2013/08/31

 未記載

2013/08/30

 
エジプトで1昨年起きた”アラブの春”が今や”アラブの秋”に移行しつつある。既に内乱がはじまっている。
 シリアでは、政府による毒ガス使用という最悪の事態が起きている。
 中東は滅茶苦茶な時代に突入しつつある。

 数百人から数千人、さらには数万人の死者が出る内乱が起きている地域では、感染症による数十人、数百人の死者はニュースにすらならないかもしれない。
 そうした中、ウイルスが世界に広がり、パンデミックが起きて、世界中で200万人、または2000万人の死者が出ても、今日明日死ぬかもしれない紛争地域の人々にとって、それほど気になる事態ではないかもしれない。

 公衆衛生が重要になるのは安定した社会状態のときだけなのだろうか。

 社会が安定した国に住む者にとって、パンデミックは恐ろしい事態であるが、それは基本的に今日も明日も社会的安寧が保障されている中で生きていられるせいかもしれない。

 エジプト、シリア、周辺国の性状が不安定になるに従い、MERSの危機感は薄れる。

 今、心配なのはMERSの発生、さらにはエジプトで発生数が多かったH5N1鳥インフルエンザ感染者の把握が疎かになり、そこから変異したウイルスが世界中に広がることだ。

 政治の中で公衆衛生学が何も力を持たないことが痛感される。

 
ヨルダンのシリア難民キャンプでMERSが発生しても把握されるのだろうか?
 エジプトでのH5N1鳥インフルエンザ感染者サーベイランスは行われているのだろうか?
 
カンボジアでだって散発的に不自然にH5N1鳥インフルエンザで子供が死んでいる。

 
公衆衛生学は富んだ国のためだけにあるのだろうか?
 本当は違うと思うのだけど、実際には人の命が砂粒ほどの重さもない途上国は多いのだ。
 公衆衛生学は、その砂粒の重さの生命を地球の重さ以上に推し量る社会医学と僕は思ってきたのだけど、今無力感を僕は覚える。
 健康日本21とかメタボ対策もいいけど、健康に富んでいる国が、さらに富を得ようとしているような違和感を覚える。
 
 下記写真家の写真集の方が、数百倍も僕が伝える情報よりも人の心をとらえる。


 英国The Telegraph紙、 Life in Alepp から


 メールから
 サウジアラビアで見つかったMERSコロナウイルスに感染した”エジプト墓穴コウモリ”に関する貴重なご意見をいただきましたので掲載させていただきます。
 エジプト墓穴コウモリ

2013/08/29

 サウジアラビアで次々とMERS感染者が見つかっている。
 多くは重症者であるが、それは重症となって入院した患者で検査が行われているからだろう。

 軽症者および無症状者に関しては報告例が少ない。
 そこまで監視態勢が行き届いていないせいだろう。

 ウイルス感染者がいつどこの国から発表されるか気になる。
 パンデミックが起きる可能性は現在低いといっても、それはこれまでの疫学的情報によるものであって、現在、さらに今後どうなるかは保証の限りではない。

 現在、当ページの情報は、世界でも相当早い段階の情報を掲載しているはずである。
 そうしたことができるのもGoogleの検索システムが格段に進化しているおかげである。
 検索方法を色々と変えて、リアルタイムに表示させるようにしている。
 いってみれば、世界の情報のビッグデータともいえる。

 情報を確認しても、それから訳して日本語掲載という作業がある・

 結構疲れが出ている。
 パンデミック、来るか、来ないか…。

 秋晴れの旭岳山系で仰向けに転がって休みたい気分でもある。
 紅葉が迫っている。


 WHOが久しぶりにMERS感染者数を発表した。
 感染者数が当方がフォローしてきた総数106人ではなく、4人少ない102人となっている。
 変だなぁ?

 当方が参考にしているページ->FluTrackers
 本日のWHO発表内容->WHO


2013/08/28

 カタールで29歳男性がMERSを発症したが重体で同国の医療センターで濃厚治療を受けている。
 カタールで4人目の感染者となるが、この1週間で2例目となる。

 検査体制と医療機関における情報共有化が進んだことから、感染者の発見と同定が広く行われてきているようになったようだ。
 気になるのは人人感染で発病したことだ。
 下記の香港の専門家会議では、人人感染が継続的に起きている可能性は否定できないとしているが、実際には結構起きているのではなかろうか、と思う。
 
 
 ネパールのH5N1鳥インフルエンザ死亡疑い例に関して、当局は否定した。
 しかしコメント内容はやや不鮮明ではある。

 当局のコメントが不鮮明なのか、ネパールの報道機関(英文)の内容が不鮮明なのかは判断つかない。
 しかし、我が国の報道機関の英文報道もそれほどの内容でもないから、あまり批判できないが。


 香港保健省が、香港の専門家によるMERSの現況に対する会議を開催し、その議事録を即公開している。
 内容のまとめは日記の方に掲載しているが、非常に参考になる、というよりも考え方の整理につながる。
 これといった新しい知見はないが、現在、パンデミック発生のリスクは低いが、ウイルスが中東から入ってきて(感染者が入国、または何かの方法でウイルスが侵入)、香港内で集団感染が起きるリスクは除外できないとしている。

 同委員会の勧告案は:
  強力なMERSの監視態勢の継続
  中東への旅行者に対する十分な情報提供(教育)
  WHOや国際的保健当局との密な連携の維持
  医療機関の厳密な感染対策維持

 行政機関が公衆衛生学の分野でこのように先行して社会に情報提供と啓発を行っているのは素晴らしいが、よく考えると欧米各国は概して同じ体制ではある。(英国、カナダ、オーストラリア、米国他)。


2013/08/27

 
7月から鶏の間でH5N1鳥インフルエンザが広がっているネパールで、人の感染疑いが死者2名と治療中患者1名で出た可能性がもたれている。
 ネパールの報道機関の英文ウエブで明らかにされている。
 
 死亡したのは2女性で、ウイルス検査のための検体は得られていない。
 
大学病院で死亡し、病院側から保健局にH5N1鳥インフルエンザの疑いがあると届けられたという。
 感冒症状と咳、発熱で死亡しているから重症肺炎を起こしたものと思われる。
 何の基礎疾患もない女性が2人、重症肺炎で死亡したとしたなら、周辺でH5N1鳥インフルエンザが鶏の間で発生しているから、H5N1ウイルスが感染した疑いがある。
 検体が採取されてなかったことや、インフルエンザ検査をされてなかったことは、これまで国内でH5N1鳥インフルエンザウイルスが鶏の間で蔓延していたのだから、少々未熟な医療機関と言わざるを得ない。
 もう1人の疑い者は現在ICUで治療中で、タミフルも投与されているというから、これは標準的医学水準にあるようだ。
 咽頭分泌物のウイルス検査が国立公衆衛生研究所で行われている。

 もしネパールで人がH5N1鳥インフルエンザを発症したことが確認されたなら、これは新たな展開を迎えたといえる。
 ウイルスが変異してきている可能性である。
 他に感染者はいないのか、調査のためにWHOが現地に入ることになる。

2013/08/26


 ざっと見た感じでは海外は週末のせいか特に何も気になる情報はない。
 途中覚醒後、軽い眠剤を半量飲んだせいが眠い。
 この程度の眠剤では眠れないこともあるが、時としてすごく反応することもある。

 透析を受けている方からの質問です。

 {透析室のベッドの感覚が70センチしかなく、インフルエンザの院内感染が危惧されます。患者に感染予防の意識が希薄なため、咳をする患者がマスクを着用していません…。}

 ベッド間は飛沫感染を防ぐためにも2メートルは必要です。またはカーテンでの仕切りが必要です。
 そうした物理的隔離ができない場合は、感冒様症状がある場合はマスク着用が必要です。

 所轄の保健所の指導が必要と考えられます。

 中東の新型コロナウイルス感染症は、サウジの医療機関内の透析室で院内感染が起きています。多数死亡しています。
 また2009年の豚インフルエンザ発生初期には、国内の透析室で感染を受けた患者さんが死亡しています。この時は早期から透析患者さんに対する感染予防が国際的に警告されていましたし、当方もウエブでそのように伝えていました。
 早期にタミフルの服用を行っていたら、患者さんは救えていたと当時から考えています。



2013/08/25

 今日は日曜日。
 いつもながら寝覚めが悪い。

 日曜日から月曜日は欧米が週末のせいもあって情報は少ない。公的機関からの「情報はまず出ない。

 面白いと思うのはMERSに関して日本国内ではあまり興味がもたれてないようだ。
 それは報道機関も同じ。

 しかし、H7N9に関しては関心は、まぁまぁもたれている。
 共同通信や時事通信が、世界でも最も早く伝える。
 欧州では予想外にH7N9に対する関心はすくない。国際的通信社が情報を発信し、それをいくつかの報道機関が伝える。

 各国報道機関の関心度をまとめると:
  欧州:MERS、H7N9
  米国:MERS,H7N9
  国内:H7N9MERS->もっと小さい

 それにしても国内のウエブをみていると、大手の報道機関の発する情報内容の間違っていること、内容の古さなどに驚く。
 関心度の低さゆえ、最新の情報を勉強してない人が解説していることも多いようだ。


2013/08/24

 MERS報告がサウジから相次いでいる。
 さらに3名が確認されているが、1人は死亡、1人は無症状であるが、発病者から感染して検査で確認されている。
 ミネソタ大学感染症情報センター(CIDRAP)の報告であるが、米国CDCのMERS情報サイトでの世界の感染者総数も昨日よりも4名増えている。増えた4名はサウジであるが、具体的中身は不明であり、サウジ保健省のアラビア語ウエブと英語ウエブでの発表内容が異なることも影響し、CIDRAPではやや戸惑っている感じである。
 WHOでは最近情報を出していない。サウジの情報の確認が取れていないせいと思う。

 いずれにしてもサウジで公式発表されている感染者は氷山の一角の可能性があり、感染者数82人は実際の数の数分の1以下であることは間違いはない。

 感染源は未だ特定されてないが、ウイルスはコウモリがもっており、それは果物やその他の媒介物に付着し、そこからラクダや人が感染している可能性が高い。
 今回発表された1例もそうであるが、人から人へのウイルス感染も起きているが、その数はどの程度か不明である。

 ラマダンでサウジに集まった人々から感染者がでたとの報告はいまのところないが、少し不思議な感じがする。


 香港保健省ホームページではMERS疑い者が出ると即時発表しているが、昨日12歳の疑い例がウイルス検査を受けていると発表した。
 中東を旅行し、帰国後に発熱しているが、母と姉もインフルエンザ様症状を呈したが、現在は解熱しているとされる。
 少女の呼吸器分泌物のウイルス検査が行われている。

 香港ではこれまで見つかった疑い例は全て保健省のページに記載されている。ウイルス検査の結果も掲載される。
 かっての英国植民地の影響があることから、香港における公衆衛生学の社会における影響力は大きい。さらにSARSが発生したこともあり、感染症に関しては非常に鋭敏に反応する。
 H5N1鳥インフルエンザが鶏から人に初めて感染しとき、香港保健省の責任者は現在のチャンWHO事務局長だった。18人の感染者が出て6人が死んだ。香港中の全家きんを殺処分して拡大を防いだ。

 こうした香港の素晴らしさを医師たちに話しても、多くは鼻で笑う。
 無知とは恐ろしい。

2013/08/23

 MERSウイルスとH7N9ウイルスに関する新知見が得られたため、情報が多くなっている。
 次々と斜め読みしてから、必要なものを訳するのだけど、結構時間がとられている。
 猛烈に目が痛くなる。
 1日数時間ディスプレーをのぞき込む生活が10年近く続いている。
 目薬をさして、時々休む。

 他に読みたい書籍もあるので、それは寝る前に読むことにしている。
 しかしすぐに眠くなってなかなか先に進まない。

 訳文は後々まで自分の貴重な資料になる。
 生活をまともに続けている間は、情報収集を続けたいと思っている。
 完全に社会的にリタイアしたならば、やめようと思っているが、そのリタイアの時がいつなのか自分でも判断できない。

 世界の専門家たちがパンデミック阻止のために全力を注いで研究、または啓発を続けている状況を知っているうちは、足を抜けないかもしれない。

 香港大学の研究チームがH7N9ウイルスの進化過程をアヒル内でウイルスが遺伝子交換を行って、新規ウイルスが誕生したとする研究に関する報道は海外では多い。
 調査内で彼らが発見したH7N7ウイルスは中国内の家きんに広がっていて、フェレットにも感染することから、人への感染も起こりえる。そして現在のH7N9以上に危険かもしれないというコメントは、特に海外の報道機関の注目をひいている。
 

 う~ん、サウジアラビアでさらに2名のMERSが確認された。
 首都リヤドであるが、一人はガンと慢性疾患を合併していて、もう一人も慢性疾患を保有している。
 両例とも濃厚治療室に収容されているが、重体のようだ。

 サウジでは、MERSは重症例しか確認できない状況なのだろうか。

 サウジアラビア保健省のMERSウエブが更新された。
 しかし日付が8月18日になっている。
 昨日までは8月1日が最後だったはず?
 
 内容は50歳と59歳の女性で、両例ともICUに収容されている。
 これは確かに20日のCIDRAPニュースで、サウジアラビア語でのウエブで公開されているとされた情報ではある。

 しかし今日の50歳と70歳の例は、同じようにサウジアラビア語でのウエブで情報が出されているとCIDRAPニュースでは報告しているが、英語版にはまだ掲載されていない。
 先の事例と似た内容ではあるが、CIDRAPニュースは米国CDCの情報も引用しているから間違いのない情報だとは思う。
 サウジアラビア保健省が英語版でのMERS情報ページを作ったことは評価できるが、内容的には簡略すぎるのと、情報発信が遅い。


2013/08/22

 中国のH7N9鳥インフルエンザウイルスは、渡り鳥がもたらした各種鳥インフルエンザウイルスがアヒルに感染し、そのアヒル内でウイルス間における遺伝子交換が行われた結果誕生したとの仮説が出された。そのアヒルからウイルスが鶏に感染し、生きた家きん市場内の鶏間でウイルスが拡大したとされる。
 香港大のウイルス専門家であるイ・グアン教授等の研究チームが、Nature(ネーチャー)に発表した。
 H7N9ウイルスの誕生に関する仮説は、これでほぼ実証されたといえるかもしれない。

 英国のBBCニュースが”アヒルは鳥インフルエンザウイルスのるつぼ”との非常に的を射たタイトルでニュースを発信している。
 研究チームはさらにH7N7という鳥インフルエンザウイルスが中国内の鶏で発生していることも確認し、これが哺乳類にも感染する可能性があることから、H7N9以上に危険かもしれないとしている。

 中国の研究チームの活躍には目をみはってしまう。
 世界的医科学雑誌に相次いで論文を発表している。


 サウジアラビアのコウモリ(エジプト墓穴コウモリ)から分離されたMERSコロナウイルスが、人から分離されているウイルスと遺伝子が合致したようだ。
 米国のコロンビア大学の有名な研究室がサウジの研究者と共同で発表した。
 完全に遺伝子が一致したMERSコロナウイルスが動物から分離されたのは初めてとされる。

 エジプト墓穴コウモリ(Egyptian tomb bat)は昆虫を食べることから、果実のそばに近づくことが多いとされ、果実にウイルスが付着している可能性も、研究チームでは指摘しているようだ。

 いずれにしても以前から言われているMERSコロナウイルスのコウモリ由来説が確認されたが、そこから実際に人への感染はどのように行われているかは未だ謎である。

 一つの仮説
 コウモリ->果実へウイルス感染->人へ


 カンボジアで男児がH5N1鳥インフルエンザに感染したとの情報がでた。
 WHOとカンボジア保健省の共同発表だ。
 今月3人目。それも全て小児である。
 現在回復したと発表されているが、治療開始が早かったのだろうか。
 これまでカンボジアで感染が確認されているのは小児が多く、それも大多数が死亡している。
 医療機関へ受診するまでの期間が長く、相当重症化してから専門病院で治療を受けている。

 それにしても今年は多い。既に17人である。
 たぶん、カンボジア内で鶏の間でH5N1鳥インフルエンザが流行していると思われるが、同ウイルスはインドとネパールでも鶏の間で広がっている。
 特にネパールではカトマンズ周辺の養鶏場の多くで発生しているようだ。
 しかし、インドやネパールでは感染者は発生せず、カンボジアだけに限定したかのように人が感染しているのは、少々奇異に思われる。
 それほど環境的に違いはないと思われるが、ウイルス株に大きな違いがあるのだろうか?

 H5N1ウイルスは未だ人に完全に適合していないが、少しの遺伝子変異で容易に人に感染するようになると言われて久しい。

 MERSコロナ、H7N9、H5N1、いずれもパンデミック候補である。
 どのウイルスが最初に鎌首を持ち上げるのだろうか?
 


 2013/08/21

 カタールでもMERS感染者が報告された。
 同国保健省が発表したが、同国としては3人目の感染者となる。
 6月に英国の病院でカタール男性が昨年9月以来の闘病生活の果てに死亡している。他に1人の感染者がいるが治癒している。

 サウジアラビアと隣接しているから、MERSコロナウイルスが広がっていても不思議ではない。
 アラブ首長国連邦でも出ている。
 問題は、どれだけ感染者が同定されているかであろう。

 しかし、その後カタール保健省からの情報では、男性は国外で感染したようだ。
 国名は明らかにしていないが、たぶんサウジアラビアだろうと思うが。

 


 サウジアラビアで2名のMERS患者が出た情報は、サウジアラビア保健省の自国向けのウエブサイト、すなわちアラビア語で発表されている。英語サイトではまだ発表されてない。
 それが機械翻訳され、非公的専門ウエブサイトで流されているが、米国ミネソタ大学感染症情報センターのスタッフが、絶えずチェックしているサイトでもある。
 WHOから公式に発表されるまで2日ほどのタイムラグがあるようだ。また国際的通信社の記者も1日遅れくらいで情報を発信する。

 実際にサウジアラビアではどの程度の感染者が出ているのだろうか?
 報告されるのは重症例ばかりで、多くがICUに収容されている。

 しかしだ。
 それとは別に小児を含む軽症者や無症状者(スクリーニングで見つかっている)も時々報告されている。みんなが重症化しているわけではない。
 なんか変な状況ではある。
 サウジアラビアでは76人の感染者が報告され、39人が死亡している。
 感染者の中には軽症者と無症状者が10人近く含まれている。

 実際の感染者数は10倍いるとして760人、死者数は70~100人程度だろうか。
 10年前の中国で勃発したSARSの初期に近いかもしれない。
 現在暑いのでウイルスは控えめに活動しているだろうから、やはり秋から冬が問題となる。
 その時点でウイルスがより人に馴染んで(適合して)感染性を強めているとパンデミックに移行しやすい。

 でもだ。
 秋から冬に要注意なのはH7N9も同じだ。こちらはWHOも中国の専門家も警告している。

 やはりダブルパンデミックの危険性があるのだろうか?
 もしそんなことが起きたなら、医療先進国の我が国でもカオス的大混乱となる。

 しょぼしょぼと数人程度が国内で時々発生するだけでも、医療機関を含めて島国日本の社会全体は疑心暗鬼に陥る。

 正しい情報と、何に気をつけるべきか、そして最悪のシナリオについても国は説明してゆく必要がある。
 まさしくガン告知問題と同じだ。

 責任者がいないかもしれない。厚労大臣や官僚では仕様がない。
 研ぎ澄まされた頭脳と社会的責任性を十分認識した専門家が欲しい。
 中国からでも頭脳輸入するしかないのだろうか?


2013/08/20

 
MERSおよびH7N9インフルエンザ関連情報は目新しいものは出てこないようだ。
 夏場に入ったせいもあるが、サウジでのラマダンを終えて帰国した人々での発生報告はないが、風邪やインフルエンザ症状があっても診断が難しい。MERSでは下気道の分泌物でなければPCRで陽性になる確率は低い。
 軽症または無症状感染者もいるから、ウイルスが国際的に広がっても認識されるまでには時間がかかるかもしれない。

 中国のH7N9ウイルスは明らかに気温が高くなったことから感染活動性が落ちている。
 先日広東省の女性が発病して治療中となっているが、特効薬もないから重体状態が続いているのだろう。感染源は働いていた家禽処分場でと推定されているが、そうしたところへ運び込まれている鶏の中でH7N9感染を起こしている例があるから怖い。そしてそれがどこから来たのかも特定されていないようだ。

 H5N1鳥インフルエンザでは、回復した患者から血漿を採取して、その中に含まれる抗体の効果を期待して、血漿を患者に輸注したりしている。
 H7N9鳥インフルエンザでは多数の回復患者がいるから、そうした治療もおこなわれていると思うが、患者が確認された時期には体内のウイルス量が増え、すでに肺でのサイトカインストームを起こしているから、どれだけ効果を持つかは不明である。

 H7N9鳥インフルエンザの診断は容易ではない。患者が疑われたら咽頭粘液を採取して、それをPCRで検査することになるが、検査は特定の研究所で行われることになる。日本なら各地の衛生研究所だろうか。
 インフルエンザ様症状を呈した患者の中からH7N9感染であることを疑い、そして検体を採取して迅速に研究所に送り検査をしてもらう過程が、どれだけ速やかに行われるか、それが問題だ。
 最初に感染を疑う段階が難しい。
 ウイルスが明らかに中国限定なら、中国帰りのインフルエンザ症状発現者は即検査を行えば良いが、ウイルスが無症状の鳥を介して国内に入ってきているとしたなら、それは不可能だ。
 H7N9ウイルスを現場で同定可能な迅速キットが出来れば良いが、現在はそれは難しい話だろう。
 H5N1ウイルスの迅速診断キットも未だ存在しない。

 秋以降に風邪、インフルエンザ症状を呈する市民が増えだしてきたとき、MERSとH7N9ウイルスが間違いなく、中東そして中国内から出ていないことが確認されていると良いが、そうでなければ相当注意深く診断と観察することが要求されるかもしれない。
 もっとも両ウイルスが世界に広がっていたとしたなら万事休すでもある。

 唯一の望みはH7N9ワクチンであるが、現在国際的企業4社が出がけていて、秋または初冬に実用化可能といわれている。アジュバント(免疫賦活剤)入りなので、副作用も結構あるかもしれない。
 Can a usable H7N9 vaccine be made? Research should offer clues soon CTV News (カナダ) H7N9ワクチンの実用化が近い

 それにしてもパンデミックに対する社会的関心がなくなっている。
 社会的関心度に関係なく情報を追い続けなればならないが、周辺の人から見ると、変わった医者だなぁ、程度に思われている。

 午後 (パート病院から帰ってきてみると)
 そんなことを言ってたら、WHOが秋以降H7N9が再流行する危険性を警告し、上海の専門家達もセミナーで同様の警告を発している。

 また香港大学の研究チームが、H7N9ウイルスの感染能力が非常に強いことを警告する論文をランセットに発表した。

 イスラム教徒が多いインドネシアでは、10月の大巡礼参加者にMERS感染対策の教育を開始している。参加者は16万人を超えるとされ、参加者の平均年齢は50歳前後という。

 エジプトのイスラム教徒は内戦で殺されているが、大巡礼には参加するのだろうか?
 またエジプトからH5N1鳥インフルエンザ感染者の報告が途切れているが、戦乱の中でウイルスが広がっていなければ良いが…。


 う~ん、さらに調子が悪い。
 夕方にサウジアラビアから2名のMERSが報告された。
 日記は寝る前に書くべきではあるが、これはエッセーだから、話の流れが前後しても許してもらうしかないか…。

2013/08/19

 月曜日

 昨夜のNHK番組、新富裕層(1億円以上の資産、もしくは数千万円の投資が可能な人々)のドキュメンタリーをみたが、少々衝撃を受けた。
 
金を儲けても税金が取られるから、税金の少ないシンガポールへの移住者が増えているという。
 ”一生懸命働いても税金で持っていかれるんじゃね”と若い投資家たちは語っている。高級車のフェラーリを乗り回し、豪邸に住む。
 あるデータでは新富裕層は日本人の70人に1人といい、現在増えているようだ。
 代わりに、どうしても職が見つからない、そして将来も暗い新貧困層も増えているという。

 知らないうちに価値観が金になってしまった若い世代が増えていたのだろうか。

 
なんとなくため気をつきながら、今日もパンデミック情報を追っている。


2013/08/18

 
日曜日。
 週末は海外の報道機関も業務は手薄となり、よほどの重要な情報でない限り1日遅れとなることが多い。
 WHOは完全にそうだ。高級国際公務員であるから、問題は週明けの会議となり、それから広報官が記者発表をする。

 現場で情報を収集するジャーナリストと、大きなビルの中で書類をチェックし、会議で追われる高級公務員のどちらを好むかは人それぞれであるが、前者は感性が豊かでなければならないが、後者は判断力と法律、または組織の役割に使命感を抱いている必要がある。

 かってH5N1鳥インフルエンザが人へのパンデミックを起こす危険性が高まっていると思われた頃(2005~2007年)、国際的通信社の記者やジャーナリストは、鳥インフルエンザが家きんや人で発生しているインドネシアの奥地、ベトナムなどに入り込み、現地から情報を発信していいた。
 今は途上国の政治紛争や内乱が世界的ニュースとなってきていることから、多くのジャーナリストはそうした地域での取材に明け暮れしているようだ。
 我が国の報道体制はとなると、やはり国内情報が主で海外情報は従となっている。
 こうした国が世界を引っ張るだけのリーダーシップを近い将来身に着けるとは思えない。

 中国の新華社通信、香港の英字新聞、インドの大手英字新聞、英国のBBC他、米国の大手報道機関(もちろんのことであるが)、カナダのカンディアンプレス、オーストラリアの報道機関。
 すべてに共通しているのはグローバル状況がどうなっているか(地球丸は順調に航海しているか)、絶えず監視の目を光らせていることだ。

 曖昧な日本文と論理性ある英文との差はあるにしても、英文で報道内容を流している主要国の報道はタイトルだけでも、その奥の情報が読み取れる。
 中国の新華社通信の英語版の英語の読みやすさと正確さは世界一かもしれない。
 香港のStandard、South China Morning Postだって一級品の英文で、これまた一級品の内容を世界的専門家のコメントを交えて伝える(彼らは電話一本で世界的専門家にインタビューできるのだ)。

 日本の報道機関にも英語版はあるが、国内の重大情報を報道する場合は、各国の報道機関が引用はしているが、通常、国際的報道機関の中に並んで世界の情報を伝える役割は担っていない。

 米国安全保障局(NSA)の秘密文書を国際的に暴露した元CIA職員のエドワード・スノーデンに関する情報は国内では十分伝えられていない。たぶん情報が十分入手できないこともあるだろうが、米国に遠慮して報道しないのと、日本社会でそれほど関心を抱かれていないせいもある。
 興味あることに、欧州他の報道ではスノーデン氏と記述するのに対して、国内報道ではスノーデン容疑者と記述する。国際的に彼は容疑者とはされていない。米国の法律では容疑者のようだ。
 しかし、ワシントンポストや他の報道機関では必ずしも容疑者扱いしていない。
 英国の報道では同氏がもたらした情報の重大性について論評している。それはワシントン・ポストやVOAもそうだ。

 我々が認識しなければならないのは、日本の報道機関が作る紙面は、報道機関のデスクたちにより真実が歪められていたり、削除されている可能性があるということだ。
 自民党政権を応援している読売新聞社とそうでない朝日新聞社は誰でも知っているが、国際情報も十分正しく伝えられていない実態に関しては、ほとんどの市民は知っていない。

 新型インフルエンザ、またはパンデミックに関しては、国内報道機関はさほどのニュース性ある情報と考えていない。
 どこかでばたばたと感染しだすとニュースに載せる。
 そのニュースも表面的内容だけで、他の世界的報道機関に比較すると短く、コメントもほとんどない。

 エジプトの内乱を正しく伝えている国内報道機関は全くない現状を憂えているのは自分だけだろうか?
 この内乱はなぜ起こっているのだろうか?
 EU、米国、中国他はどのように陰で動いているのだろうか?

 
我々は真実をどのようにして知ることができるのだろうか?
 名所見物で海外旅行をする日本人は多い。
 大リーグ、サッカーなどでブレークする日本人は増えている。
 しかし、世界の真実を知るために海外に出向く人、ネットで欧米の報道を読み砕く人は非常に少ないはずだ。

 ネットでどこの報道機関をチェックしているか、アンケート調査をしたら良いと思うが、国内のマスメディアは自分たちに不利になる情報は求めない違いない。


 
ふ~ん、英国の警察が1997年の8月に起きたダイアナ妃の交通事故死を再捜査始めていることが、USA TODAY (米国)で今朝報じられた。英国の報道およびAP通信が報じているとされる。
 記事によると新たな証言が出てきたとされる。
 事故ではダイアナ妃、恋人、運転者が死亡している。
 王室関係者はコメントを控えているとされる。
 やはり背後に何かあるのかなぁ?


2013/08/17

 やや遅くなったが、親族が集まって札幌のお寺参り。
 娘も川崎から一泊二日でやってくる。
 いつもは学会だ、休みだなどと自由に海外旅行に出かけているが、実家へ戻るときはやや腰が重そうだ。メールで地元にいる友人たちと連絡を取り、実家にいる時間は本当に短い。

 中国とオーストラリアの研究チームが、鳥インフルエンザのH5N1とH7N9の人感染者の多発地帯が、長江河口に近い江蘇省の太湖南部から江蘇省南部に位置している浙江省北部、そしてその西方に位置している安徽省の浙江省境界であると発表した。
 長江河口から太湖にかけてやってく渡り鳥が関与しているとの仮説になるのだろうか?

 しかしH5N1鳥インフルエンザは結構離れた地域で散発的に人に感染している。
 その多くは感染源は明らかになっていない。
 昨年1月、今年の2月にも貴州省の州都である貴陽市で、2人が無関係に同時期に発病しているし、広東省でも時々発生してきた。



 渡り鳥がウイルスを運んできて、それが家きんに家きんに感染するのか、一旦家きんに感染したウイルスが継時的に変異してゆき、人に感染しているのか不明である。
 H7N9ウイルスは未だ野鳥からも農場の家きんからも見つかっていない。
 何かがブラックボックスの中に入り込んだまま、誰にも分からないまま、ウイルスが消え去る可能性もある。
 SARSだってそれに近かったではないか。。

 中東のMERSもそうなるかもしれない。

 SARS、MERS、H7N9ウイルスと突然現れたウイルスは、はっきりって謎めいた要素が多い。
 
 PUZZLE?

 まっとうな素性のH5N1はいつまでも燻りつづけている。
 今もネパールの鶏を総なめにしつつある。

 もしH7N9鳥インフルエンザウイルスがこのまま消えたら?
 

 こんなことを書いているうちに時間がなくなってゆく。
 いつもそうだ。
 気になる情報が見つかると、それを訳し、まとめ、必要な地図があると、それを適当に加工してウエブに掲載する。数十分は要する。それがもう1件あると1時間、さらに大きな論説めいた記事がロイターやカナディアンプレス、BBC等に見つかると、さらに1時間は取られる。

 気になる情報はまとめておくと、後で自分で調べる時の資料になるから、重要な日々の作業と諦めながら、時間の早い推移を気にしないように努めてはいるが…。


2013/08/16


 ネパールの養鶏場でのH5N1鳥インフルエンザが拡大している。
 史上最大の規模とされる。

 50万羽が近日中に殺処分されるというが、人への感染が起きなければ良いが。


2013/08/15

 インド、ムンバイ市でMERS疑い例が報告された。
 サウジアラビア帰りであるが、発熱と進行性の肺炎を呈しているようだ。
 未だインドではH1N1インフルエンザが発生しているため、H1N1検査が行われたが陰性だったという。
 サウジアラビアに35日間滞在し、8月12日に帰国、14日午後入院している。昨日である。
 プネ市の国立ウイルス研究所でウイルス検査を行っているとされる。

 これがラマダン参加巡礼者で初の母国へのウイルス拡大となるかは、現時点では不明である。

 ただMERSコロナウイルスは下部気道から分泌物を採取し、それをPCR法で検査するから、偽陰性となる確率も結構ある。分泌採取が正しく行われなければ偽陰性となることも多いようだ。

 ただ40歳男性が基礎疾患を保有してない健康者であるとしたなら、MERSは比較的軽症で治癒する。
 問題はウイルスが周辺に広がることと、医療担当者に感染することである。
 今後の情報が重要となる。


 H7N9ウイルス、糞便経由で感染する可能性が示唆
 香港大学と浙江省附属病院の合同研究

 4月に浙江省で発病し、死亡した6人の剖検からの知見。
 4人の糞便からH7N9ウイルスが検出された。
 多臓器からは検出されてない。

 2003年のSARSが流行した際、香港のアモイガーデン地区のマンションで多数が発病し10%以上の発病者が死亡した事例は有名であるが、原因は水洗トイレの配管の不備で、配管内で発生するエアロゾル中にウイルスが含まれ、それが配管を同じくする上下の住宅にウイルスが広がったとされている。
 SARSコロナウイルス感染者の多くは下痢を伴うことが知られているが、H7N9感染者でも下痢を呈する例が多いとされる。

 研究チームではH7N9ウイルスが鳥から鳥に感染する様式は排泄物を介している可能性は高いと考えられていることからも、人での感染も感染者の糞便を介して起こる可能性はあるとし、排泄物に対する予防対策を強化する必要があるとしている。

 無症状感染者および軽症感染者が多いと考えると、一般人における排便後の十分な手洗いは重要となる。
 中国人の公衆衛生に対する意識レベルが気になる。
 トイレに手洗いとティッシュを用意しているのは高級ホテルくらいだろうか?

 糞便経由でH7N9ウイルスが感染するとなると、ウイルスの性状がさらに人に感染しやすくなると、少々厄介なことになる。

 自宅の周辺にカラスの排泄物が時折みられるが、カラスにH7N9が感染するようになると、これはさらに厄介なことになる。夏の夜の悪夢かもしれない。

 ”わたしたちのウンチでH7N9ウイルスが移るって知ってる?香港と浙江省の大学の研究発表で分かったらしいわ”
 
   南中国モーニングポストから 


2012/8/14

 イスラム教徒のラマダン月(7月10日~8月7日)が終了したが、サウジアラビア保健省の発表では、海外からメッカなどに集まってきた500万人以上の巡礼者の間でMERSの発生は見られなかったという。
 やや驚きに近い印象を覚えるが、逆にMERSコロナウイルスの動向に関して、さらに謎が深まる。
 人への感染性が未だ弱いとされるが、ウイルスの感染源が不明なサウジアラビアで、数百万人が行き交ってもウイルス感染者が発生しなかったことは、謎としか言いようがない。
 ラクダがMERSコロナウイルスの感染源との仮説も出されているが、いずれにしてもこれまでの感染者はラクダや発病者とじかに触れていないから、ウイルスの存在に関しては不明なままだ。

 それでも数百万人の海外からの巡礼者がウイルスに感染しなかったということは、ウイルスは限定された場所にしかいないことを意味しているのだろうか。

 しかし気になるのは、それら巡礼者はサウジアラビアを去ったとされるから、今後彼らが帰国した国々でMERSが発症する可能性が全く否定できないということだ。ウイルス感染者が皆無との証拠はない。
 感染しても軽症、または無症状者もいることから、今後一か月間は世界中は要注意かもしれない。

 10月には大巡礼で数百万人が、短期間、メッカで一堂に介する。
 MERSはどのような展開を見せるかまだ分からない。


 そのようなことを書いていたら、米国CDCとWHOから新しいガイダンスが発表された。
 両者ともラマダンでの巡礼者から感染者が出なかったこと、または巡礼者がウイルスを母国へ持ち帰った可能性を考慮しての改定と思われる(特に米国CDC)。

 CDC
  新ガイダンスでは臨床的および疫学的クライテリアに合致するMERS疑い例は、MERSコロナウイルスの検査と同時に他の病原体検査を行うことを推奨し、さらに別な病原体による感染が診断された例でも、MERSコロナウイルスの検査が必ずしも不必要とは言えないとしている。
 WHO
  WHOはアラビア半島で新規のMERS患者が報告され続けているが、6月以降アラビア半島外への感染者輸出例は報告されてないとし、特にラマダンの期間に多くの巡礼者がサウジアラビアに集まったにも関わらず感染者が国外で報告されてないことを強調した。
 また同機関は、ラマダンの期間にサウジアラビア当局が監視態勢を強化したことと、巡礼者の中から感染者が出なかったことを報告している。

 しかしWHOはMERSコロナウイルスの潜伏期間は10日間、またはそれ以上あるとし、ラマダンが終了したのが8日であることから、各国はさらに警戒態勢を続けることが必要であるとしている。


2012/8/13

 う~ん、何かカンボジアは変だ。
 2人の小児がH5N1鳥インフルエンザに感染した。
 本年度16人となるが、新華社通信の情報では11人が死亡している。
 これまでの感染者は半数以上が小児で、その多くが死亡している。

 それにしても今年は多い。これまで多くても数人程度だったのが、今年は既に16人となっている。

 ネパールでは養鶏場で過去最大のH5N1鳥インフルエンザが発生しているし、インドでも発生しだしている。
 この時期に養鶏場でH5N1鳥インフルエンザが発生するのは珍しい。時期外れの感がある。

 H5N1鳥インフルエンザウイルスに何か異変が起きているのか、それとも環境因子に変化が起きているのか不明である。

 最近エジプトでの発生報告がないと思っているが、それに代わってカンボジアからの報告数が増えだしている。
 H5N1鳥インフルエンザも未だ脅威的状況が続いていることを認識する必要がある。

 それにしても中国メディアは早い。国内情報についてもH7N9情報は迅速に出しているが、H5N1に関しても、この2時間前に発表している。他通信社からは出ていない。

 何も知らない国内の人々は、中国はねぇ…、と疑問符を呈するが、現在の中国は以前と相当変わっていることは間違いはない。新華社通信は国際情報は非常に早くに捉えて発表する。海外に記者たちが4000人以上は派遣されているという。


 盆の時期になり小樽周辺にも多くの家族連れの観光客が増えている。
 また他地区のナンバープレートをつけた車も多い。
 市内の幹線道路はいつもよりも3倍は車であふれている。
 例年の光景ではあるが、この時期が過ぎると、北海道ではもう秋の気配が漂う。

 中国のH7N9鳥インフルエンザ情報を探していると、とある中国メディアでレンタル住宅のニュースが出ていた。
 歴史的建造物であるが、中国福建省の山岳地域にある福建土楼である。
 時々テレビで見かける素晴らしい集合住宅であるが、しばし写真に見入った。

 
New lease on life for ancient buildings  China Daily

 なんとなく郷愁を感じる光景である。

 壁は土壁とはいっても2メートル近い厚さをもち、外敵を十分防いだとされる。
 高さは5階というもの多く、80家族以上が生活していた。
 現在は住む住人も減り、レンタルハウスとして外部の人間に提供しているようだ。

 こういうのどかな田舎に別荘としてレンタルして何か月間生活するのも楽しそうだ、と夢のようなことを考える。

 福建省といえば時々H5N1鳥インフルエンザが発生して、新規株が出た場所でもある。
 現在のH5N1鳥インフルエンザウイルスは福建省株が主で、ベトナムなどに拡大している。
 ウイルスはいったいどこで変異を遂げるのだろうか?
 こうした田舎の小さな家庭で飼育する鶏などでも、ウイルスは変異するのだろうか?


最初の日に
 2012/8/12

 徒然日記のページにエッセー集とは、自分でも少々奇異に感じる。

 以前は海外情報リストとその詳細内容だけが、自分のウエブの基本だった。
 そこに徒然日記が2008年から加わった。
 以後、どちらかというと徒然日記に多くのアクセスが見られるようになった。

 2010年度の科学技術ジャーナリスト賞は、新型インフルエンザに関して、マスメディアも参考にするほどの情報をウエブから発したということで受賞となったが、そのアクセス先は徒然日記であった。

 現在のウエブは、ホームページから{重要情報リスト集}に入ると過去数年間の、パンデミック、新型インフルエンザなどに関する世界の情報のリストを時系列でリストアップしている。
 以前のウエブサイトではこれらの情報を含む、さらに十倍以上の海外情報を翻訳、または意訳して掲載していた。
 それが元々の「鳥および新型インフルエンザ海外直近情報集」の土台となっていた。
 その内容は詳しすぎたり、難しすぎたりということもあって、どちらかというとそれら内容をかみ砕いてコメント的に記述した{徒然日記}に多くの人々の関心が集まっていったようだ。

 そうした日々の作業時間は日に5~8時間は要した。
 8時間以上は職場に勤務していたから、早朝と夜、さらには週末に多くの時間を割き続けた。
 持病の検査や治療のために数日入院した時も、ノートパソコンを持ち込み、個室病室から情報を発信し続けた。
 
 既に9年近く経過しているが、これまでのアクセス総数は500万件以上(途中でアクセス計が飛んでなくなった)となる。
 2008年から開始した徒然日記は240万件。

 2009年の豚インフルエンザに起因した新型インフルエンザ流行の際は、日に4000~12000件のアクセスが記録された。
 新型インフルエンザが終息してからは以前のようにアクセス数は少なくなり、最近では500件前後と少ない。
 しかしこの春、中国でH7N9鳥インフルエンザが発生した時期には、突然3000件と急増していた。

 多くの人々は、このウエブサイトが維持されていることを知っているから、必要があると顔を覗かす。
 これは非常に光栄なことでもあるが、同時に辛い作業を継続する義務が自分にはあることも意味している。

 数年前、ページをサポートしてくれる方が現れ、ある程度の経済的支援を継続してくれている。
 また3年前からは一般の支援者にも支援をお願いしている。

 できれば1日数時間のウエブ維持という業務だけで日々を過ごせたなら良いのだけど、経済的には余裕がない。
 数時間の医師としての仕事をこなしながらのウエブ継続となっている。

 ウエブ継続とは、日に何度かの海外情報のチェック、そして重要情報は翻訳・意訳してウエブに掲載、これを日に数回繰り返している。

 一時休止するかもしれないとの掲示をだした場合、100通以上のメールが舞い込む。
 毎日でなくても良いから継続して欲しいとの内容である。
 でも情報は毎日チェックして初めてウエブの継続が可能となる。

 この冬、何が起きるか分からない。
 いつものようにインフルエンザが発生しだすとき、MERS、H7N9はどうなっているのだろうか?
 もし中東から各国にMERSが広がりだしていたり、中国からH7N9が拡大していたりすると、我々の社会はどうなるのだろうか?

 警鐘は鳴らし続ける必要があると思う。
 オオカミ少年となるかもしれない。

 かって小説を書き出し、大手出版社からハードカバーをだしていただいた後、今のような仕事に変移していたった。
 編集者は僕にいった。
 「そんなことしていてお金になるの?
 これは非常にインパクトある質問だった。

 今、周辺の医師たちはパンデミック、新型インフルエンザには関心は持っていない。
 それは行政の責任であって、自分たちにはそれほど関係のあることではないと考えている。

 医学雑誌に出ていないことは医学ではないと考えている医師は多い。
 毎日海外情報からパンデミックに関する情報をまとめていても、医師たちは、それは医学の話?といって冷笑する。

 新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)が去って以来、マスコミはパンデミックに興味は抱かない。
 ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、BBCニュース等が中東のMERS情報を伝えていても、国内ではそうした情報は皆無となっている。

 今、このウエブサイトの意義については自分では評価できない。
 ただこれまで続けてきたから、今後も続けてゆくといった惰性的感覚もある。
 でも今後何かが起きたとき、再びこのウエブを覗きにくるマスコミ関係者、政府関係者、行政関係者、そして主婦たち、教師たち、少数の誠意ある医師たちのために、情報収集とその集約をこのウエブに掲載し続けてゆかなければならないといって漠然とした義務感のようなものが絶えずある。

 情報と、それに関するコメントが{徒然日記}のメインな内容となってしまった。
 自分の感情の加わった文章は、いつの間にか徒然日記の余白から消え去ってしまった。

 そういうことで本当の気持ちを伝えるページとしてエッセー集を今回作った。
 情報を集め、翻訳するのは大変であるが、文章を書くのは元来好きなので、あまり時間は要ない。
 ただし雑文かもしれない。書いた後推敲などをする余裕がないから。
 
 どこかの出版社がいずれかの日にか(パンデミック中、終了後、または…)、出版の足しにしてくれるかもしれない。


 ご意見あればメールをください。参考になります。tatunai2012@gmail.com