コラム
泡沫クラスターを追え
 7/26/2020

 国全体の感染者数増加率は、次第に東京都以外の大都市小都市での発生数が主要な要因になってきた。
 第一波でも東京都以外の地域による発生数が、国の増加数の推移の主要な要因となった。

 各地域に於ける感染者数報告が増えてきているが、ウイルス感染者が国全体に拡大していることを示唆している。

 東北地方、山陰地方、四国西部など、関東圏との人的交流が少ない地域、大都市の少ない都市では感染者数が少ない。
 (しかし、今GO TO キャンペーンで、国は遍くウイルスを国中に広げる対策をくり広げている)。

 今、感染者は大都市から小都市、さらに旅行先でウイルス感染を起こしていることが予想される。
 感染後無症状でいる若者、感染後体調をくずして医療機関でPCR検査を受けて感染者の烙印を押される高齢者がいるが、疫学上問題となるのは、感染後無症状の数人の若者達集団(泡沫クラスター)であるが、東京都内に数千以上はいるだろう。外部にウイルスを広げない感染者が大多数であるから泡沫クラスターであるが、クラスター10個くらいに1個くらいからは1から2人程度の感染性のウイルスを周辺に感染させる人もいる。
 泡沫クラスター数千個の中の、数パーセントの泡沫クラスターから数十人以上の活動性ウイルス感染者がいれば、毎日100人以上の身元不詳の有症状感染者が出てくることは確実だ。

 泡沫クラスターを底網で海底から根こそぎ魚を集めるように、唾液PCR検査キットの改良型(自分でキット用紙を引き抜き、それを30秒間したと上顎の間で挟み、それからそれを検体挿入口に入れる)で、二三日に一度チェックすることを条例化する。

 または検査試薬を含んだ(人体には害のない)小さなガムを10秒間くらい噛んで、それを検体回収ボックスに入れる。いずれの場合もスマホかマイナンバーカードをディスプレーにかざして検体の身元を登録する。

 1時間後には結果が自分のカードに知らされると同時に、各地域で感染者がどの程度出ているかが示される。



泡沫クラスターを撃て

 7/17/2020

  国内第2波発生するも、責任者のいない各組織が色々と発表、会議が開かれているが、国の危機管理部門パンデミック責任者からの発表がない。
 専門家分科会にどれだけの専門家がいるか(国際的専門家)、また彼らがどれだけ意見を語っているかは分からない。ただ尾見会長の語る総括の内容だけでは、あまりにも一般論的すぎて、聞く我々には参考にならない。

 米国CDCやWHOでも、メールで質問すると答えてくれる。各国から出向している若手研究員もいて、熱心に当方の質問に答え、当方の意見を参考までにと言って、詳しく聞き取る(時にはこの出向者、日本の研究者かと思うほどだ)。
  

 日本国内の感染者は増えている。小さな無症状同士のクラスター(泡沫クラスター)が、東京都の西口や渋谷では、日中でも多数存在している。まして新宿などの新宿などの夜の町では無数だ。

  若い世代から中年の成人が、数人集まり飲み食いを行う集団には、1日に1人程度は無症状ながらもウイルス感染している人はいる。そこから3人にウイルスを感染することはあっても、感染者は大して症状無しに回復する。ウイルスは周辺に散らすが、多くは感染者はそれほど作らない。泡沫クラスターはこうして消えて行く。しかし泡沫クラスター10個くらいの中には、ウイルスが活発に発散する感染者ないし軽症者は一人くらいはいる(特にスーパースプレッダー)。そこから2~3人の感染者が増えだし、さらに泡沫クラスターを増やしてゆく。

  泡沫クラスターを撃て!
       
            {泡沫クラスター:5人程度の無症状感染者


 全国の感染者数は急増しだしたが、先の第1波と状況が少し異なる。
 先の第1波では東京外の地域(道府県)で発病者が増えた。しかし現在は東京都も都外も同じように感染者が増加している。

  これは正しく第1波との大きな違いだ。東京都の感染者数が都外の感染者数と大差なく増えていることだ。

 第1波から第2波の間に、東京都内、または周辺で多くの泡沫クラスターが誕生していて、東京都内での爆発的感染者数の増加の下準備を為されていたと考えられる。
 



出版依頼

 7/10/2020

三年ほど前、ある出版社にMERSの危険性をテーマにした新書用原稿を送ったことがある。

 韓国でソウルを中心にMERSが流行し200人近い感染者と30人台の死者が出たはずだ。
 感染が広がった理由は単純だった。MERSに関する情報が韓国医療界に入っていなかったからだ。有名なサムスン病院でも初期に見逃した。そして広がった。
 MERSコロナウイルスは危険だと思った。これは少しの変異でパンデミックを起こすと読んでいた。三年後の東京五輪開催どころか、季候危機による大災害(台風、豪雨)が年々酷くなっていて、MERSが国内に広がったら大変な事態になる事は間違いの無いことだから、真剣な対策が必要だと出版予定の原稿の、”はじめに”に書いた。

 担当編集者は関心を持ち、出版を求めて編集会議にはかった。

 しかし会議では、感染症の本は”今は売れないから”、と言う理由でボツになったらしい。

 その三年後、新型コロナが勃発。あっという間にパンデミックとなり、またあっという間に東京五輪は中止。
 そして、本年2月以降、突然新型コロナに関する図書出版の依頼が相次いだ。三社くらいから性急な依頼、さらに週刊誌からの電話取材が相次いだ。

 出版は全て断った。
 理由は、コロナウイルス(SARS-CoV-2)に関して未だ何も分かっていないからだった。それまで起きた事実は書くことは出来ても、その後どのような展開が繰り広げられるのか分からない。
 それでは新型コロナに関して、社会に何を伝えたいかまとめることは無理だ。

 各社とも数回の電話とメールのやりとりがあったが、諦めてもらった。

 新型コロナは、現時点でも素性が十分明らかとなっていない。

 ウイルス学的にはかなり解読はされた。
 しかし、その感染力、病原性(致死力、体内でどのような炎症を起こし、重体化させるのか)、感染した後、生体に免疫を付与するのか、抗体は液性抗体(IgG)と細胞性抗体(リンパ球)のどちらが主となって生体守るのか等、全て不明だ。

 感染予防についても、十分分かっていない。
 三密という妙な対策が推奨されているが、それは正しくはあっても、どれだけ感染を抑えることが出来るかは不明だ。

 それ以降、全ての依頼は断った。体力も知力もない。

 そうした事よりも、地球丸の状況が気になっている。途上国がスペイン風邪以上の惨状を呈するのではないのか気になった。疫学調査と報告も完全ではない。

 世界の感染の広がりと、そこにおける惨状を推し量る必要がある。

 5月に入ってからは中南米、南アジア、中東、アフリカでの拡大が明らかになってきた。
 さらに著しい医療崩壊、多数の死者数が見えてきた。

 国連はパンデミックは危険な方向に向かっていると警告は発するが、先進国各国は自国の事だけで精一杯だ。経済優先を水面下で推し進める富裕層と、彼らの支援を受けて権力を握っている国のリーダー達。

 死者は貧困層と高齢層に多い事実。富裕であるか若年であれば、コロナには打ち勝つことが出来る彼らは、対策よりも金を失うことを恐れる。

 今、新型コロナ(COVID-19)について予知できることはない。

 毎日国内と世界の状況をまとめながらそう思っている。

 責任者のいない日本のコロナ対策、論じることの困難さを感じる。
 何故日本には国難とも言える(高名な首相も使う言葉)大災害の対策に責任者がいないのだろうか?

 何も科学性のない頭脳を使って、部下の書いた文章を読むだけの責任者。

 かって日本を背負って立った日本人は、本当に責任をとって切腹をしたのだろうか、と思う。
 今の時代、肩書きだけの責任者はいる。
 責任とは何なのだろうか?

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