン大学教授とされ(これはたぶん客員教授を意味すると思うが)、その研究は米国の研究チームの研究として紹介される。また同教授はワクチン開発の研究所も最近大学近くに設立しているはずだ。

 同教授は、遺伝子分析で、H5N1ウイルスが変異していて、パンデミックを起こす可能性が高まっているとする研究論文はこれまでもいくつか世界的雑誌に掲載している。そのたびに朝日新聞や読売新聞が報道している。

 直近の話では昨年、H5N1ウイルスを用いて遺伝子組み換え研究を行い、その危険性を世界の識者や研究者がら問われた。そのとき類似研究を行っていたオランダの研究者も論議の対象となっていた。
 これは世界的に話題を呼んで、海外では多くのマスメディアや通信社が伝えたが、わが祖国の報道機関は一切伝えていなかった。
 研究目的は、あくまでも現在のH5N1鳥インフルエンザウイルスの危険性を予知するために、どの程度遺伝子変異が起こると、人に直接危険なウイルスとなるかを評価するため、としている。あと数か所の変異がおこると、人類数百万人から数千万人の死亡をきたすパンデミックが起きると予想されている。

 しかし遺伝子分析結果で予知されたことが実際に起きたことは、この10年間なかった。
 研究は、理論の正当性を主張するためのデータ作りが目的で、変異したウイルスを用いてワクチンを製造することも目的となっている。

 危険なウイルスを試験管内で作製することは、dual-use研究(二重利用、軍用にも民生用にも利用可能)とされ、また研究者はそれなりに多額の利潤を得る。

 同教授がH7N9はパンデミックを起こす危険性を起こすと語っているが、同様のことは中国の研究陣も香港の研究陣も早い段階から警告していることだ。

 ウイルスの遺伝子学的分析では危険であっても、疫学的にウイルスの広がりが見られない限り危険性は低い。
 人の上気道のリセプターにH7N9ウイルスが吸着しやすくなると、人人感染が起こりだし、感染者はうなぎ上りに増えだす。
 現在、感染者は増えだしているのかが問題であるが、それよりも、当ウイルスがどこで増えているのか、どの動物が感染宿主となってウイルスが増えているのかは全く不明である。
 生きた家きん市場の鶏から感染したとされるが、農場の家きんや野鳥からは一切ウイルスは見つかっていない。

 Dual-use研究の結果、妙なウイルスが作製され、それが接種された家禽から人への感染が起きている、とする映画も可能かもしれない。

2013/11/18


 インドネシアで主婦がH5N1鳥インフルエンザで死亡した。
 診断まで時間がかかったようだ。
 インドネシアのH5N1鳥インフルエンザ致死率は80%を超える。
 早期にタミフルを投与すれば助かるはずだが、そのためには迅速に医療機関に運ばれ、24~36時間以内にタミフルを投与する必要がある。

 このウイルスが人人感染しはじめたらこの世の地獄となるが、幸いにして未だに人への感染性は弱い。


2013/11/17

 
クエート保健省がMERSの拡大対策は十分行われていて、心配はないと国民に発表した。
 
先に水面下で噂されていた主治医感染の話題はその後出てこない。

 保健省の正式発表がどこまで事実に忠実なのかは不明であるが、下記の論文でも1例の公式発表には5〜10例の感染者が隠れている可能性があるとの推測もあるので、真実は不明である。医師も含めて周辺の疑い者のウイルス検査が行われたのかも不明。
 健康な成人は感染しても軽症で終わるので、発熱してもすぐに解熱して元気になれば、ウイルス検査は行われないのかもしれない。

 すべてを公式発表に委ねるならば、世の中、非常に楽に生きれる。
 公式発表がどのようにして内容が作られ、一般に発表されるかに疑いを持ち出したら切りがないかもしれない。

 権力者側の公式発表とそれをただ伝えるだけの報道機関だけからしか情報を得られなくなったら、それは中国や北朝鮮レベルになるだけである。
 日本や国際社会はそんなことないよ、というなかれ。
 
 いかに真相が隠されているか、ときどき暴露されている。


 インフルエンザワクチン接種の伝説

 
ワクチン接種の季節がやってきた。
 行政的には高齢者の接種には助成金を出すなど、従来からの方式に変更はない。

 それとは別に米国などではインフルエンザワクチンの有効性に関する研究論文が相次いでいる。
 米国CDCの判断では予想外に有効率が低いとの悲観的調査結果も出ている。
 有効率が60%~70%。
 この意味はワクチンをしない人が発病する割合が接種によって減少する割合である。
 ワクチン無接種で発病する人が30%いたとするなら、ワクチン接種で12%~9%に発病者は減少する。
 しかしワクチン無接種で発病する人が20%程度なら、8%~6%程度の発病者に抑えられるという推定である。
 簡単に言えば、ワクチン接種しても半数弱の人が発病する可能性があるということになるが、高齢者での有効率はさらに低いようだ。
 だから米国では65歳以上の人は4倍濃度のワクチンをオプションで選ぶことができるようになっている。

 可笑しい話になるが、行政的にインフルエンザワクチンの有効性が説かれ、保健所の保健師たちがワクチン接種の啓発をしていても、行政的に接種の有効性が不明であることを了解のうえ、希望者だけに接種というような通達がお上から下ると、とたんに保健師たちは態度を豹変させて、接種の意義はあまりないようですか、無理して接種しなくてもいいですよ、と啓発内容を変えることになる。

 ワクチン接種を専門にしていたかっての小児科医の多くは現行のインフルエンザワクチン無効論を説いているが、ワクチン有効論を説いている医師の多くは、国の御用学者に近い。

 直近の米国におけるインフルエンザワクチンの効果報告

2011-12 flu vaccine effectiveness low, especially in repeat vaccinees CIDRAP (米国、ミネソタ大学感染症情報センター) 2011-2012年インフルエンザシーズンでのワクチン効果は低かった、特に前年ワクチン接種者では著明に低下
 米国CDC等の専門家チームでの研究発表。Clinical Infectious Diseasesに発表。

 2011-2012年シーズンにおけるインフルエンザワクチンの予防効果は47%と低くかった。H1N1pdmに対しての効果は65%であったが、流行主要株であったH3N2株に対しては39%と低かった。
 B型に対しては、58%であったが、ビクトリア株に対しては52%と低く、ワクチン株に含まれていなかった山形株に対しては66%であった。

 また研究チームは、前年ワクチンを受けていた人に対する予防効果は33%と著しく低く、受けてなかった人に対する56%との間に有意な差を認めている。

 同論文に対するコメントとして、ワシントン大学のカスリーン・ノイジル医師は、類似の結果を認めて本年の2月に発表したとしている。

 研究チームでは、毎年頻回に接種されるインフルエンザワクチン株、または自然なインフルエンザ感染と、我々の免疫システムとの間で起きる複雑な相互作用に関して重大な疑問が生じている、としている。


 下のような馬鹿げた話題が平気でマスメディアに載るのも、脳天気ジャパンならではのことだ。メディアで作った話なのだろうが。
 
 インフルエンザの予防接種を断る社員 業務命令違反で処分できるか?  J-CASTニュース
 会社で強制接種?
 ワクチンよりも咳エチケットの学習の方が会社では有効ではないの?
 ワクチン=有効、と信じ切っている成人層はどれだけいるのだろうか?


2013/11/16

 
久しぶりに長い論説を訳した。
 カナディアン・プレスの、先に英国とフランスの研究チームが発表した、MERS発症者は実際の数よりも5~10倍はいるとする論文の解説である。
 いつもながら思うのであるが、カナディアン・プレスの掲載する論説は内容が深く、しかし一般人にも理解しやすいもので、なおかつ迅速性があり、国際的専門家の意見を電話取材している。
 我が国の一流と言われる新聞社は、言われるまでもなく国内で一流であって、内容は偏向的で、かつ国際的専門家に電話取材などはできない(これは不思議だと思う。記者さんが英語ができないということもあるかもしれないが、それよりも読者は日本語を読む日本人だけという甘え、または新聞社としての驕りがあるのかもしれない)。

 国内の医学雑誌でもこれほどの内容を迅速に解説できるものはない。
 論文を読み、そして解説を1週間以内に掲載することは専門誌では無理であり、また国内の医学雑誌では、そこまで時間を割いて原稿を書く専門家はいない。

 この英国のファーガソン博士の率いるチームの論文は多くの示唆に富み、現在、MERSコロナウイルスが緩徐に人人感染で広がっている可能性を数理学的に解析している。
 ファーガソン博士は以前、H5N1鳥インフルエンザが人人感染するようになって地域で広がった場合、どのようにタミフルを住民に供給して抑え込むか、数理学的に解析して発表したことでも有名な研究者でもある。

 WHOの専門家もコメントしているが、多くの感染者が見逃されている可能性は否定していないようだ。

 ファーガソン博士や他の専門家の意見では、MERSは緩徐ではあるが人人感染で拡大しつつあるとしている。

 苦労してまとめたので、一読することを勧める。無料である。


 季節性インフルエンザの季節になった。

 そのうち特設ページでもと考えている。

 現状:
  米国、カナダ:少しづつ感染者数は増えているが流行域には入ってない。
           分離されるウイルス株はH3N2(香港株)とH1N1pdmが半々のようだ。
  参照:米国CDC、カナダ保健省

  中国、香港:南中国と香港では少しづつ感染者数は増えている。分離株はH3N2が多い。
  参照:中国保健省、香港健康保護庁

  日本:45週(11/4-11/10)で定点0.11人と流行域には程遠いが、少しづつ感染者数は増えてきている。分離されて同定された株は少ないが、AH3(香港株)とAH1N1pdmが若干、そしてB型も出ている。
  参照:厚労省&国立感染症研究所


2013/11/15

 
カンボジアでH5N1鳥インフルエンザ感染者が相次いでいる。
 また2例報告されたが、成人例は死亡していて、3歳男児は重体とされる。
 2例とも病的または死亡した家きんとの接触例があり、たぶんそれらの家きんからH5N1鳥インフルエンザウイルスが感染したとされる。

 かってベトナムやインドネシアで周辺の家きんが感染していることから、無防備な住民への感染と死亡が相次いだ。その後住民への啓蒙活動で感染者は減った。
 インドネシアでは家きん処分場の郊外への移転、街中での生きた家きん市場の禁止なども功を奏したようだ。

 しかし、カンボジアでなぜ今になって人での感染例が増えているのか?
 周辺の家きんが多く死亡し、それらから感染したと推定される、とのコメントがWHOや同国保健省から出される。
 なぜ、今になって家禽でのウイルス感染が多くなっているのだろうか?
 謎である。これがパンデミックを起こすと世界で数千万人、日本で100~200万人の死者がでる、と言われ続けてきている。

2005 – 4 cases                     2010 – 1 case

2006 – 2 cases                     2011 – 8 cases

2007 – 1 case                       2012 - 3 cases

2008 – 1 case                       2013 – 26cases

2009 – 1 case    
              

 いくつかの鳥インフルエンザウイルスが人への感染力を強めているが 、最近台湾で明らかになったH6N1鳥インフルエンザウイルスも人へ感染しやすくなる可能性があり、このウイルスもパンミック予備軍としてフォローする必要があると、発表した台湾の研究チームが警告している。
 H5N1、H7N9、H6N1…。   


 クエートで2例のMERSが報告されている。
 1例の周辺で医師が感染したとの情報も出ている。
 これは医師たちが自己報告しているもので、現在ウイルス検査が行われているようだ。
 同国保健省からの正式コメントはない。

 主治医が発熱し、インフルエンザ様症状を呈したというもので、自分で家で自己隔離しているようだ。
 実際にウイルス感染しているのかどうかは不明であるが、クエート保健省の発表も迅速性と具体性に欠いているため、確実な情報が出るには時間がかかるのかもしれない。
 情報はFluTrackersの中で得られるが、英文である。

2013/11/14

 クエートでもMERSが確認された。
 患者は重体とされるが、国営通信の発表では詳細は不明である。

 しかし国際感染症学会のメーリングリストであるProMed-MAILへの投稿では、現地の報道機関の情報として(アラビア語)、主治医である女医が発熱して感染した疑いがもたれている。
 どこまで検査体制が整っているか分からないが、クエート保健省のコメントではやや不安要素が感じられる。
 医師も含めて医療関係者が患者から感染した例はサウジの病院でもあるが、その実態は詳細になっていない。

 2003年の中国から香港に波及したSARSでは、香港の医療関係者、さらにベトナムのハノイの病院の医師などが感染したことは広く知られている。
 現在、医療機関で発生した場合、どのような感染防御策が必要かWHOや米国CDCではマニュアル化しているが、MERSコロナウイルスに関する知識や経験がない医療機関が、ある日、突然患者を経験すると、まずナースや医師たちが感染する可能性が非常に高い。

 さてMERSはどうなるのだろうか?
 20年以上前の世界なら情報網が今ほど発達していなかったし、また医療機関での検査体制、さらにはウイルス同定法などもなかっただろうから、このような新興感染症は世界的に広がりだしてからWHOなどの専門機関は初めて認識したと考えられる。
 現在がそうした時代なら、まだまだMERSは世界的に知られていないのかもしれない。
 そして知られだすのはパンデミック直前になってからだ。
 それまでウイルスが自動的消滅したら、世界は何も分からないままに終わるが…。

 その後クエート保健省から2例目のMERS感染者が報告された。
 海外旅行からの帰国者とされるが、詳細は不明だ。

2013/11/13

 英国とフランスの研究チーム。

 MERS感染者は実際の5〜10倍に上ることが示唆。
 重症患者だけが検査を受けていることが理由。

 1人の患者周辺から5~10人の感染者が出ている可能性。

 人へのウイルス感染は動物と人から起きていると推定。

 それは以前から当方も予測している。
 実際の感染者数は1000人以上。死者数は2~3倍、すなわち100人台。

 MERSに関して、いくつかの研究が発表されているが、その示唆することは多様。
  ・ウイルスは人人感染するほど、人への感染性は高くない。パンデミックを起こす可能性は低い。
  ・ウイルスは細胞培養で人への感染性は高いことが立証。パンデミックの危険性は十分ある。

 今回の研究報告で、MERSコロナウイルスは予想外に広がっている可能性が示唆される。

 パンデミックは予知することが難しい。
 ウイルスの性状だけからなかなか判断できない。H5N1が良い例。
 実際に感染が広がってからの判断しかないのかもしれない。
 

2013/11/12

 サウジアラビアでMERSを発症した男性の所有するラクダからウイルスが検出(ラクダも感染)されたと発表された。
 発症者が感染ラクダからウイルス感染した可能性が高い。
 ラクダから直接ウイルス感染した可能性が示唆されたのは初めてであるが、この事実から全ての感染者がラクダから直接感染したとは言えない。

 コウモリがウイルスを保有し、ラクダの食べる植物や、人の接する何かにウイルスを汚染させているという考えが主流となっているが、その何かは未だ明確になっていない。


 
国内で季節性インフルエンザが散発的に発生している。
 まだ流行株は明確でないが、香港や南中国ではA(H3N2)も若干出ているようだ。
 いわゆる香港株のA(H3N2)はA(H1N1)に比較して重症化しやすい。

 グーグル社のインフルトレンドは数年前からサービス提供されているが、インフル、風邪、そしてこれに関係する検索用語でのアクセス数から、各地域のインフル流行状況を推測するものだが、Natureにその詳細と実際の流行との高い相関性が論文として発表されている。
 かなり正確に流行状況は示されている。

 
現時点では流行の予兆はなく、昨年と同じ軌跡を描いている。
 12月中旬から下旬にかけて流行期(定点平均1.0人)に入るものと考えられる。



2013/11/11


 特になし

2013/11/10

男児の感染源は謎?
 
 3歳男児がH7N9鳥インフルエンザに感染した中国広東省東莞市内の家きんでウイルスが検出されなかったことが、同市農業局の調査で判明したことが地元の報道が発表した。

 175検体を調査したがウイルスは家きん検体で確認されなかった。
 男児はどのようにしてウイルスに感染したのか謎であるが、生きた家きん市場で感染したと推定されている。

 春から感染者たちの感染経路は生きた家きん市場とされているが、周辺の家きんからウイルスが検出された例は非常に稀であり、人へウイルス感染を起こしている媒体として家きん以外の存在も推測されているが、多くの調査や研究で、未だ明確になっていない。
 4月に中国農業省は全土の家きんや野鳥、さらには豚などを対象にH7N9ウイルスの存在を調査した。
 その結果一般農家や野鳥からはウイルスは見つかっていない。

 ウイルスはどこから来たのか?未だ憶測だけで、具体的には判明していない。
 こういう状況であるから、H7N9ウイルスが国外で感染活動を起こすことは完全に否定できない状況といえる。
 う~ん…。

 ウイルスは自然過程で浙江省周辺で誕生したのか?
 それとも人為的に作製されたウイルスが、どこかで出荷家禽に感染させられているのだろうか?

2013/11/9

 カンボジアでまた子供がH5N1鳥インフルエンザに感染した。
 本年24例目である。半数が死亡している。

 少年はタミフルで治療されているが、重体とされる。
 首都プノンペンの病院の濃厚治療室に収容されているようだ。

 カンボジアでH5N1鳥インフルエンザ感染者が今年は多く、それも大多数が子供で半数が死亡していることは、当ページで何度も伝えている。
 子供が感染しているのは、周辺で家禽が多数死亡していることから、それらに触れて感染していると考えられるが、かってインドネシアで多数の人感染が起きていたとき、子供の感染率は低かった。
 カンボジアでのH5N1鳥インフルエンザは変なのである。
 このウイルスが一気に日本に運ばれてこなければ良いが。

 カタールでMERS発症者が報告された。
 ウイルスがどこに潜んでいるのか不明なままにアラビア半島でMERSが広がってゆくのは不気味である。

 中国のH7N9鳥インフルエンザ。発表状況が気になる。
 
今秋、浙江省で3例目となるH7N9鳥インフルエンザ感染事例が中国保健省から正式に発表されていない。
 香港と台湾の保健省には通知されているが、報道には発表されていない。
 広東省の男児例は発表されている。

 予想では浙江省でさらに感染者が出ていると思われるが、発表が中止されているとなると危険である。

 浙江省
  10月8日入院
  10月18日入院
  10月31日入院

 広東省
  10月31日入院

 
10月に入ってから散発的に、地理的にも離れた場所で感染者が出ているが、実際には多数の感染者が出ているか。これから出てくる可能性が高い。
 
春の流行の始まりを見ると、一気に増えてくる。
 春の流行した時期は4月であり、気温が上昇していったから、ウイルスの感染活動は弱まっていったと推定される。
 しかし、今回は一気に冬に向かい、気温が下がってゆく。
 H5N1鳥インフルエンザのデータでも、発生のピークは1月である。

 中国当局が春と同じく、迅速な情報公開を続けてくれることを望むが、政情もやや不安定となっていることが気にかかる。


2013/11/8


 アラブ首長国連邦で男性がMERSを発症しICUで治療されている。
 オマーンの男性であるが、首長国に滞在していて、10月に呼吸器症状が出てきて悪化していたようだ。

 中国で浙江省の女性と広東省の幼児がH7N9鳥インフルエンザを発症して6日に明らかになっていたが、情報は香港の報道機関によるものが早く、そこには香港の健康保護庁に本土の保健当局から伝達されたとなっていた。
 また同日遅くにWHOからも情報が出たが、正式に中国保健省からは報道機関い発表されてなかったようだ。

 そのために時事通信は次のような報道内容を流している。
 浙江省で鳥インフル感染者=地元当局、発表せず-中国時事通信
{世界保健機関(WHO)は、中国浙江省の女性(64)が新たにH7N9型鳥インフルエンザに感染していることが確認されたと、6日付で発表した。同省での感染確認は10月中旬以降3人目。中国本土の感染者は139人(うち45人死亡)となる。ただ、7日夜時点で、同省は発表しておらず、中国メディアも報道していない。中国当局の情報公開姿勢が後退した可能性もある。
 WHOによると、女性は農業に従事し、有力な感染源とみられる生きた鳥にも接触。10月30日に発病し、病状は重い}

 広東省、そして浙江省と立て続けにH7N9が発生していることに、国内の反応はほとんどないことが疑問であったが、報道機関への正式な発表がなかったとなると、時事通信の懸念するように、中国当局の情報公開姿勢が後退したか、または組織が疲弊したのかもしれない。

2013/11/7

 スペインでサウジアラビア帰りの67歳女性がMERSを発症した。
 重症肺炎を起こしているが、状態は安定しているという。
 10月中、サウジアラビアに滞在していたが、大巡礼の集団の中にいたかは不明。-->その後、大巡礼参加者であったことが判明。

 さらに周辺にウイルスが広がっているのかが問題であるが、それについては情報は出ていない。

 サウジアラビアで感染して国外で発病したケースは、英国、ドイツ、フランス、イタリア、チュニジアであるが、そこで周辺に感染が広がった事例はフランスだけで、病室での感染であった。
 これまでは大量のウイルスを浴びて人人感染が起きると考えられてきたが、市中での感染が広がると、それはウイルスが人への易感染性を獲得した証拠と考えられる。そうなるとパンデミックへ移行する可能性が高い。
 患者は現在マドリッドの病院で治療中とされ、もし院内感染が起きたなら、病院の責任となるから、国としても一級病院で治療していると思われる。

 
その後WHOが大巡礼参加者であったことを、カナディアン・プレスに情報を提供した。
 
今後、他の国々からも報告が出てくるかが気になる。


2013/11/6

 
カンボジアでH5N1に女児が感染して死亡。中国でH7N9に男児ともう一人が感染。そしてサウジアラビアではMERS死亡例が報告。

 突然気になる3種類のウイルス感染報告が相次いだ。
 これは不吉な前触れなのかは分からないが、3種類のパンデミック候補ウイルスは冬を前に感染力を高めてきている可能性がある。

 パンデミックは社会の中で死語化している雰囲気を感じるが、中国のH7N9は今後相次ぐことはほぼ間違いのないことである。

 国内の公衆衛生関係者が警戒感を高めてくれていると良いのだけど、上部機関からの通知待ちで、この世の春を楽しんでいる公務員には期待はできない。


 
今回の中国のH7N9鳥インフルエンザの再発生に関して、予想外に国内メディアは反応ないようだ。
 NHKは報道しない。
 地方紙は反応なし。
 読売や朝日は掲載しても簡単な内容。
 
 H7N9が中国で多少起きても、春の経験から、あまり重要ではないと結論を各社は出しているようだ。
 春は結構心配したのになぁ?とその姿勢に疑問に思う。

 なお、浙江省でもさらに感染者が見つかっているとのWHO関係者のつぶやきが流れている。-->その後正式に中国が発表との情報。64歳女性で重体。

 集団発生でもすれば報道は取り上げるのだろうか?

 米国のメディアも同じようだ。
 ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト等の一流紙も、H7N9の再発生に関して全く論じていない。
 間違いなく迅速に報道しているのは、中国国営通信の新華社である。

2013/11/5

 カンボジアでまたもやH5N1鳥インフルエンザの感染者が出た。いつものように幼児であるが、今回は死亡している。
 2歳女児が発熱と呼吸困難で祖父母の家で、周辺で死亡していた家禽から感染したと推定されている。
 今年度23例目。そのうち12例が死亡している。大多数は小児である。

 今回の女児は10月15日に入院して翌日に死亡しているが、明らかに手遅れの状態で病院に運ばれている。
 カンボジアにおける医療体制の遅れと、H5N1鳥インフルエンザの怖さを感じさせる。要するに早急に抗インフルエンザ薬を投与しないと重症化して死亡する。

 今年度は世界で発生しているH5N1鳥インフルエンザの8割前後がカンボジアで占められ、その死亡率は5割を超える。
 なぜ突然カンボジアで感染者と死者が増えているか十分な説明はないが、かって小児が多く感染していたエジプトからの報告は非常に少なくなっている。
 エジプトでは小児が感染しても、多くが軽症であり、成人では重症化して死亡している。
 鳥インフルエンザは、中国のH7N9も含めて多くの謎があり、単なるインフルエンザとは本質的に異なっている。言ってみれば、悪魔のインフルエンザである。

2005 – 4 cases                     2010 – 1 case

2006 – 2 cases                     2011 – 8 cases

2007 – 1 case                       2012 - 3 cases

2008 – 1 case                       2013 – 23 cases

2009 – 1 case                      


 中国H7N9鳥インフルエンザ、この秋3人目の感染者が確認
 10月に入って浙江省でH7N9感染者が2人確認されているが、広東省でも幼児の感染が確認されたことが夕方に情報が入った。
 インフルエンザ様症状で病院で検査を受けたが、PCR検査でH7亜型陽性で、翌日H7N9ウイルス検査が確認されたようだ。
 本格的に感染者が多発するのかもしれない。
 
 日本国内でもインフルエンザ様症状の患者でH7亜型検査を行うのだろうか?


2013/11/4


 三連休の最後である。
 北海道は完全に晩秋モードに入ってきた。

 季節性インフルエンザは北半球のどこも流行の兆しはないようだ。
 国内でワクチン接種が静かに始まっている。
 米国やカナダからは、ワクチン接種による効果について時々論文が出るが、それはインフルエンザワクチンの効果の危ういさが未だに問われていることかもしれない。


2013/11/3

2013/11/2


 インフルエンザ予防に、非常に正当なアドバイスがされているウエブを見つけた。
 たいていのアドバイスは企業の製品や商品等の宣伝につながるものが、国内ではほとんどであるが、この"The PAGE”のアドバイスは、非常に正当で、役立つ内容となっている。
 このページでお借りすることにします。

インフルエンザ「接触感染」に注意/職場での予防ポイント The PAGE
 {東京都の小学校でインフルエンザによる今年始めての学級閉鎖が実施されるなど、今年もカゼの季節がやってきました(感冒やインフルエンザなどのウイルス感染症を総称してここではカゼと呼びます)。日本ではカゼの感染予防策として、うがいや手洗いが推奨されているのですが、これだけでは必ずしも十分な予防法とはいえないかもしれません。


キーボードの汚染度はひどい

 もちろんうがいや手洗いはカゼの予防に効果があります。しかし多くの人が見逃しているのが、手や指を介した接触感染で、実はこのルートによる感染率はかなり高いといわれているのです。2002年に中国で新型肺炎(SARS)が大流行した際には、国際保健機関(WHO)が中心となって感染ルートの調査が徹底的に行われました。その結果、主要な感染ルートの一つとして浮上してきたのは、不特定多数の人が触るエレベータのボタンや地下鉄の吊革でした。

 人間は知らず知らずのうちに、何度も手を口や目に持って行く動作をしています。エレベータのボタンなどで指に付着したウイルスが口や目から体内に入ることで感染が引き起こされるというわけです。せっかく外出から戻って、手を洗い、うがいをしても、その手でビル内にあるエレベータのボタンを触ったり、ドアノブを触ってしまっては意味がなかったわけです。

 米国のニュース番組において、風邪の予防策として真っ先に取り上げられているのはこうした接触感染です。カゼが流行する季節には、会議で紙を回し読みしたり、パソコンを他人とシェアすることは控えるよう呼びかけています。パソコンのキーボードは汚染度がひどく、定期的にキーボードを消毒するだけでもかなりの効果があるそうです。くしゃみをしたり咳をした際、口を押さえた手でそのまま他人のモノを触るという行為は控えた方がよさそうです。


トイレの電灯ボタンをめぐる出来事

 昨年の冬にはちょっと笑えない話もありました。東京都内のあるオフィスビルでは、節電ということでトイレの電灯が消されていたのですが、そのトイレは窓がなくあまりにも暗いことや、電灯のボタンがインフルエンザの感染を媒介するということで、ある企業がせめて冬場だけは電灯を付けっぱなしにするよう提案しました。

 しかし、皆で節電に協力している時に不適切だとして、その提案は一蹴されてしまったというのです。もちろん節電は重要なことなのですが、こういった場合にはヒステリックにならず、それぞれのメリットとデメリットを十分に比較検討してから判断を下すべきといえるでしょう。

 もちろん接触感染への対策を十分に行ったとしても、完璧なわけではありません。たっぷりと休養を取って、体調を維持することが最大の感染予防であることに変わりはありません。}


2013/11/1

 
ウエブ閲覧者も非常に少なくなっている。
 かって頻繁にメールでウエブの継続を希望していた方々からの声が聞かれなくなって久しい。
 誰もが不安を感じているときには、こうした情報ページを必要とするのだろうが、不安が去ってしまうと、情報は必要となくなる。それは致し方のないことだろう。

 こういう時期にこそ、いろいろな意見を聞かせてほしいとは思うのだけど…。数人の方々からは暖かいメールなどが来るが、かって熱心だった企業関係者などは音信不通だ(苦笑)。
 当ウエブを一旦中止すると、たぶん再開はないと思っている。
 ウエブ維持のための情報収集をやめてしまうと、管理人の情報袋に欠落が出来てしまうからだ。

 情報収集のための数時間が別なことに割り当てることができるなら、すぐにでも取り掛かりたいライフ・ワークがある。

 カンボジアで22例目のH5N1鳥インフルエンザ感染者が出た。いつものように子供で、8歳の少女だ。幸いに状態は安定しているという。
 今年は22例目の感染者となっている。突然感染者が増えているのは、周辺の家きんのウイルス感染率が高くなっているからだ。危険な状態であることは、多くの専門家やWHOも認識している。
 8月以降8例の感染者、全例小児である。8人中3人が死亡したものと推定。
 にもかかわらず、世界的に心配の声はない。完全に先の豚インフルパンデミックで忘れ去られた感じである。、
 オー、サウンド・オブ・サイレンス

 H5N1はパンデミック候補の王者である。これが人人感染すると、我が国では100万人の死者が出るし、このウイルスに対する対策が、新型インフルエンザ対策としての古典となっている。
 周辺に死んだ鶏やアヒルが多数いたことから、そうした家きんに接触して感染したものと考えられている。WHOからの正式情報はまだ出ていない。

 サウジの東部の州でMERS死者が出た。
 人人感染によるもののようだ。
 同国保健省のサウジアラビア語でのウエブで発表されている。

 MERSもH5N1も、そして中国のH7N9もどうなるのだろう?

 他に十分情報を発信しているサイトがあれば、それらをリンクして、当ウエブをいったん休止、そして希望者にだけメルマガで、このエッセー程度の簡単な(迅速ではあるが)情報を送ることも考えている。
 そして新しいジャンルの情報&オピニオンサイトを立ち上げたいのではあるが。

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